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【J1昇格プレーオフ:決勝 京都 vs 徳島】徳島側レポート:歓喜の国立!J参戦9年目でついに悲願達成!(13.12.09)

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12月8日(日) 2013 J1昇格プレーオフ 決勝
京都 0 - 2 徳島 (15:30/国立/23,266人)
得点者:39' 千代反田充(徳島)、43' 津田知宏(徳島)
J1昇格プレーオフ特設コーナー(Jリーグ公式サイト)
J2・JFL入れ替え戦特設コーナー(Jリーグ公式サイト)
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クラブとしてこれまで味わってきた苦しみと悔しさは、間違いなく他のどこよりも大きいと言い切れる。J参戦2年目から3シーズン続けて最下位に沈んだ(2006〜2008)時には出口のない暗黒を彷徨うような状況であったし、そこからようやく抜け出して3年もの地道な積み上げの末、2011年に掴んだJ1昇格のチャンスではあと僅かのところでそれを逃してしまった。さらに昨季は前年の雪辱を誓い臨んだにもかかわらず低迷。組織がガラリ変化したことによる難しさも大いにあったが、チームは集団としての形を最後まで作れず、結局昇格を目標と公言しながらそのレースへ絡むことすら出来なかったのである。
しかし、そうした苦しみや悔しさがあったからこそ、クラブも、ファン・サポーターも強くなれた。それらを思い出したくないと言って忘れ去るのではなく、痛みであっても自らにしっかり刻み付けてきたことで、タフになり、ジャンプアップへのエネルギーを蓄えられたと言えよう。

そしてついにこの日、徳島は脈々と受け継がれ高められてきたそのエネルギーを余すことなく爆発させて新たな扉を開いた。プレーオフ決勝を制し、J1昇格。夢にまで見た悲願を、選手、スタッフ、ファン・サポーター、そこに関わる全員が一丸となって達成させた。

それを決めたゲームを改めて振り返れば、徳島は始めから最後まで自分たちらしくあったという表現が全てであろう。
序盤は大一番ゆえの硬さから繋ぎや判断のミスも多く出て京都に押し込まれる展開が続くも、守備においてはリーグで確立した粘り強さをしっかりと発揮。中央の橋内優也と千代反田充を中心に要所を締めた対応を見せて京都の猛攻を防いでいった。ただ唯一、セットプレーの場面では幾度かヒヤリとさせられてしまう。26分、30分と立て続けにそれからゴール至近距離の混戦を作られ、チームは大いに肝を冷やされた。

だが、それも何とか最後のところで凌いだ徳島は、次第に攻撃の良さも出せるようになっていく。相手最終ラインの裏というこれまで通りの狙いを選手たちはこの一戦でも徹底。高い位置からプレスをかけるべく押し上げている京都の後方スペースへスプリントを繰り返す津田知宏と高崎寛之に早いタイミングでボールを送り込み、自分たちらしい展開を作り始めた。
するとそうしたいい流れが待望の得点に繋がる。まず39分、徳島は今季リーグでなかなかCKをモノにすることが出来なかったが、そのCKをここで実らせ均衡を破ったのだ。小林伸二監督も試合後会見で「そろそろ取れると良いなと思っていて、動きはいいからボールの質を上げようと言っていた」と振り返っていたが、叩き込んだ千代反田のヘディングとともにアレックスの精度高いキックも讃えたい一発であった。
さらに続く43分には、これが俺たちだと言わんばかりの形でチームは2点目までもを奪い取る。右サイドバックの藤原広太朗が最前線の高崎へ低い位置からライナー性のロングボールを送ると、それを高崎が頭ですらして京都DFラインの背後に。そこへそのイメージを描いていたに違いない絶妙の飛び出しを見せた津田が完璧なダイレクトの合わせで見事にネットを揺らした。まさに縦へのスピード感溢れる電光石火の一撃であった。

こうして挙げた2点のリードで、その後徳島はいっそう波に乗る。特に守備面においては集中力がさらに高まり、どれだけ京都にボールを動かされても選手たちは隙のないスライドを実践。コースを消し、3人目の動きにもしつこく対処して、ブロックの突破を許さなかった。また個々の守りでもパフォーマンスが上がったのは見逃せない点だ。中でも左サイドのアレックスは、マッチアップした京都・駒井善成の仕掛けに前半こそやや手を焼いていたが、後半においては間合いの取り方を修正してほとんどそのドリブルをストップ。紫の危険なチャンスメーカーをほぼパーフェクトに抑え込んだ。
こうなればゲームは完全に徳島のもの。そのような充実の守備と早いカウンター、また京都の中盤のプレスが弱まった60分過ぎからは濱田武と柴崎晃誠も効果的な絡みも出始め、チームは一歩一歩着実にその時へ向かう歩みを進めていった。また78分にはGK松井謙弥が釣り出されてゴールマウスが空く危ない場面もあったが、そこでもきっちりカバー位置に入っていた藤原がライン上でクリア。そのシーンは徳島のらしさが終盤になっても全く薄れていなかったことを表した最たるものだったと言って間違いない。

「本当に出来過ぎのような形で、選手たちがよくやってくれたと思っています」と指揮官も会見で讃えていたように、このプレーオフ決勝、チームはこれ以上ない最高の戦いを見せてくれたと言っていいだろう。勝つしか道は開けないという難しい状況にあっても落ち着いて自分たちを信じ抜き、すべきことを見失わず、やらなければならないことを一寸の緩みなくやり切ったのだから。結果、掴んだJ1昇格の栄誉。この新しい歴史を刻んだチームが、四国の、阿波の国の大きな誇りとなったことは間違いない。

最後にだが、これまでどんな時もクラブを支え続けてきたファン・サポーターの方々へ心からおめでとうございますと申し上げたい。J1への扉を押し開くことが出来たもうひとつの大きな要因は紛れもなく皆さんの長きにわたるその後押し。チームとともに胸を張ってこの勝利に浸っていただきたいと思う。

以上

2013.12.09 Reported by 松下英樹
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