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ジーコおじさんの子ども電話相談室

司会:こんにちは。夏休み特別企画、ジーコおじさんの子ども電話相談が始まります。サッカーの神様に答えられない質問はない!ということで、今日は元気な子どもたちのサッカーに関する疑問や質問に対してジーコさんに答えていただきたいと思っています。ジーコさん、今日はよろしくお願いします。

ジーコ:今日は自分の経験をできるだけ多くの子どもたちに伝えることができればと思っています。1995年から子どもたちにサッカーを教えることをしています。子どもたちの質問に答えるのは得意中の得意ですので、任せてください。おじさんが、ここで問題を解決いたします。おじさんというよりも、おじいちゃんですけどね(笑)。

ジーコおじさんジーコおじさん × むらい けんた君むらい けんた君(小学2年生)

なんで日本に来たかっていうと、自分の中で挑戦だったんだ
  • 司会
    では、最初のお電話をつないでみましょう。もしもし、こんにちは。
  • 相談者1
    こんにちは。
  • 司会
    お名前を教えてください。
  • 相談者1
    東京都大田区、むらい けんたです。
  • 司会
    今は夏休み中ですか?
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    夏休みはどこかに行った?
  • 相談者1
    大阪に行きました。
  • 司会
    何しに行ったの?
  • 相談者1
    ジイジとバアバに会いに行った。
  • 司会
    そうか。楽しかったかな?
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    よかったね。じゃあ、今日はジーコさんにどういう質問をしたいですか?
  • 相談者1
    ジーコさんは、なぜ日本でサッカーをしようと思ったんですか?
  • 司会
    どうしてそれを聞いてみたいと思ったのかな?
  • 相談者1
    僕はいつかアルゼンチンでプレーをして、アルゼンチン代表になりたいからです。
  • 司会
    けんたくんも海外でサッカーをしたいってことだね。じゃあ、さっそくジーコさんに聞いてみるね。ジーコさん、いかがですか?
  • ジーコ
    僕が君の年齢の時は、もうストリートサッカー。兄貴たちのチームに交じって、ストリートサッカーをやっていたんですね。おじさんが今から30年近く前になんで日本に来たかっていうと、自分の中で挑戦だったんだ。君みたいな少年たちに自分の経験を伝えることによって、立派な選手になれるようにというような気持ちで来ました。
  • 相談者1
    そうなんですね。
  • ジーコ
    日本で好きなチームはどこ?
  • 相談者1
    鹿島アントラーズです。
  • ジーコ
    おお、アリガトウ。ストロングチームね。
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    けんたくん、参考になったかな?
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    良かったね、ジーコさんと話せて。
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    ほかに聞きたいことはないかな?
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    ありがとね~。
  • 相談者1
    グラシアース。
  • ジーコ
    サヨナラ~。

ジーコおじさんジーコおじさん × はらやま たつき君はらやま たつき君(小学5年生)

今やっているチームでサッカーを楽しむこと。それから学業も絶対に忘れないように
  • 司会
    では、次のお電話をつないでみましょう。こんにちは。
  • 相談者1
    こんにちは。
  • 司会
    お名前を教えてください。
  • 相談者1
    はらやま たつきです。
  • 司会
    夏休みはどこかに行った?
  • 相談者1
    静岡に行きました。
  • 司会
    静岡は何しに行ったの?
  • 相談者1
    おばあちゃんのうちに行きました。
  • 司会
    おばあちゃんちでは何して過ごしたの?
  • 相談者1
    川遊びとかをしました。
  • 司会
    楽しそうだね! 良かったね。じゃあ、今日はどういう質問ですか?
  • 相談者1
    えっと、僕は足が遅いことが理由でレギュラーに入れません。どうしたらレギュラーに入れるかを聞いてみたいです。
  • 司会
    それは気になるところだね。じゃあ、ジーコさんに聞いてみるね。
  • ジーコ
    静岡のおばあちゃんのところに行ったんだね。今は東京のジーコおじいちゃんのところに来ているわけなんだけど。正直なところ、君の今の年齢で足の速さとかを気にする必要はないと思うよ。それよりも大切なのは、基本技術やスキルを身に付けること。年齢は何歳?
  • 相談者1
    10歳です。
  • ジーコ
    スピードなんて今考えちゃうと、頭がこんがらがっちゃう。今やっているチームでサッカーを楽しむこと。サッカーを好きになることによって、いろんなものが上がってくる。スピードを考えるのはまだ早いね。それから学業も絶対に忘れないように。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    サッカーのポジションっていろいろあるでしょ。全員足が速いことが条件じゃないのね。ポジションや役割によって違うんだ。本当にサッカーが好きになって、基本技術をしっかりと身に付けておけば、15,16歳くらいになれば足は自然と速くなるし、速くならなくても、絶対に自分が生きるポジションは見つかるから。心配しなくていいよ。一番好きなポジションはどこ?
  • 相談者1
    中盤です。
  • ジーコ
    サイドバックだったり、FWだったらスピードが必要だけど、君は中盤が好きなら、どっちかと言うとスピードよりも、どういうふうに攻撃を組み立てるとか、仲間を生かすとか、頭を使うようなことを伸ばしたほうがいい。自分は思うんだけど、速く走らなくてはいけないのはボールのほうであって、それは選手じゃないってこと。大事なのはボールを動かすことなんだ。期待してますよ。もっとサッカー好きになってね。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    学校の勉強はできるの?
  • 相談者1
    勉強は得意です。
  • ジーコ
    それが大切だよ。
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    たつきくん、いっぱい大事なことを教えてもらってよかったね。
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    参考になりそうかな?
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    ありがとうございました。
  • 相談者1
    ありがとうございました。
  • ジーコ
    サヨウナラ~。
  • 相談者1
    さようなら。

ジーコおじさんジーコおじさん × もりた いちかちゃんもりた いちかちゃん(小学2年生)

自分がすべてをやろうとしないで、得意な分野をもっともっと良くしていけばいい
  • 司会
    では、次の電話をつないでみましょう。こんにちは。
  • 相談者1
    こんにちは。
  • 司会
    お名前を教えてください。
  • 相談者1
    もりた いちかです。
  • 司会
    夏休みはどこか行きましたか?
  • 相談者1
    九州に行きました。
  • 司会
    何しに行ったのかな?
  • 相談者1
    おじいちゃんとおばあちゃんのうちに行った。
  • 司会
    おじいちゃんとおばあちゃんと何したのかな?
  • 相談者1
    積み木を作ったり、プール行ったりした。
  • 司会
    楽しかった?
  • 相談者1
    楽しかった。
  • 司会
    良かったね。今日はどういう質問をジーコさんに聞きたいですか?
  • 相談者1
    ドリブルがネイマールみたいに、上手くなりたい。
  • 司会
    ドリブルが上手になりたいんだ。どうしてそういうふうに思ったのかな?
  • 相談者1
    私がゴールのほうに行って、パスされて、ゴールのほうにドリブルしなくちゃいけないんだけど、パスされたところからシュートしちゃうから。そこからドリブルして、シュートしたい。
  • 司会
    ゴールから遠いところからシュートしちゃうってこと?
  • 相談者1
    うん。
  • 司会
    そっか。もうちょっとドリブルが上手だと、シュートにつなげられるってことだね。じゃあ、ドリブルがどうやったら上手になるか、ジーコさんに聞いてみるね。
  • ジーコ
    まずね、サッカーを大好きになって、サッカーを愛してますっていうくらいに、サッカーで遊んでください。おじさんも昔はあなたみたいなポジションをやっていたんだけど、ドリブルが上手くて全員抜いてシュートまでいくことはなかなかできないでしょ。
  • 相談者1
    うん。
  • ジーコ
    やっぱり、サッカーは頭も必要だし、自分でシュートまで行けないなら、もっといいポジションの仲間を探して、パスを出してシュートしてもらったりね。だから自分がすべてをやろうとしないで、得意な分野をもっともっと良くしていけばいい。あまり気を遣わないほうがいいね。行けるんだったら自分で行ってシュートまで持っていって、ダメだったら仲間を使う。今度、ネイマールの試合をよく見てごらん。ドリブルは凄く上手いけど、自分でシュートまで行けない時は、例えばバルサの時なんかは、メッシがどこにいるか、スアレスがどこにいるか、自分の仲間がどこにいるかというのを確実に見てパスを出しているから。仲間がいいポジションにいないなら、自分でドリブルしてシュートまで持っていったらいいけど。どっちが好き、シュートとドリブル?
  • 相談者1
    う~ん……。
  • ジーコ
    1週間のうち、何回くらいサッカーやるの?
  • 相談者1
    土曜日と日曜日と、火曜日があったら3回で、普通は日曜日と火曜日。
  • ジーコ
    勉強してるの。そんなにサッカーばっかりやってて。
  • 相談者1
    ふふふ。
  • ジーコ
    サッカーと勉強はどっちが得意?
  • 相談者1
    サッカー。
  • ジーコ
    そしたら勉強も一生懸命やろうね。
  • 相談者1
    うん。
  • ジーコ
    お父さんとお母さんを喜ばせてあげてね。
  • 相談者1
    うん。
  • 司会
    いちかちゃん、参考になることはあったかな?
  • 相談者1
    うん。
  • 司会
    サッカー、楽しんでください。
  • 相談者1
    はい。
  • 司会
    さようなら、ありがとうね。
  • 相談者1
    さようなら。
  • ジーコ
    サヨウナラ、イチカ。
  • 相談者1
    さようなら。

ジーコおじさんジーコおじさん × なぐも まりん君なぐも まりん君(小学5年生)

あまり一つのことに固執しすぎてしまうと、かえって苦しくなってしまう
  • 司会
    続いての質問はお手紙でいただいています。埼玉県久喜市のなぐも まりんくん、5年生から届いています。さっそく読ませていただきます。
  • 相談者1
    ZICOさんサッカーで大事なこと。それはけんしん、せいじつ、そんちょうだということを教わりました。ぼくは鹿島がすきです。そしてZICOさんのフリーキックにあこがれています。サッカーの神様のプレーはほんとにすごいです。
    僕は今、小学5年生です。サッカーチームに入っています。自分の特徴は視野の広さとキックの精度だと思っています。チームの中でも背が小さいほうなので、セットプレーは中で合わせるより、キッカーをやったほうがいいと思って練習しています。試合でフリーキックを決めたこともあるのですが、チームのキッカーとして固定されていません。どうすればチームのキッカーとして認めてもらえるのでしょうか?ジーコさん、教えてください。よろしくお願いします。
  • ジーコ
    まず君の年齢で、監督からフリーキックを任せてもらおうと考えるのはまだ早いと思うよ。自分の経験からすると、自分が10歳の時にフリーキックを蹴った覚えはまったくないし、とにかくサッカーで遊ぶことばかりを考えていた。ある程度の年齢になれば、監督のほうから寄ってきて、蹴ってみろと言ってくると思う。それまでは、サッカーを楽しむことだけを考えればいい。

    私がそれまでの遊びのサッカーじゃなくて、本格的なサッカーをはじめたのは13歳くらいで、フリーキックもそれくらいから蹴るようになったのかな。それまでにいろんなことを考えながらやっていると、自ずとチャンスはやってくるもの。もちろん、自分で蹴るんだという気持ちは大切だけど、そんなに無理をしなくてもいい。自分が蹴るってことであれば蹴ればいいし、そういうチャンスがなければ、他のことに集中すればいい。これを絶対にやらなければいけないというふうに、今は考える必要はないと思うよ。

    自分がいつからフリーキックを練習し始めたのかを思い出してみると、15歳を超えてからだったと思う。才能があるかもと思い始めた時に、自分になりに考えて練習を始めた。普通の練習の後に、1日70本くらい蹴った。それを週に3回くらいやったかな。

    サッカーを続けていくうちに、いろんな役目が決まってくると思う。仲間たちと上手くやって、そのなかでいろんなプレーを楽しみながら、しっかりと身に付ける。今はそういう時期だと思う。あまり一つのことに固執しすぎてしまうと、かえって苦しくなってしまうかもしれないね。

    それから、背の低さについて言えば、今のサッカーではそれはほとんど関係ないこと。なぜなら、いま世界で一番の選手は、背の小さいメッシなんだから。
  • 司会
    なるほど。まりんくん、お手紙ありがとうございました。ぜひ、ジーコさんのおっしゃっていたことを参考にして、頑張って練習して、楽しくサッカーを続けてもらえたらいいかなと思います。ありがとうございました。

ジーコおじさんジーコおじさん × まき せいいちろう君まき せいいちろう君(サッカー選手)

本気で嬉しいのは、37歳でも情熱を失わず、現役でやっていられること
  • 司会
    では、続いてのお友達です。もしもし、こんにちは。
  • 相談者1
    こんにちは。
  • 司会
    お名前を教えてください。
  • 相談者1
    まき せいいちろうです。
  • 司会
    せいいちろう君は、何年生ですか?
  • 相談者1
    プロ15年目です。
  • ジーコ
    コンニチハ、マキサ~ン!
  • 相談者1
    こんにちは。お久しぶりです。
  • ジーコ
    ゲンキデスカ~。
  • 相談者1
    はい。元気ですか?
  • ジーコ
    久しぶりだね。また話せて、嬉しいよ。今は何やってるの?
  • 相談者1
    今はロアッソ熊本というJ2のチームで、サッカーをやっています。
  • ジーコ
    監督?
  • 相談者1
    選手です。
  • ジーコ
    どう、得点は重ねてる?
  • 相談者1
    少しずつです(笑)。
  • ジーコ
    ゴールの感覚を忘れちゃったんじゃないの?
  • 相談者1
    ははは。少なくなってますね。
  • 司会
    せいいちろう君は、今日はどういう質問ですか?
  • 相談者1
    僕は今年で37歳になりました。ジーコさんも長く現役を続けてきたと思うんですけど、長く現役を続けられた秘訣というか、モチベーションを聞きたいのと、引退を決めた理由を聞きたいです。
  • 司会
    なるほど。現役を続ける秘訣と引退のきっかけを聞いてみたいということですね。
  • 相談者1
    はい。お願いします。
  • ジーコ
    本気で嬉しいのは、37歳でも情熱を失わず、現役でやっていられること。それは本当に幸せなことだよ。今思い出してみると、ちょうど僕も巻の年齢の時くらいに現役引退を決断したんだけど、なぜかというと、もちろんサッカーが大好きだったけど、怪我の影響が大きかった。特に左ひざがね。3回も大きな手術をしていて、自分の理想とする形を維持するのが難しくなったからなんだ。そうすると精神的にもイライラするし、周りと喧嘩することも増えてきて、そろそろ辞め時だなと思ってね。今、巻が考えなくてはいけないのは、10年前、20年前のようなスピードはもうないわけだし、筋力も当然落ちていくよね。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    でもそれ以上に、経験というものを活かすべきだと思う。当時やっていたことはどんなに練習しても戻らないわけだから、これまでの経験を活かしながら、周りを生かして自分も生きていく。そういうことを意識すれば、長く続けていけると思う。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    逆に言ったら、良い時期に入ってきていると思うよ。今までは、無理矢理でも自分で行って、自分でシュートも決められたけど、今はそういうわけにはいかないでしょ。だからポジショニングだとか、どういうボールを、どういう形で、どういう局面でほしいのか。出し手とのコミュニケーションを大切にして、自分を生かす、あるいはパサーを生かすというふうに考えたほうがいいと思うよ。
  • 相談者1
    分かりました。自分がイメージしていたこととすごく近いことをアドバイスいただいたので、確信を持てました。
  • ジーコ
    巻が考えているようなことを自分もやって来たわけで、それを生かすとともに、これからは、やっぱり、しゃにむにやってもなかなか上手くいかない。今自分がチームのために生かせる、自分のために生かせるものが何なのかを、確実に自分の中で作り上げていくことが大切だね。あと、これまではピッチの中だけで結果を出せばよかったけど、これからはピッチ外で自分の経験を若手に伝えるとか、自分の家族を大切にするといった人とのつながりがより大切になってくると思うので、そのあたりもわきまえて、いい仕事をしてください。
  • 相談者1
    分かりました。
  • ジーコ
    昨日(8月15日)、シャペコエンセとレッズの試合で阿部勇樹を見たんだけど、阿部は僕が代表に初めて呼んだ選手。その彼が今でも元気でやっていて、勝利を呼び込むゴールを決めた。そしたら今日、いきなり前触れもなく巻と話すことができた。懐かしくて、本当にうれしいよ。
  • 相談者1
    僕も貴重な話を聞けましたし、いろんな話ができて良かったです。
  • 司会
    せいいちろう君、以上で質問は大丈夫ですか?
  • 相談者1
    ありがとうございました。参考になりました。
  • ジーコ
    サヨウナラ。
  • 相談者1
    さようなら。

ジーコおじさんジーコおじさん × やなぎさわ あつし君やなぎさわ あつし君(サッカーコーチ)

謝ることはなにもない。ああいうことは、サッカーには付き物だから
  • 司会
    では、最後のお友達です。もしもし、こんにちは。
  • 相談者1
    こんにちは。
  • 司会
    お名前を教えてください。
  • 相談者1
    やなぎさわ あつしです。
  • 司会
    あつしくんは、何年生ですか?
  • 相談者1
    鹿島アントラーズコーチ3年生です。
  • ジーコ
    オウ、ヤナギサーワ。ゲンキデスカ。
  • 相談者1
    はい。元気ですか?
  • ジーコ
    ゲンキデス。今、住まいはどこ?
  • 相談者1
    鹿島です。アントラーズでコーチ3年生です。
  • 司会
    あつしくん、今日はどういう質問ですか?
  • 相談者1
    今私も指導者なので、ジーコさんが選手を指導するうえで心がけている大切なことってありますか?
  • ジーコ
    やっぱり、自分よりも年下の選手を相手にしているわけで、説得力を見せるには、自分の人生でどんな経験をしてきたかが大切だと思う。自分の意見としては、12歳くらいまでは子どもたちがサッカーを好きになるように、ずっとサッカーを続けられるように、どちらかというとメンタルの部分を指導してあげることが重要だね。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    そのあとの年代、13歳から16歳くらいは、基本的なスキル。トラップやドリブル、パス、ヘディング、もちろんシュートもそう。こういう部分の良さを引き出してあげるのが、大切な年代になってくる。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    そして16歳以上、ここからは大人のサッカーだね。どういった戦術を好むか、または合っているかを含め、プロとしてどういう戦術を植え付けていくのか、そういうことが求められてくる。ただし、プロになっても、基礎技術の大切さを忘れてはいけない。ヤナギにもよく言ったでしょ。基本を繰り返せって。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    そこの大切さを思い出してやってもらえばいいと思う。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    ヤナギもよく覚えていると思うけど、プロとして活躍していた中でも、いつも基本的な動きをよくやっていたでしょ。短い距離でボールに寄ってフィニッシュに持っていくこととか、あるいは相手を釣りながら、ボールを持っている選手とワンツーで突破したり。相手のDFの前で触る速さとか、ポジション取りとかいろいろやったけど、あれは全部反復しないといけないものなんだ。
  • 相談者1
    はい。
  • ジーコ
    自分はいろいろヤナギに関わったけど、どうだった? 嫌でしょうがなかったのか、まあまあ嫌だったのか、全然聞く耳を持っていなかったのか?
  • 相談者1
    ははは。いやいや、いつも常に大事なことだと思って、集中してやっていましたよ。この場を借りて言いたいのは、ずっとジーコさんにはシュートを教わってきて、基本の繰り返しをやらせてもらって、シュートはインサイドで正確に狙うんだって、口酸っぱく言われてきました。自分自身もそれを肝に銘じながらプレーしてきたなかで、ドイツのワールドカップのクロアチア戦で、なんであそこで俺はアウトサイドを出してしまったのかと。それが自分の中で一番の後悔です。ジーコさんにドイツのワールドカップが終わってから会えていなかったし、話もできていなかったので、この場を借りて、謝りたい気持ちがあります。
  • ジーコ
    いや、謝ることはなにもないよ。ああいうことは、サッカーには付き物だから。それよりも、ヤナギのキャリアを改めて振り返ってみると、本当に素晴らしい選手だったと感じる。そこまで成長してくれて本当にうれしく思っているよ。

    特に印象深かったのは、ワールドカップの前に怪我をして、果たして間に合うかどうかという状況だったけど、ヤナギは精神力でリカバリーして、間に合わせてくれたこと。だから、こっちが感謝したいくらいだよ。もう一つ嬉しいのは、ヤナギみたいな貴重な経験をした選手がコーチとして鹿島でやってくれていること。どうしても若い世代はあの時のスピリッツが分からない。ヤナギが身をもって体験したことを、直接若い選手に伝達できるのは素晴らしいことだよ。その経験を無駄にしないように、彼らに伝えてあげてください。
  • 相談者1
    ありがとうございます。ジーコさんから学んだことは、本当に心の中に常にあります。ジーコさんから残されたことを常に継承していくということでクラブ全体もまとまっているので、これからも精いっぱい頑張っていきます。
  • ジーコ
    アリガトウ!
  • 相談者1
    こちらこそ、ありがとうございます。
  • 司会
    あつしくん、ありがとうございました。
  • 相談者1
    こちらこそ、長々とありがとうございました。

まとめ

一生懸命サッカーを好きになってください
  • 司会
    日本の子どもたちのサッカーに対する疑問や質問に答えていただきました。ジーコさん、最後に日本の子どもたちに一言メッセージをお願いします。
  • ジーコ
    今日は本当に楽しかったですね。自分はおじさんじゃなくて、もう、おじいちゃん。実際に孫が6人いて、今度7人目ができそうなんですけど、ちょうど今質問してくれた子どもたちと同じくらいの年齢です。実生活の中でも孫からそういった質問を受けたり、答えたりしています。今ちょうどサッカーの中で自分を意識しだす、逆に言えばすごく楽しい年代だと思うので、一生懸命サッカーを好きになってください。

    長男の息子が今9歳で、サッカーが本当に面白い時期になっていると思います。一緒にフリーキック合戦をやったりして、こうやって蹴ったらもっと良くなるということをアドバイスしたりしています。今日、質問を受けながら、みんなそういう時期なんだなって、そういうことを考えると、親しみがわくし、頑張ってほしいなと思います。孫は左利きなんですが、だいぶうまくなってきた。FKを蹴っている動画があるので、あとで皆さんにお見せします(笑)。

    もう一つ嬉しかったのは、巻とヤナギと話せたこと。彼らとは何年も一緒に仕事をしてきましたし、今でも元気にやっているのを知れたので、本当に良かったです。これからも素晴らしいサッカー人生が彼らに待っていることを心から願っています。
  • 司会
    ジーコさん、今日は本当にありがとうございました。それではみなさん、さようなら。
ジーコ(本名:アルトゥール・アントゥーネス・コインブラ)
小島伸幸(こじま のぶゆき)

1953年3月3日にブラジルのリオデジャネイロで生まれる。名門フラメンゴで活躍し、イタリアでも2シーズンにわたってプレー。ブラジル代表として3度のW杯に出場し、特に1982年の大会では“黄金のカルテット”の一員としてファンの記憶に残るプレーを披露した。その後、1991年に来日し、鹿島アントラーズの前身である住友金属に加入。1993年のJリーグ開幕節では、鹿島の一員としてハットトリックを挙げる活躍をみせた。現役引退後の2002年に日本代表の監督に就任し、2004年のアジアカップで優勝、さらにチームを2006年ドイツW杯出場に導いている。

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