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【J1:第9節 鹿島 vs 神戸】レポート:両エースストライカーがさすがの存在感。両チームにとって悔しいドローで、鹿島は公式戦5試合連続未勝利に終わる(08.05.01)

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4月30日(水) 2008 J1リーグ戦 第9節
鹿島 2 - 2 神戸 (19:04/カシマ/10,221人)
得点者:65' マルキーニョス(鹿島)、70' 吉田孝行(神戸)、87' 大久保嘉人(神戸)、88' マルキーニョス(鹿島)
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王者・鹿島の歯車が狂っている。これでACLを含めて公式戦5試合連続で未勝利。クラブワースト4位タイという不名誉な記録をつくってしまった。あわや負け試合というところを、この試合から復帰したマルキーニョスの同点弾でなんとか引き分けに持ち込んだ。とはいえ、試合後の選手たちの表情は完全に負け試合そのもの。前節の大宮戦で、試合終盤に猛攻を浴びてのドローに引き続き、今節は自らのミスで2失点。試合の終わり方の悪さが、ゲームの印象に大きく影響した。

しかし、この試合、鹿島の試合運びは決して悪いものではなかった。

中盤の4枚をフラットに並べるヴィッセル神戸は、試合開始直後からディフェンスラインを高く保ち、中盤にスペースを与えない布陣を敷いた。本山、野沢、小笠原、青木と好調時の構成に戻った鹿島にパス回しの自由を与えない。対する鹿島は、田代の高さを生かして、前線にロングボールを送り込み、相手のラインを下げようとする。

先にチャンスを生み出したのは鹿島だった。最終ラインでパス回しをしながら選手がポジションを入れ替わり、打開点を探る。その攻め方は、前節よりもスムーズに出来ていた。15分、それまでFWに近い位置でプレーしていた本山が、最終ラインの右サイドバックの位置でボールを受ける。すると、代わりに伊野波を最前線までポジションを押し上げた。本山は得意のドリブルを生かし、遅れてプレッシャーに来た古賀をなんなくかわし、中央に切り込みながら前線へ走り込む野沢へスルーパス。ペナルティーエリア深くまで入り込んだ野沢が、低い弾道のセンタリングをゴール前に送るも、マルキーニョスにはわずかに合わずチャンスを逸した。
「サイドチェンジをしたあとに、スピードアップができていない」
試合後に青木がそうコメントしているが、大きくサイドチェンジしたあとにボールを受けるのが本山であることによって、縦に推進力のある内田篤人の不在をカバーしていた。

ただ、鹿島が中盤のパス回しでチャンスをうかがうことは、神戸にとっても同じようにチャンス。22分、26分とセンターサークル付近でボールを奪うと一気にゴールに迫った。両方のチャンスとも、キーパーと1対1にまで持ち込むも、大久保のシュートは右ポストに惜しくも弾かれ、古賀のシュートは曽ヶ端に防がれてしまった。神戸としても、狙い通りの展開だっただけにこの2つのチャンスは確実に決めておきたかったところだろう。

後半は、お互いに意図した攻撃が繰り出せずに進む。鹿島の先制点も速攻で攻めきれず、もう一度組み立て直したなかから生まれた得点だった。65分、右サイドを崩しきれなかったところ、野沢が中央へドリブルしながらセンタリング。田代がディフェンス2枚を引きつけた後ろに走り込んだマルキーニョスがヘディングで先制ゴールをあげる。

しかし、復帰したエースが得点をあげ、チームの雰囲気も最高潮になったところからゲームが大きく動き出す。68分、最終ラインに入っていた大岩が、足の張りを訴え中後と交代。鹿島にとっては、この交代が引き分けの大きな要因となった。最終ライン4人のうち3人が試合出場経験の少ない選手となってしまい、これまで指摘されていた連携不足が大きく露呈してしまったのである。
交代直後の70分、間接FKで前線にあがったボールを大久保が競り合うと、ディフェンスラインの裏にこぼれた。そこに走り込んでいた吉田が、飛び出してきた曽ヶ端より先にボールに触ると無人のゴールに入っていった。まるでエアポケットに入ったかのようなあっという間の得点だった。
さらに87分、鹿島の最終ライン裏に高々と蹴りこまれる。ボールを処理しようとした中後と曽ヶ端の連携が取れていないと見るや、大久保が2人の間からボールをかすめ取り、なんなく逆転のゴールを決めた。この日の大久保は、ボールタッチこそ少ないものの、両チームの中でも抜群の存在感。ゴールも取れればチャンスメイクもでき、すべてにおいて質の高いプレーを見せていた。

残り時間わずかというところで神戸が逆転したことで、敗色ムード濃厚だったスタジアムを救ったのは鹿島のエースストライカー。ダニーロとのあうんの呼吸で相手守備陣を崩し、同点弾を決めてなんとかチームを救った。

前述したとおり、公式戦5試合連続で未勝利と2試合連続であわや敗戦ということもあって、試合後の鹿島の選手たちの表情は一様に硬いものだった。確かに、前半に2度の決定的チャンスを作られたことや、試合終盤に足が止まってしまい誰もゴール前に詰めないため青木がセンタリングを上げられない場面も見られた。しかし、攻撃ではあともう一歩で崩しきる場面も作れている。未勝利が続いてはいるため、過小評価を受けているが前節の大宮戦よりも攻撃はうまくできていた。前進していることを鑑みればそこまで深刻な状況ではない。
選手同士の連携不足は目につくものの、左サイドバックに入った石神がこれまで以上に積極的な攻撃参加を見せるなど収穫もあった。失点シーンも、自滅に近いもので、修正が難しい類のものではない。結果が出ていない状況ではあるが、なにが出来ていて、なにが出来ていないのか、もう一度冷静に見直してほしい。
ただ、ひとつ気になるのが交代選手のパフォーマンスだ。この試合でも、急遽交代出場することになった中後が、うまく試合の波に乗れず本来の能力を発揮できなかった。交代直後のプレーでは、詰めてくる相手FWとの目測を誤り、なんでもないはずのクリアボールをカットされてしまっている。ダニーロも、マルキーニョスとのコンビネーションは素晴らしいが、無駄にボールを失うシーンが散見された。昨シーズン、チームを優勝に導いたのは交代出場した選手たちの活躍だった。苦しい状況を救うためには、チーム全員の活躍が求められている。

対戦した神戸にとっては勝ち試合を落としたと言えるだろう。試合後、記者たちに囲まれた大久保は憤まんやるかたない様子であったが、金南一の出場停止、北本の負傷欠場というチームの要が不在の中で、狙い通りの試合を遂行できたことは大きな自信となっただろう。
また、前線に大久保の他にもう一枚、感じ合える選手がいると破壊力は抜群に増す。レアンドロに代わるほどの選手はなかなかいないまでも、いまひとつ物足りなさを感じることは否めない。右膝をテーピングでグルグル巻きにしていた大久保に全てを頼るのは難しい。

以上


2008.05.01 Reported by 田中滋
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