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  • 2015明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ特集
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2015/11/27(金)14:17

一発勝負は「心理戦」 怖がるな、ドキドキして戦え!【北條 聡】

今季、埼玉スタジアムでの直接対決で勝ったのはホームの浦和だった
今季、埼玉スタジアムでの直接対決で勝ったのはホームの浦和だった

勝てば天国、負ければ地獄。知力、体力、時の運。やって来い来い、木曜日――いや土曜日!

アメリカ横断ウルトラクイズみたいな始まりで恐縮です。ついでに、もう一節付け加えておきたいと思います。罰ゲームは怖くないか〜〜! これを『敗退(負け)は怖くないか〜〜!』という一節に置き換えて、考えてみたくなりました。勝てば天国、負ければ地獄の「一発勝負」を。週末の明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ(CS)準決勝です。勝者は浦和レッズか、ガンバ大阪か。

舞台は埼玉スタジアム2002。浦和レッズの根城ですね。偶然じゃありません。年間順位でG大阪を上回り、地の利を得ました。もっとも、CSは超のつく短期決戦。マラソンのような長丁場のリーグ戦とは「真逆」です。乱暴に言えば、持久力より瞬発力。瞬間最大風速の強い方が、勝利に近づく感じでしょうか。長期の戦績では浦和が上ですが、今季のリーグ戦におけるG大阪との「直接対決」は1勝1敗。互角ですね。ただ、埼玉スタジアムでの一戦で勝ったのは、ホームの浦和でした。

力が互角なら、ホームチームが有利。リーグ戦なら、そう考えるのが普通でしょうが、一発勝負では、どうか。ヨーロッパの最強クラブを決めるチャンピオンズリーグでは、旧チャンピオンズカップ時代を含め、決勝の舞台が「たまたま」ファイナリストのホームと重なったケースが3回あります。うち、2回の勝者は「アウェイチーム」でした。1983-84のリバプール(イングランド)と、2011-12のチェルシー(イングランド)です。いったい、地の利はどこへ?

1983-84のローマ(イタリア)と2011-12のバイエルン(ドイツ)が、地の利を生かせなかった敗者です。実力で勝者に劣っていたわけではありません。地の利に潜むエアポケットにハマッた格好でしょうか。ホームだから有利、勝って当然――そんな心理的重圧が見え隠れしていました。多大な期待は重圧と表裏一体。先に失点すれば必要以上に焦り、目の前に勝利がちらつけば妙に浮き足立つ。地の利の「不利」でしょか。そんなホーム側の心理を見透かす人が、いました。

「重圧が大きいのはドイツの方。私たちには失うものがない」

2011年の女子ワールドカップ決勝トーナメント1回戦、ホームで戦う本命ドイツを見事に破った「なでしこジャパン」の澤 穂希選手の言葉です。優勝候補の一角だったドイツは「勝って当然」という重圧に最後まで苦しめられたのかもしれません。最終節を除いて、負けても「次がある」リーグ戦では、その手の心理的な負荷ははるかに少ないでしょう。負けたら「あとがない」一発勝負の怖さですね。週末、この目に見えない不気味な敵と向き合うのが浦和――ということになります。

どちらが、より勝ちたいという気持ちが強いか。その気持ちの強い方が勝つ――という話をよく耳にします。その説とは矛盾するのかもしれませんが……「負けを恐れない」という境地にある側が、より勝者へ近づくような気がします。そんな集団こそ無用の焦燥から逃れ、氷のような冷静さと、機に乗じる大胆さを手にするのではないかと。一発勝負において、位や番付とは異なる結末や、やけに筋書きのないドラマが展開されるのも、何より「心」のありようが深く関わるからだと思うのです。

「怖がるな、ドキドキしていけ」

先日、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で再放送された日本一のカツオ漁師、明神学武さんの信条です。カツオの群れがどこに現れるか、己の読みを信じて、舵を切る。明神さんは「いつ、どこで、何があるか分からんような仕事やろ。ええ時もあるし、悪い時もあるがやけど、ドキドキしながら行く方が、なんか、ええ群れ来そうやろ」と。

サッカーも、いつ、どこで、何が起きるか分からないし、勝つ時もあれば、負ける時もある。だから、怖がるな、ドキドキして戦え――。僭越ながら、浦和の選手たちに、そんな言葉を送りたいですね。僕らもドキドキしながら、決戦を楽しみたいですから。よろしくお願いします。


北條 聡(ほうじょう・さとし)
1968年生まれ、栃木県出身。早大卒。Jリーグ元年の1993年に(株)ベースボール・マガジン社に入社。アトランタ五輪、日韓W杯などを取材し、2004年からワールドサッカーマガジン編集長、週刊サッカーマガジン編集長を歴任。2013年に退社し、現在はフリーランス。

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