9月17日(土) 2005 J1リーグ戦 第24節
柏 2 - 1 G大阪 (19:02/柏/11,948人)
得点者:'13 アラウージョ(G大阪)、'20 玉田圭司(柏)、'51 玉田圭司(柏)
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「走魂宣言 〜魂込めて走り勝つ〜」とは今季の柏が掲げるスローガンだが、この言葉はまさにこの日の柏にピッタリとはまっていた。
首位G大阪をホームに迎えた一戦。柏は13分に早くも先制点を献上してしまう。下位に沈む柏と初優勝に向け猪突猛進するG大阪の状況を考えれば、この時点で試合の大勢は決まったかに見えた。
しかし、この日の柏はここからが違った。4日前にコーチ就任が発表されて、初めてのリーグ戦となる『ラモス効果』だろうか。1点は取られたものの怖がってラインを下げることなく、圧倒的な運動量で中盤のスペースを潰し、G大阪に圧力をかけ続けた。そして、見事なカウンターから背番号28のエースが2得点。鮮やかな逆転劇で昨季開幕戦以来553日、17戦ぶりとなる日立柏サッカー場での勝利を挙げた。
敵将・西野監督は「前節、0対4で敗れたチームとは思えなかった。ひとりの加入によってこんなに変貌するものか」と『ラモス効果』を口にしたが、まさにこの日の柏は新コーチ・ラモスの魂が乗り移ったかのような気迫と執念でG大阪に相対していた。
もちろん、首位G大阪を相手に守勢に回る時間帯も多かった。しかし、体を張ったディフェンスで2点目は許さずに、玉田、レイナウドを起点とした効果的なカウンターからチャンスをうかがった。そして20分、左サイドを突破したレイナウドのパスをゴール前で受けた玉田が得意の左足で決めて1対1の同点に追い付くと、51分にも再びレイナウドのパスから玉田がフィニッシュ。今季ここまで4ゴールと不振に喘いでいた日本代表FWが大事な場面で結果を出した。「素直にうれしい。ラモスさんからは気持ちで絶対に負けないようにと言われていたが、(気持ちで)相手に負けてなかったと思う」(玉田圭司/柏)
終盤には、逃げ切りを図る上で、絶妙なベンチワークも光った。77分にクレーベルを下げ谷澤を、86分にはレイナウドに代えて矢野、88分には増田に代えて平山を投入するなど、3人の交代を最大源に活かし、G大阪の終盤の攻勢を断ち切った。
一方のG大阪は大黒からのパスを受けたアラウージョが決めるという、いい形で先制しながらも、その後はボールをキープするものの流れを掴み切れずに、柏に足もとをすくわれることとなった。柏の執拗な守備にスペースを消され、アラウージョ、大黒、フェルナンジーニョらの攻撃陣もなかなかシュートまでの形に持っていけず。
最後はフェルナンジーニョに代えて松波を投入し、シジクレイを前線に上げてパワープレーに出たが、「まったく練習をやっていなかった」(西野監督)という形がゴールを生むはずもなく、ロスタイムにはシジクレイのヘッドからエリア内でボールを受けたアラウージョがオーバーヘッドでねらったが、ボールは無情にもクロスバーを越えた。
主将の宮本は「1敗でガタガタ言ってもしょうがない。柏の出だしがよく、うちは1対1の勝負で負けてしまっていた。早い時間帯でアラウージョが取ったまではよかったが…」と淡々と試合を振り返った。
連勝が4でストップしたG大阪だが、辛うじて首位の座は守っている。次節は勝ち点1差の2位鹿島との直接対決(9/24・万博)。初のリーグ制覇に向けて、この敗戦からの切り替えができるかがカギとなるだろう。
以上
2005.09.17 Reported by 栗原正夫
J’s GOALニュース
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