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【J2:第19節 札幌 vs 富山】レポート:札幌が砂川の活躍で、厚別競技場での今シーズン初勝利!富山は開始早々の失点及び負傷退場が響いてしまった。(13.06.16)

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開始10分、ひとつの出来事が起こる。富山の前線でプレーする西川優大 が負傷で退き、選手交代を余儀なくされたタイミング。「新しい選手が入ってきて、ちょっと集中が途切れてしまったのかもしれない」とソ ヨンドクが振り返ったように、富山は一瞬の隙から右サイドを突破され、最後は砂川誠に冷静に蹴り込まれてホームの札幌に先制点を与えてしまう。

ただし、先制点を奪われたことはもちろん痛恨だが、富山にとっては開始早々に187センチの長身FWである西川を失ってしまったことものほうが痛かったのではないだろうか。

この試合は札幌のホームスタジアムである札幌厚別公園競技場で行われたのだが、今シーズンの同スタジアムは芝生の状態がまだ万全ではなく、札幌は体を張ったプレーを得意とする横野純貴を前線に配置し、グラウンダーのパスを動かすのではなく、後方あるいはアウトサイドからシンプルに蹴る戦い方にウェイトを置いていた。

アウェイの富山も同様にロングボールを織り交ぜた戦い方で試合に入ったものの、前述したように長身の西川を早々に退けたことにより、プランは狂う。選手交代後、最前線には168センチの木本敬介と175センチのソ ヨンドクが置かれる形となったのだが、「前線が僕と(木本)敬介になったのに、ハイボールが多くなってしまい、そこでうまく競り勝つことができなかった」とソ ヨンドクは悔しがった。もちろんグラウンダーのパスを増やせば、そこでミスが出てカウンターを受けるリスクもあるわけで、高さにアドバンテージのない選手にロングボールを供給することは必ずしも最悪手とは言い切れないが、リズムを生み出すという意味では難しくなる。

そうして試合の主導権はホームの札幌が掌握するようになるのだが、この日の札幌は対戦相手との関係を抜きにしても、チームとしての勢いがあった。そしてその要因となったのが先制点、結果として決勝点を挙げた砂川の存在だった。

この日の砂川は今シーズン初めて、本来の攻撃的MFではなく守備的MFとして先発出場。「攻撃でも守備でも声を出して周りを動かすという部分で、すごく頼りになる選手」と財前恵一監督はコーチングの部分の評価に言及したが、攻撃時の豊富な引き出しを持つこの選手の特徴が生きるのは、やはり高めの位置に飛び出してプレーをしたとき。守備的MFの位置から前線に飛び出す際の距離は、普段プレーする2列目からの飛び出し時よりも長くなるため、この選手が高い位置でプレーする場面では、必然的にチームの攻撃そのものがダイナミックになる。

「今日はスナさん(砂川)の前に行く姿勢が周りに伝わって、みんなが前に前にという意識でプレーできていた」と振り返るのは得点をアシストした上原慎也。トップ下の位置でプレーした内村圭宏も「ドンドン前にボールが入ってきてとても疲れたが(笑)、そういう前への姿勢は今後も保っていければと思う」と話しており、砂川というベテランの躍動がチームに活力を与えたということなのだろう。そして、その砂川の足を動かしたのは「厚別というのはかけがえのない場所なので、そこでなかなか勝てていないというのは本当に申し訳なく思っていたし、何とか勝ちたいと思っていた」という高いモチベーションだということも記しておきたい。今シーズン、なかなかホームで結果を残せていなかった札幌が、本拠地で今シーズンの2勝目を挙げた試合だった。

ただし俯瞰的に試合を振り返っていくと、ほぼ主導権を握り続けていたのだから、札幌はタイムアップを待たずとも、もっと早い時間帯に勝負を決めることもできたはずだ。もちろん勝利したことは賞賛に値するし、1−0が悪いスコアだとも思わない。だが、1点差というのは予期せぬアクシデントですぐに埋まってしまう点差だし、実際に札幌はタイムアップ直前に富山にコーナーキックを献上するなどしていた。五分五分の展開で進んだ試合で引き分けに持ち込まれるのならばまだ納得はいくが、シュート数が13本対3本という、数字だけを見れば一方的な展開である。そんな試合をちょっとした出来事で取りこぼしてしまったとしたならば、あまりにももったいない。「2点目、3点目を取って早めに勝負を決めなければいけない試合でもあった」(上原)はずだ。まずは久々のホームでの勝利を喜びながらも、改善を目指していきたいところである。

一方、敗れた富山であるが、ただでさえ怪我人が多いなかで、2試合続けて前半のうちに負傷退場者を出してしまったとなれば、アンラッキーな部分も多いと言えるだろう。ただし、そんななかでもこの試合は1−0のまま最後まで試合を進め、何かが起きれば勝点を持ち帰ることもできたかもしれなかったわけで、ポジティブな要素はある。前節は10試合ぶりに無失点で、今節は押し込まれながらも1失点のみでしのいだ。今後につながる部分も、しっかり手にしているはずだ。

以上

2013.06.16 Reported by 斉藤宏則
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