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【J1:第25節 川崎F vs 鹿島】プレビュー:勝てていないながらも雰囲気は悪くない川崎Fはエリア内での崩しを淡々と磨く。能力の高さのある鹿島をどう攻略するのだろうか(12.09.15)

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川崎Fが勝てない。大宮と対戦した19節以降、5試合を戦い2分け3敗と勝ちがない。先週は天皇杯2回戦の徳山大学戦で勝利しているが、相手の頑張りもあって内容的に満足行くものではなかった。どうにも調子が上がらない状態が続いているのだ。サポーターとすればチーム内の状況を知りたいところだろう。川崎Fは危機的な状況なのか。

答えは否である。

例えば田中裕介はBチームのモチベーションの高さを感じていると話す。

「控え組が頑張っている。ゲームをしてもBチームがいい時もあるし、もちろんAがいい時もある。そういう控え組のモチベーションが高い時はチームの雰囲気はいいし、結果もいい方向に出やすい。いい状態だと思います」

Aチームはもちろん、Bチームもモチベーションを保てているのは、1つにはチームが進む方向性にブレがないからであろう。ある主力選手は、風間八宏監督の言葉に全くブレがなく、だからこそチームは進むべき方向を信じられるのだと話す。中村憲剛はもう少し積極的に、風間監督のサッカーを肯定的に捉えている。風間監督がチームに根付かせようとするこのサッカーは、昔からやりたかったサッカーに近いと話すのである。

風間監督の言葉には力がある。良くない状況があるのだとして、それはより良い内容に到達するための必要なステップなのだということを選手たちに断言できている。だからこそ、チームはまとまっているように思う。では、そんな川崎Fは今どんな段階に来ているのか。

ここ数週間、川崎Fはペナルティエリア内での崩しに力点をおいて練習を続けている。そもそも川崎Fの最近の試合では、バイタルエリアにまでボールを運ぶことはできている。しかししっかりとパスを繋いで試合を作るため、時間がかかってしまい人数をかけた相手に対応されるという状況にある。シュートを打てそうなタイミングでも、シュートモーションに入ると相手DFが体を寄せてくる。だから、ペナルティエリアの近辺で横パスが増えてしまう。だから見た目のボール支配率ほどにはシュート数が増えないのである。そんな状況を打破するために、攻撃陣は目の前のDFをドリブルで1枚抜くか、それともダイレクトパスを1本、2本とつなげるしかない。

そうした現状について風間宏矢は貪欲にシュートを打つことを考えたいと話している。

「ペナ(PA)の中で外さなくても、勝手に開いているコースに打つことも考えたい。打てば警戒してくるので。出初めの3試合は10分までに1本は打っていると思うんですが、そういうプレーを狙いたい」

打たなければ何も起きないが、打つことで相手のバランスが崩れ、周りの選手にスペースが生まれるかもしれない。だから、積極性を持ちたいのだと風間宏矢は話す。

その一方で、中村は「エリア内で遊び心があってもいいのだと思う」と話している。

「中盤では相手を引き出すために弱いパスを出したりとかしてます。そういうようなことをエリア内でやったり、走りこむところに合わせたりはしたいですね」

パサーの中村らしく、完全に崩した上でFW陣にいい形でシュートを打たせたいと考えているのである。そしてそのためには意識を合わせる必要があるとも話している。

風間宏矢と中村憲剛と、目指す方向性は一見するとバラバラにも思える。ただ、その根底には、チームとして持つ、エリア内まではボールを運べているという認識があるのである。エリア内でしっかり守られているという状況をどう崩すのか。それはこの試合に限らず、リーグ戦残り10試合を戦う川崎Fが問われるものであるという事になるだろう。

川崎Fがチームの熟成度を高めている一方で、その本拠地である等々力を訪れる鹿島も苦戦が続いている。選手個々のポテンシャルの高さは言うまでもないが、思うように勝ち星を伸ばせておらず川崎Fとともに勝点32で低迷した状態にある。降格圏からの追い上げも日に日に激しさを増しており、共に勝点3が欲しい試合であるのは間違いない。

そんな鹿島は、先週行われた天皇杯の2回戦で筑波大学と対戦し、7対1で大勝している。現在もその筑波大学に在学中で、週2度の通学を続けている山越享太郎は、筑波大学のチームメイトと話をし、その鹿島戦について聞いている。

「(筑波大として鹿島に対し)何も出来なかったと話していました。自分たちでボールを運ぼうとして上手くプレスを掛けられ、高い位置で奪われてやられた、ということを話していました」

筑波大学は風間前監督のサッカーを継承しつつチームを作っている。そういう点では、川崎F対策を練るにはちょうどいい相手だった、という事が言えるのかもしれない。そしてその試合の中で、高い位置でボールを奪い、チャンスを作っていたのである。そんな筑波大戦をベースに、同じような試合展開を狙う可能性は十分だ。パスを繋ぐ川崎Fに対し、できるだけ高い位置でボールを奪おうと囲い込んでのプレスを狙ってくるはずだ。そういう点で、興梠慎三と大迫勇也で構成される2トップのファーストディフェスには気をつけなければならないだろう。

鹿島が神戸を下した前節は、その大迫の目の覚めるようなミドルシュートが決勝ゴールとなっている。このゴールに象徴されるように、鹿島の選手は少々遠目の位置からでもシュートを狙ってくる。そういう意味で、バイタルエリアではできるだけ相手をフリーにさせたくない。そう考えると、小笠原満男と柴崎岳とが組むであろうボランチコンビからの縦パスには警戒が必要であろう。また左右両サイドに位置するドゥトラ、レナトの仕掛けからの崩しという怖さもある。最終ラインは岩政大樹を始めとして強さを持っており、単純なクロスボールでは崩れない。

「チームとしての能力は高いチームだと思う。試合巧者のイメージもあります」と田中裕介は話しており順位とは無関係に簡単な試合にはならないだろう。

エリア内での崩しを磨いてきた川崎Fと、ミドルレンジからのシュートでも点が取れる鹿島との対戦は、ゴール前の崩しの違いに注目して見てみたいと思う。

なお余談になるが、この試合日は元川崎Fで今季鹿島に移籍したジュニーニョの誕生日でもある。他のどのブラジル人選手よりも等々力を愛していた選手なだけに、古巣での一発を虎視眈々と狙っているのは間違い無いだろう。川崎F以外のユニフォームを着て等々力でプレーするジュニーニョを想像するのはなかなか難しいものがあるが、彼がこの一戦に力を注いでいるのは確実である。その時スタジアムはどんな雰囲気になるのだろうか。

以上

2012.09.14 Reported by 江藤高志
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