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【J2:第19節 水戸 vs G大阪】レポート:攻撃的な姿勢がぶつかり合った好ゲーム。G大阪の決定力の高さに屈したが、積極的な姿勢を貫いた水戸に試合後大きな拍手が贈られた。(13.06.16)

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G大阪の長谷川健太監督が「今日は両チームとも気持ちの入ったゲームができたんじゃないかと思っています」と言えば、水戸の柱谷哲二監督も「ガンバ相手に面白いゲームができたかなと思っています」と充実した表情を見せた。両チームともに力を出し尽くし、果敢に攻撃を仕掛け合った好ゲーム。集まった1万人を超える観衆を魅了するに十分な試合内容であった。

その展開を生んだのは柱谷監督の勇気ある決断であった。試合2日前の紅白戦、レギュラー組は4−4−2システムでゲームを行っていた。しかし、内容はいまいちで、「しっくりこないし、面白くなかった」と柱谷監督は感じ、「このままでは5点ぐらい決められるな」と思ったという。そして、「どうせ戦うなら、3バックにして攻撃的に行こうと。(観客数)1万人入ると思っていたので、1万人のみなさんにゴールを見せたかった。だったら、というところで3バックにしたのです」と柱谷監督は攻撃的な3バックで挑むことを決断。試合前日、わずか10分ほどの確認しかできなかったが、それでも選手たちを信じて新システムで送り込んだ。

だが、新システムがいきなり機能するわけがなかった。序盤はプレスをかける位置が曖昧となり、G大阪に面白いようにボールを動かされ、防戦一方の展開に。10分、左サイドを崩されてクロスを上げられ、うまくファーサイドに逃げたレアンドロに頭で合わされて先制点を許してしまう。大量失点の予感さえ漂った。

しかし、選手たちは冷静だった。「最初は難しかったけど、途中からしっかりと全員がしゃべっていましたし、失点はしたものの、そんなに焦りはなかった」と西岡謙太が振り返るように、選手同士でコミュニケーションを取り続けたことで新システムは機能し出した。特に両ウイングバックが攻撃性を発揮できるようになったことが大きかった。失点までは最終ラインに組み込まれることが多かったが、失点後は積極的に前に出てG大阪のサイドバックにプレスをかけ、ビルドアップを封じ込めた。それにより、高い位置でボールを奪えるようになり、水戸がペースを握りだした。

G大阪は攻守の切り替えが早く、ボールを奪われるとすぐにプレッシャーをかけてきた。しかし、水戸は3−4−3システムの長所を最大限に発揮。ボールを奪うとすぐに高い位置にいるウイングバックにボールを預け、G大阪の陣形を広げることに成功。そこからボールを動かしてチャンスを作り出した。

だが、粘り強く対応するG大阪の守備をこじ開けることができなかった。特に「明神(智和)がうまくスライドして守っていた。彼の動きが目に入ってボールを出せなかった。うまくパスコースを消された」と柱谷監督が語ったように第5節以来に先発出場を果たした明神の存在は大きく、彼の危機察知能力の高さにことごとく水戸はチャンスの芽を潰された。

明神と内田達也のダブルボランチがバイタルエリアをケアし、水戸に押し込まれながらも決定打を出させなかったことが勝利を引き寄せた。「明神が最後までプレーしてくれたことが精神的に大きかった」と長谷川監督がベテランボランチの活躍を称えたように、遠藤保仁と今野泰幸を欠く中で明神のようなゲームの流れを熟知する存在がいるのはこの上なく大きい。あらためてその存在を示したゲームであった。

終了間際には岡崎建哉がGKの頭上を抜く見事なゴールを決めて逃げ切りに成功。連勝を6に伸ばした。試合後、「選手たちを手放しでほめてあげたい」と長谷川監督が安堵の表情を見せたように、苦しい試合展開でもしっかり耐えて、さらに追加点を奪って勝点3を手にしたことに大きな意義がある。昨季見られなかった勝負強さを身につけつつあるG大阪。このまま首位を走る気配が漂っている。

試合終了と同時にスタンドから大きな拍手が送られたように、水戸の健闘も光ったゲームであった。プレーの精度やゴール前の落ち着き、序盤の戦い方など課題は少なくない。だが、G大阪相手に一歩も引くことなく、攻撃的な戦いを貫いた姿勢に多くのサポーターが誇りを感じたはずだ。あとはこの試合で見せた気迫と攻撃的な姿勢を持ち続けることができるか。そこに水戸の今後はかかっている。

そして、「最強のチーム」と評したG大阪に対し、守備を固めるのではなく、攻撃的に打って出た柱谷監督の姿勢も高く評価したい。その勇気があれば、この先どんな困難も乗り越えることができるはず。最後まで攻め抜いた選手たちのプレーを見て、そう思わざるを得なかった。集まった多くの観客も同様の思いを抱いて帰路についたのではないだろうか。水戸はこれからもっと強くなる。

以上

2013.06.16 Reported by 佐藤拓也
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