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【J1:第3節 柏 vs 札幌】レポート:札幌の術中にはまった柏。スタイルの変化に戸惑いも。(08.03.31)

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3月30日(日) 2008 J1リーグ戦 第3節
柏 1 - 2 札幌 (16:01//10,048人)
得点者:12' 鎌田次郎(柏)、38' 西嶋弘之(札幌)、66' 西大伍(札幌)

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 前回の対戦時と同様、この日もフィジカルを活かした迫力あるプレーでピッチを蹂躙した札幌のクライトンが、柏まで駆け付けたサポーターに向けて歓喜の雄叫びをあげる。赤と黒に染まったゴール裏は、それにこの日一番の大声援で応えていく。いつもとは逆方向のスタンドで徐々に大きくなっていく勝利の熱狂の渦は、勝点奪取という目標に貪欲になった者たちだけが手にできる最高の雰囲気を作り出していた。

 この日の柏は札幌に比べて勝点への欲求で幾分負けていた。格上の相手に、しっかりと嫌らしく、相手のストロングポイントを消すためにやるべきことを貫いた札幌。これに対し、そんな札幌のペースに合わせてしまい、どこかちぐはぐなままだった柏。札幌の三浦俊也監督は「後半は柏優勢」と話していたが、先制を許しながらも耐え続けてカウンター一閃という勝利の方程式を実行した札幌の選手たちには、極限状態で集中力を保ち続けた凄みがあった。その選手たちの出来に満足感を示すように、試合後の会見の席で滲んだ指揮官のしてやったりの表情はなんとも印象的だった。

 それにしても、柏にはなんとも中途半端さが目立った。CKから鎌田次郎のJ1初得点で先制し、セットプレーから同点に追い付かれながらも、後半早々には強引にミドルシュートに持っていく積極性を見せて試合の流れをつかんだ。だが、攻撃の手詰まり感は変わらぬ課題として残る上、チームの武器であるサイド攻撃に依然としてスピードが乗ってきていない。ボランチでプレーした大谷秀和は、「もう少し前線での溜めが必要。ただ、彼らにあまりいいボールも入らなかった」と、サイドを活かす前の段階でチームに問題があったことを指摘している。

 さらに攻撃の第一歩となる前線からのプレスについても、「やっていてはまっていないなという感じ」と大谷が語るように、相手に蹴られてプレスを無効化されたときにリズムをつかめない悪癖も顔を覗かせた。期待を集めるポポが連携面で課題を残してベンチスタートとなる現状も含め、石崎信弘監督も認めるとおり一連の攻撃面での課題は依然として多い。ただ、現在の柏は言ってみれば選手も戦術も進化の途中段階。遅攻時のバリエーション増加に取りかかるなか、次のステージに進むために必要なステップを踏んでいる状態とも言える。

 山根巌、古賀正紘といった主力陣のケガの影響、この日に関して言えば李忠成は五輪代表戦の疲労が明らかに溜まっていた。そういったことが複合的に絡んだ結果として、ホームでの黒星という結果につながった。だがその一方で、大津祐樹のキープ力は試合を重ねるごとに向上してきているし、茂原岳人はサイドでスペースを必要としない新たな次元を垣間見せ、アレックスもようやくリーグ戦でデビューを飾った。多くの課題とともに、収穫もまた確実に積み重ねられている。攻守に影響を及ぼすエースのフランサを含めて選手が揃わない序盤戦は、昨季のいいときのように1点を守り切って勝つというのは難しい状況なだけに、まずは失点を恐れずに思い切ったサッカーを見せて欲しいというのが多くのサポーターの願いではないだろうか。

 一方、札幌の方を眺めてみると、決定機を外し続けたダヴィがこの日に限ってはブレーキとなってしまったが、前述のクライトンが中盤を掌握。肉体的な強さを前面に押し出しながらのボールキープやボールカットでも存在感を発揮し、ブラジル人ボランチらしいしたたかさを披露してくれた。そして、そのクライトンのキープ力を活かした中央の押し込みから、勝負どころでサイドの選手がなだれ込んでくる札幌のサッカーは、最後まで柏を揺さぶり続けていた。セカンドボールの重要性を説き、今季2度目の対戦で相手のウィークポイントを徹底的に突いてみせた指揮官、よく統率された守備ブロック、そして勝負どころを知っている外国籍選手。今季J1復帰初年度で厳しい戦いが予想される札幌だが、三浦監督の対J1用戦術は浸透の速度を早めてきている。

 前回の対戦時と同様、寒風吹きすさぶ雨天のなかで行われた一戦で、この日も笑顔を見せることになったのは札幌だった。そんななかでも、赤黒の歓喜のなかで浮かび上がる黄色に染まったホームゴール裏が見せた反応は、一筋の光明となる。勝点55。目指すべき到達点はまだまだ遠いが、リーグ戦はまだ3試合を消化したに過ぎない。試合後に多くのサポーターが拍手で選手を迎え入れたように、現状の柏に多くのものを求めすぎるのは時期尚早だろう。今は耐え忍ぶとき。そういう意味では、今日の札幌の試合に臨む姿勢は大いに参考になるものだった。

以上
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