●高円宮杯　第17回全日本ユース（U-18）サッカー選手権大会 準決勝
10月7日（土）＠国立
12：00　初芝橋本高校 vs 名古屋グランパスエイト18
14：30　ガンバ大阪ユース vs 滝川第二高校
----------

名古屋U18（東海第２代表）、初芝橋本（総体準優勝）。G大阪ユース（クラブユース優勝）、滝川第二（関西第３代表）。

高校とクラブチームの垣根を超え、U−18年代の真の日本一を決める高円宮杯全日本ユース選手権（U−18）。17回目を迎えた今年、準決勝へ駒を進めたのは、２つの高校と２つのクラブ。まさに、全日本ユースの醍醐味ともいえる高校vsクラブの熱き戦いが、聖地、国立で繰り広げられることになった。

12時キックオフの第一試合に登場するのは、初芝橋本vs名古屋U−18。初芝橋本は、予選ラウンド２勝１敗。決勝ラウンドでは静岡学園に３−１、昨年度の王者ヴェルディユースに１−１の末、PK３−０と下して準決勝に進出してきた。
「苦しい試合で火事場のバカ力というのかな。選手たちが力を出す」（岡村宜城監督）というチームは、ピッチを大きく使い、ワンタッチ、ツータッチの早いパス回しで一気にゴール前へ押し上げる。この攻撃を生み出すのが、ボランチ７番の岡田翔太郎の効果的なサイドチェンジ。広い視野から繰り出される的確なパスがあるからこそ、アグレッシブに攻撃できる。「憧れの国立を目一杯、楽しみたい」と話す坊主頭の岡田に注目。

対する名古屋U−18は、各所にタレントがそろうバランスの取れたチーム。アクション・フットボールをテーマに“仕掛ける”攻撃サッカーを展開する。名古屋U−18も予選ラウンドは２勝１敗。決勝ラウンドでは、湘南ユースに２−１、鹿島ユースに１−０と競り勝っての４強入り。精神的な強さも持ち合わせている。チームをうまくコントロールし、攻撃を組み立てるキャプテンの13番・吉田麻也を中心に、左の12番・後藤雄平、19番・新川織部のサイド突破、トップの10番・久保裕一の個人技など見所は多い。さて両者は一度、予選ランドで対戦している。その時には初芝橋本が２−０で勝利をあげたのだが、果たして・・・。

続く第二試合は、G大阪ユースvs滝川第二の関西対決。「関西のチームはみんなG大阪が目標」（滝川第二・黒田和生監督）というように、G大阪ユースはこの年代を引っ張り、目指されるチームだ。技術、メンタル、戦術、組織。すべてにおいて、プロ顔負けのレベルの高さを感じさせ、そして、少年のように純粋にサッカーを楽しむ気持ちがいつでも選手たちから伝わってくるのだ。

しかし今大会に限っては、全体の判断が遅くなりがちで、決勝ラウンドに入ってからは、苦しい戦いが続いている。ラウンド16で銀河学院に７−０と数字上は圧勝だが、相手に退場者が出てからの７得点。「判断の部分が足りない」と島田貴裕監督は不満げな表情だった。準々決勝では星陵高校に先制を許したが、最後のワンプレーで追いついた。そして延長で逆転しベスト４にたどり着いた。

厳しい中でも、結果を残し、執念ともいえる勝利にこだわる姿勢はさすがの一言。国立までの２週間でどこまで建て直してくるかが鍵だろう。一方、滝川第二は、４つの中でも最も勢いのあるチームかもしれない。黒田監督の退任（来年度より神戸の育成部長に就任）が発表され、まさにチーム一丸。攻守ががっちりかみ合っており、スキを見つけるのが難しいほど。特に準決勝、広島ユース戦は圧巻だった。選手の集中力が高く、攻守の切り替えの早さも素晴らしかった。中盤の底に入る８番・金崎夢生、19番・大塚尚毅がことごとくチャンスの芽を潰し、速攻につなげていた。運動量の豊富さと早い攻撃は滝川第二の特徴。相手に何もさせずに、自分たちのよさを出し切っての完勝だった。

しかし、滝川第二は国立で勝ったことがない。しかも一度もだ。さらに相手はG大阪ユース。今季もすでに２敗しているという。それでも気負いはない。「もっと楽しめ」（黒田監督）、最後の年に、黒田監督は選手たちにそう伝えるつもりのようだ。注目の一戦は14時30分キックオフ。

以上

2006.10.05 Reported by　青柳舞子

★高円宮杯ホームページは【こちら】