７月24日～11月23日にかけて、浦和レッズ、U-14所属選手（20名）を対象にＪリーグ版よのなか科を実施致しました。
プログラムの進行役は、ホームタウン・普及部 ハートフルクラブの永井良明さん。
浦和レッズではよのなか科の取り組みは７年目になります。５回のプログラムではクラブの経営、Ｊリーグの理念、サッカーをとりまく職業、それぞれの職業に必要な「意志」「役割」「能力」、選手自身の５年後のキャリアイメージプランについて考えました。
第１回の「Ｊクラブをとりまく“お金”から仕組みを考える」では、クラブを運営していくにあたってどのような収入があり、どのような支出があるかを伝えました。さらに自分がクラブの社長だったらどのように収入を増やし、支出を減らすかを考え発表しました。レッズランドで芝生を育てて販売するなど面白いアイデアがありました。淵田敬三社長から経営に関する考えを伝えていただき、この中からトップチームの選手が生まれて地域の皆さんから応援していただくことが大事だと熱く語っていただきました。
第２回の「Ｊリーグがめざすものを考える」では、クラブの取り組みやJリーグ百年構想について話しました。具体的にレッズランドではランニング、テニス、セパタクロー、フットゴルフなどサッカー以外のスポーツでも地域を盛り上げていることを伝えました。トップチーム、レディースの選手たちはサッカーをするだけでなく地域のイベントに参加したり、小学校などに行って子どもたちと交流することも役割であることも伝えました。地域の方々がクラブを支えてくれていること、エンブレムを付けていることに責任と誇りを持つことを伝えることができるとても有意義な時間となりました。
第３回の「Ｊリーグをとりまく職業を考える」では、サッカーに関わる職業にどのようなものがあるかを考えました。審判の方とカメラマンの方の映像を見てそのお二人の「意志」「役割」「能力」について学びました。そして、今自分にはどんな意志がありそのためにどんな能力が必要でどんな役割を求められているかを考えました。GKはゴールを守るだけでなく攻撃の起点になることもあるのでもっとキックの精度を上げなくてはいけないなど自分に置き換えて考えることができました。
第４回の「職業と“意志”“役割”“能力”の関係を考える」では、社内と社外からゲストティーチャーに来ていただき素晴らしい話がありました。社内からは競技運営部の関口勇太さん、社外からはディレクターの椛山陽さんを招きお二人の仕事の「意志」「役割」「能力」について話していただきました。浦和レッズJr.ユース出身の関口さんが社会人になり浦和レッズに戻ってきて昨年のACL優勝の表彰式時にピッチに立っていたことなど経験してきたことを話してくれました。椛山さんは少年少女が薬物依存に陥るようなブラジルの貧民街でボロボロの服に裸足、ボールと言うには程遠いものでサッカーに希望を持つ少年の話などをしてくれました。受講している選手たちは普段聞けない貴重な話を真剣に聞いていました。
そして最終回。第５回の「自分のキャリアイメージプランを考える」では、トップチーム選手の橋岡大樹選手とレディース選手の高橋はな選手の２人にインタビューをした映像を流しました。５年後の自分を考えるということで受講生の選手たちの５年後にあたる１９歳の選手２人からの話はとても刺激になりました。５年前によのなか科を経験した橋岡選手は「よのなか科でいろいろな仕事があることを知り、ホームゲームがたくさんの方々のおかげで成り立っていることを知りました。そして改めて支えてくれている方々に感謝の気持ちを持たなければいけないと思えた」と振り返りました。８月にU-20ワールドカップで世界一になった高橋選手は金メダルを首にかけて優勝した時の気持ちや今後の夢や目標について語ってくれました。最後に受講生の選手たちに向けたメッセージもあり受講生の目は輝いていました。
選手たちはこのよのなか科を通じて浦和レッズやＪリーグが目指すもの、自分の将来のことを考える意識が高まりました。そして、改めてエンブレムに責任と誇りを持ち、感謝の気持ちを持ってサッカーに取り組まなければいけないことを実感しました。
今後の彼らの成長に期待を抱きながらこれからもサポートしていきたいと思います。
写真提供／浦和レッズ
なお今回は、２０１８年度Ｊリーグ版よのなか科ファシリテーター養成講座の一環として開催されました。
