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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs G大阪】レポート:重要な初戦の流れを支配した偉大なボランチ。明神智和がピッチに君臨し、アウェイのG大阪が先勝(10.09.02)

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9月1日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
広島 0 - 1 G大阪 (19:01/広島ビ/6,731人)
得点者:66' ルーカス(G大阪)
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最初のビッグチャンスは、森崎浩司からだった。キックオフの余韻がまだスタジアムに残っている中、ボランチに入った背番号7がロングパス。優雅な軌道を描いたボールは、エース佐藤寿人がもっとも欲しい場所にピタリと止まる。ユース代表時代から共に闘ってきた盟友同士らしいコンビネーションだ。
完全に裏をとった佐藤は、バウンドの落ち際をボレーシュート。強烈な弾道が枠を捉えた。だが、G大阪の守護神は慌てない。しっかりと足を地に着け、藤ヶ谷陽介は片手1本ではじき出した。

決定機を逃した広島だったが、このプレーでリズムをつかみ、攻勢に出る。しかしG大阪の中盤には、その流れを断ち切れる「巨人」が存在した。明神智和である。
2分、縦パスを受けた佐藤が前に出る。カウンターだ。だが明神は、横から素早く身体を寄せ、足下に完璧なタックルを浴びせてボールを奪い返した。5分、縦パスに反応した佐藤だったが、正確な予測で動き出した明神がボールを奪った。明神はピッチに立っている誰よりも頭脳を速く回転させ、誰よりも献身的に走って、広島の攻撃の炎をボヤの段階で鎮火させてしまった。
この明神の明神らしい守備が、試合の流れをG大阪へと引き戻した。20分、中島浩司から橋本英郎がボールを奪い、ルーカスを経由して宇佐美貴史が決定的なシーンを迎えた。ここは西川周作が素晴らしい飛び出しで未然に防ぐも、主導権はG大阪が握り続けた。
その中心に君臨していたのも、やはり明神だった。広島のパスコースを先回りしてカットし、あるいは相手の小さなトラップミスやパスの精度のわずかなズレをことごとく突いてボールを奪い、カウンターの起点になる。明神のプレーは、一見、地味に見えるかもしれない。しかし、試合の流れを構築し、G大阪のリズムをつくったのは間違いなく彼の頭脳だった。

広島も悪い流れを何とかしのぎ、35分に決定機を迎える。右サイドの森脇良太から森崎浩がパスを受けた瞬間、G大阪の守備陣は佐藤へのクロスを警戒してラインを下げた。そのため、中途半端な位置にいた高萩洋次郎はフリーになる。ここでもさすがに明神、高萩への足下のパスコースを消す動きを見せた。
だが、2人のアイディアはその上をいく。7番(森崎浩)がモーションを起こした瞬間、スルスルと15番(高萩)が飛び出した。狙いは裏だ。クロスはミリ単位の狂いもなく、ヘッドへピシャリ。しかし、「自分のミス」と高萩が反省の弁を残したように、シュートは枠をそれてしまった。アイディアは完璧。コンビネーションも最高。あとは、最後の精度だけ。立ち上がりの場面に続くこの逸機は、結果から見れば広島にとって痛かった。

66分、試合が動く。きっかけは、やはり明神だった。
丸谷拓也の縦パスが桑田慎一朗に入る。そこを二川孝広と武井択也が挟みこみ、ボールがこぼれた。そこに誰よりも早く反応したのは、明神である。ボールを拾い、素早く縦へ。宇佐美が切り込む。この時、明神が裏に飛び出す動きを見せたが故に、青山敏弘がつり出された。結果、中央の二川がフリーとなった。ここがポイントだった。
二川は青山を引きつけ、横パス。ルーカスだ。横竹翔が詰める。瞬間、股を狙う雰囲気を感じたのか、横竹は股をすぼめた。その逆を、ルーカスが狙う。ボールは外側から巻くように入り、ポストに当たってネットの中へ。
7月18日の浦和戦( /jsgoal_archive/result/2010/0718/20100100010220100718_detail.html )で骨折した右足は、まだ完治していない。しかしルーカスは練習から高い意欲を持って取り組み、全治8週間の診断を受けながら6週間半でチームに戻ってきた。その彼の姿勢が西野朗監督を動かし、復帰即先発という一つの「賭け」(西野監督)を選択させた。ストライカーは指揮官の信頼に「ゴール」という結果で応えたのである。

守備の明神、攻撃のルーカス。G大阪が誇る偉大な選手たちが、試合の結果を決定づけた。この試合、広島もミスが多かったがG大阪も細かなミスが散見し、気温28度・湿度77%という高温多湿の環境がいかに過酷なものかを証明していた。だが、その中でもっとも効果的なプレーを見せた2人のベテランは「やみくもに動くのではなく、頭を使って走るのがサッカーだ」というペトロヴィッチ監督の口癖を、正確に体現していたのである。

ただ、広島にとって0−1の敗戦は、決して最悪の結果ではない。アウェイで1−0の勝利ならばPK戦に持ちこめるし、2点以上をとって勝利すればアウェイゴール数で上回りベスト4が決まる。「次も今日のようにアグレッシブに行けばいい」と佐藤が語るように、選手たちの気持ちは萎えていない。まだ180分の試合の前半が終わっただけ。1週間のハーフタイムで両監督がどういう修正をほどこしてくるか、非常に興味深い。

以上


2010.09.02 Reported by 中野和也
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