第20節・長崎戦で10試合ぶりに勝利を挙げ、連敗を９で止めた。殊勲者は終了直前に決勝ゴールを挙げたＭＦ朝日大輔選手。雨の中で熱心に応援したサポーターを歓喜させた。

ＹＫＫ ＡＰに在籍し２００８年のカターレ富山発足時からの主力選手。Ｊリーグ初勝利を挙げた２００９年の第５節・草津戦では上園和明選手のスルーパスから決勝点を挙げている。２００９年第49節から２０１１年第38節まで77試合連続先発出場も記録。これはフィールドプレーヤーではＪ２史上４位の偉業だ。２０１２年の最終節・水戸戦での残留を決定づけるゴールも記憶に新しい。いつからか誰もが“ミスター・カターレ”と呼ぶようになった。

今回の劇的な得点にはチームメートも驚くばかり。大西容平選手は「大ちゃん（朝日）には長くこのチームを支えてきた思いがある。それがあのような形で表れたのだと思う。そういうことが起きるサッカーはすごいと感じた」。白崎凌兵選手は「僕ら若手が決め切れなかったところをフォローしてくれて頼もしかった。今度は自分が決めます」と刺激を受けている。

“ミスター”と呼ばれることを本人はどう思っているのだろう。尋ねると、「長くやっているというだけですよ。自分自身でそう思ったことは一度もありません。その呼び名はＪリーグ加入のために一緒に戦った、今はクラブから離れたメンバーにこそふさわしいと思います」と答えた。

第21節の対戦相手はＪリーグ加入同期の栃木。ＪＦＬ時代からの彼の活躍を知る栃木サポーターもきっといるだろう。前節に続く活躍で健在ぶりを示したい。「まだ１つ勝っただけ。ポジティブな気持ちになるのは良いけれど、課題がなくなったわけではない。前節のように先に失点しないように進めなければいけない」。気を引き締めて敵地へ旅立った。

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2014.07.05 Reported by 赤壁逸朗