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【J1:第9節 広島 vs 清水】レポート:攻撃の広島、守備の清水。図式が明確になった壮絶な消耗戦は痛み分け(09.05.03)

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5月2日(土) 2009 J1リーグ戦 第9節
広島 0 - 0 清水 (16:04/広島ビ/14,584人)
スカパー!再放送 Ch183 5/3(日)17:00〜(解説:沖原謙、実況:桐山隆、リポーター:掛本智子)
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 果たして、清水の意図はどうだったのか。戦術的な狙いを持って引いていたのか、それとも広島の圧力の前に引かされているのか。試合を見ていると、そのコンセプトがわからなかった。だが、長谷川健太監督や清水の選手たち、それに清水を取材しているライターの話を聞いてみて、確信した。
 意図的ではなく、清水は広島のパス回しの前に、引かされていたのだ。
 実際、試合開始当初は、清水は前から積極的にプレスをかけてきた。しかし、広島が清水の選手との関係性を把握してボールを回し始めると、清水はボールを奪えない。次々と後ろから湧いてくるように出てくる厚みのある広島の攻撃の前に、清水はラインを下げざるをえない。低い位置でボールを奪っても前の人数を欠いてしまい、確率の高い攻撃を仕掛けることができなくなった。

 だが、そこでしっかりと割り切って守ることができるのが、清水の清水たる由縁だろう。焦ってバランスを崩すことなく、しっかりと3ラインをつくってブロックを形成し、広島をゾーンの網にひっかける。とにかく、我慢だ。清水の明確な意図がみてとれた。
 ただ、複数の選手が語っていたように、広島の攻撃にも工夫が足りなかったことも事実。「引いている相手に対して、崩してペナルティエリアで勝負していこうとしても、なかなか難しい。もっとミドルレンジからもシュートをどんどん打って、それを枠に飛ばしていかないと、相手の守備にもギャップができない」(佐藤寿人)
 実際、広島の前半の決定機は12分、ミキッチが右サイドからシュート性のボールを撃ち、それがDFとGKの間に入ってきて、そこに佐藤寿人が飛び込んできたシーンくらい。左サイドから服部公太は何度かいいクロスを供給しても、そこは高さに勝る清水守備陣が跳ね返す。

 本来の広島であれば、もっと後ろからゴール前に飛び込み、数的優位をつくってスペースもつくりだす。それが、今日の清水よりもさらに引いたJ2の守備を、コンビネーションで崩しきった攻め手だった。だが中2日の日程、怪我人続出の苦しいチーム状況の中で選手をローテイションできない厳しさから疲労が蓄積し、ギアをあげて飛び出すことが難しい。
 広島のサッカーは、ボールがないところで選手が動き、パスコースをいくつもつくることでポゼッション力を高めている。さらに人数をかけて攻め、人数をかけることで守るのが広島のやり方。走る距離は必然的に長くなり、選手個々の体力には負担がかかってくる。消耗度は、傍目で見るよりも大きい。
 そのためか、前半にしても後半にしても、残り15分くらいになると足が止まり、清水がつけ込むチャンスが増えてきた。だが、清水の方も広島のパス回しの前に集中を途切れさせることができないため、前に出た時に体力が残っていない。ここぞ、という時の精度を欠いていた。
 広島が攻め、清水が守ってカウンターを仕掛ける。そういう図式が続き、しのぎ合いの様相を呈してきたこの試合だったが、そういう時に勝負を決めるのがセットプレーやミドルシュート、そしてトラブルである。その感触が見えたのは、守りに守っていた清水の方だった。

 73分、ショートコーナーから山本真希が強烈に右足を振り切る。うなりをあげてゴールを襲う。完璧に枠を捉えた。しかし、野獣のような反射神経を誇る中林洋次がゴールに突き刺さるはずのボールを弾き飛ばした。
 81分、そこまで完璧な守備の統率とキープ力を見せつけていた森崎和幸が足を滑らせてしまう。そこを岡崎慎司が見逃さない。ボールを奪い右サイドへ展開し、クロス。永井雄一郎が強烈なヘッド。だが、またも中林の躍動の前に、ゴールネットを揺さぶれない。
 試合を支配していたのは、ホームの広島だった。シュート数でも上回り、ゴール前に迫る回数も広島の方が上だった。最後は守備のリスクを振り切って2トップにシステム変更、J1・J2通算300試合出場となる久保竜彦も投入した。しかし、最後まで清水のブロックを突き崩すことはできなかった。

 94分間、攻守に全力で走り回った岡崎が放ったシュートがジャストミートしなかった瞬間、家本政明主審の長い笛がなった。その時、岡崎はガックリと倒れ込み、ストヤノフや槙野も膝をついた。中2日、初夏ともいえる強い日差しが照りつける気候もあり、選手の体力は限界だった。攻めた広島も、守った清水も、ギリギリの闘いだった。
 しかし、中2日で試合はまた、続く。疲れ果てた身体と精神を無理矢理にでもリフレッシュさせ、この試合で得た手応えも後悔も一度リセットして、新しい闘いに臨まねばならない。厳しい状況だが、そこを乗り越えたものだけが、秋に満足を得られるのである。

以上

2009.05.03 Reported by 中野和也
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