3月21日（土）J2 第3節 愛媛 vs 岐阜（16:00KICK OFF/愛媛）
スカパー！生中継 Ch183 15:50〜（解説：大西貴、実況：堀本直克、リポーター：重橋秀香）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム

----------

前節の愛媛はアウェイで富山と対戦。ボランチ赤井秀一とFW内村圭宏の2ゴールで常にリードを奪いつつ、富山の反撃を1点に押さえた。これでクラブ初の開幕2連勝を達成、幸先のいいスタートを切ることができた。しかし富山戦では終盤、ポストに救われる場面もあり、必ずしも手放しで喜べない試合展開。先制点を決めた赤井は「苦しい時にもっと落ち着いてプレーできればよかった。勝ってはいるが、課題やプレーの質は修正しなければ」と気を引き締めた。連勝の感想を聞かれた望月一仁監督も「いつやられてもおかしくなかったし、連勝しているとはいえ選手にはストレスもあるのでは」と苦笑いを浮かべた。

それでも「去年なら、あれだけやられれば必ず失点していた。今はみんなで耐えることができているし、ゲームで『ひとつになって闘う』というスローガンがプレーに出せている」
と語ったDF金守智哉。苦しみながらも勝利を手にすることで、選手たちにも少しずつ自信が生まれ始めているし、望月監督も「内容は悪いかもしれないが、みんながもっといいサッカーをしようとしてくれている」と、トレーニングからチームが同じ気持ちを持って戦えている雰囲気に手ごたえも感じているようだ。

一方で対戦相手となる岐阜も、1勝1敗とまずまずの滑り出しを見せた。開幕戦ではアウェイで栃木を降しているが、その試合で得点をあげているMF高木和正、あるいはFW片桐淳至が絡むスピード感ある攻撃は、昨季以上に切れ味を増している。2列目からは菅和範とルーキー永芳卓磨のボランチも飛び出してくる。前節はゴールこそ奪えなかったが、途中から入ったMF染矢一樹やFW朴俊慶も最後まで甲府のゴールを脅かし続けた。「去年より守備の意識が高く、運動量があるチーム」と望月監督は分析するが、守備でも粘り強く中央を固め、2試合でわずか1失点。攻撃陣が好調の愛媛にとっても今節、岐阜のゴールを奪うのは簡単ではないだろう。

その愛媛にとって岐阜を攻略するひとつのポイントは立ち上がり。富山戦の立ち上がりに奪った先制点のようにサイドから素早くしかけ、一気にゴールを目指せるか。富山戦で負傷したFW大木勉の代わりにスタメンが濃厚となった田中俊也は「サイドでプレスをかけてくるが、そこを紐解いていければ中でチャンスが生まれるはず」と岐阜の守備を分析。サイドに限らず、岐阜は菅と永芳のボランチも高い位置にポジションを取ってくるだけに、そのプレスをかいくぐり、速い展開でゴールを目指すことができれば愛媛にチャンスが広がる。しかし、そこで引っかかるか、あるいは富山戦のようにミスを犯せばピンチを迎える。そこで今週、愛媛の紅白戦ではボランチ田森大己やDFアライールがレギュラー組に入ることもあったが、出れば愛媛で初出場となる彼らの出来も試合の流れを左右する要素となるだろう。

昨季は最後まで達成できなかった連勝を既に成し遂げた愛媛。今節は07年の第42〜45節に達成したクラブタイ記録の3連勝を目指す（第44節は試合なし）。「偶然ではなく、必然で勝てるようにしたい」と今の状況を表現した望月監督。結果が内容を高め、さらにそれが結果を導くようになればチームはまた一回り大きくなれる。しかしチームの完成度を高め、勝利を手にしたい気持ちは岐阜も同じ。昨季は愛媛から得点を奪うことが出来ず1分2敗と負け越しているだけに、ここでその不名誉な記録も断ちたい。攻守にアグレッシブなサッカーを展開する両チームの一戦は、その攻防から一瞬たりとも目が離せない。

以上

2009.03.20 Reported by 近藤義博