9月1日（水） 2010 ヤマザキナビスコカップ
Ｆ東京 1 - 1 清水　（19:00／味スタ／12,510人）
得点者：68' 岡崎慎司（清水）、79' 森重真人（Ｆ東京）
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2010Ｊリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝第1戦が1日、4会場で開催された。連覇を狙うＦ東京は、ホーム味の素スタジアムで清水と対戦し、1-1で引き分けた。

試合は、第1戦らしい手堅いゲーム展開となった。両チームともに立ち上がりから守備的な展開が続き、なかなかゲームは動かなかった。
「Ｆ東京のよさを消して、引いて戦ったつもりもありません。ただ、中2日の厳しい日程の中で、強固に作られたブロックの間を通してだとか、しっかりサイドに寄せて逆サイドに展開するといったことは難しかった」（長谷川健太監督/清水）
清水は積載燃料を考慮して、より現実的な戦い方で臨んだ。前線に多くの人数を掛けず、攻撃機会をうかがい続けた。逆に、Ｆ東京も、そうした清水のカウンター攻撃を警戒し、中央からではなく、サイドからの攻撃に重点を置いた。Ｆ東京がボールを支配するものの、決定的な場面を作れず、膠着状態は続いた。

試合が動いたのは後半だった。辛抱強く守ってチャンスをうかがい続けた清水が68分、カウンター攻撃で好機を作る。奪ったボールを素早く左サイドに展開し、兵働昭弘が中央にボールを放り込む。この機を逃さず、ペナルティエリア内に清水の選手が次々となだれ込んでくる。その一人、岡崎慎司が頭で合わせて、先制点を挙げた。

先制を許したＦ東京は、選手を投入して攻撃オプションで反撃に出る。
「僕が中央に絞って、（中村）北斗をオーバーラップさせる狙いだった。僕もゴール前に入っていてゴールを狙うような形を作りたかった」（今野泰幸/Ｆ東京）
センターバックの今野を攻撃的なポジションに上げて打開を図った。今野は左のワイドに入ると、後方の中村北斗が攻め上がる時間を作った。前半から機能していた右サイドとともに、両サイドから清水を崩しにかかった。だが、清水は1点を守りきろうと、強固なブロックを作ってこのサイド攻撃に応戦。Ｆ東京は、サイドから崩すものの、なかなかブロックの中に侵入することができず、時間が経過していった。

このまま終了の笛を聞けば、清水の術中にはまったゲームだっただろう。しかし、79分、度重なるサイド攻撃が実を結ぶ。椋原健太が敵陣深くまで攻め入ると右ＣＫを獲得。このＣＫを鈴木達也が森重真人に合わせて同点に追いつく。「セットプレーは、ここまで得点に繋がっていなかったので、練習から迫力を持っていけるように取り組んでいた。それが、結果に繋がってよかった」と、森重。第1戦はＦ東京が何とか踏みとどまり、1-1のドローで折り返した。

「90分の流れの中で崩されることも少なかったので悔しい結果。ただ、そこまで悪いという結果でもない。少しのアドバンテージをもってホームで次のゲームを戦える。そういう意味では前向きにとらえたい」（伊東輝悦/清水）
1週間後の第2戦でベスト4進出クラブが決まる。清水は、わずかながらもアドバンテージを得ることに成功した。ホームのアウスタで行われる第2戦では、勝利もしくは0-0の引き分けでも準決勝進出が決まる。
だが、Ｆ東京にとっても、傷口を最小限に抑えたことは大きかった。勝利またはアウェイゴールを2点以上奪っての引き分けなら道は開かれる。ただ、それは同時に、第2戦で得点を奪わなければいけないことを意味する。この試合では、今シーズンの課題である相手の守備ブロックを崩してのゴールは生まれなかった。セットプレーでの得点は“ミズモノ”だけに、天皇杯を挟んで行われる1週間後の第2戦までにこの難題を解決しなければ、連覇は未だ遠い目標でしかない。

以上


2010.09.02 Reported by 馬場康平