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【J2:第15節 岐阜 vs 湘南】レポート:前半失点ゼロよりも前半に得点を!相手に修正時間を与えた岐阜の末路。(11.06.05)

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6月4日(土) 2011 J2リーグ戦 第15節
岐阜 0 - 1 湘南 (19:04/長良川/5,004人)
得点者:58' 高山薫(湘南)
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勝負が決まった後半は、湘南の前節の草津戦の逆の立場の試合を見ているようだった。湘南は草津戦において、4バックをフラットにして、自チームのサイドバックの上がりを抑制し、逆にボランチの永木亮太とハン・グギョンがバランスを取りながらも、積極的に前に仕掛けた。特に永木は中に絞りがちな両サイドハーフを生かして、FWの高山薫とともに、何度もサイドのオープンスペースに飛び出して、攻撃を活性化させた。これは裏を返せば、草津の両サイドバックが常に高い位置を取り、縦に果敢に仕掛けてくる性質を持っていたからこそ、それをうまく利用して、サイドに一旦蓋をしてから、相手の両サイドバックの裏のスペースを有効活用しようと狙ったからだった。それがはまり、湘南は2-0で勝利した。
それをこの試合に当てはめてみると、草津のサッカーをしてきたのが湘南のほうだった。この試合、前半は一見、互角もしくは岐阜の優勢に見えた。しかし、それは一瞬のまやかしだった。

なぜならば、岐阜はこの試合、2トップを「ウチのチームの流れを大事にした。その上で湘南の分析をして、合わせ技をもって選んだ」(木村孝洋監督)と、押谷祐樹と嶋田正吾のスピード系のコンビに変えてきた。湘南のベンチワークを見ている限り、この組み合わせは想定外であっただろう。実際に「嶋田選手と押谷選手はスペースランナー。それは我々にとって対処しづらい相手ですね。最初からでかい選手で来たほうが、対処しやすかった」と反町康治監督が語ったように、2人にうまく仕事をさせないように、ダブルボランチを草津戦よりも低いラインに置いた。これにより、永木とハンがそこまで攻撃に絡まなくなったことで、岐阜は中盤で比較的ボールをキープできた。

しかし、それも「相手の前でボールを回していても、全く怖くはない」とMF橋本卓が話したように、そこから決定的なシーンを作るために、2列目が裏に抜けたり、DFラインの間でボールを受けても、3人目の動きが足りず、岐阜はリズムをつかんでも、前半で決定的なチャンスを作れたのは、たったの1回だけだった。
「前半についてはほぼ予定通り。いい立ち上がりをして、点を取れればいいと思った。しかし、失点0点で後半に繋げたのはまずまず」と木村監督は語ったが、これが予定通りにいったのは、湘南のほうだった。これは試合後の反町監督と大井健太郎のこの言葉に如実に表れていた。
「岐阜は非常に機動力のあるサッカーをするので、我々にとって難しい相手でした。ただ、相手の良さを出さずにゲームを終わらせることできました。選手たちはよく集中して、相手のストロングポイントを消した」(反町監督)。
「岐阜は走力で勝負してくるチーム。自分たちがボールを持った時に下手な時に取られるとシュートまで持って行かれるので、シュートで終わろうと話していた。でも、たとえボールを取られても、僕らの前の選手に落ち着いて対処させることが出来たので、僕らも落ち着いて対処することが出来た」(大井)。

前半、岐阜は湘南によって、ストロングポイントを完全に消されていた。しかも、湘南は岐阜のスタメン変更に戸惑いながらもだ。湘南に高い修正力を見せつけられた前半。後半は攻撃に転じた湘南の力強さを目の当たりにした。
後半に入ると、石神直哉と鎌田翔雅の両サイドバックが一気に高い位置に張り出して、永木、ハンも積極果敢に前線に飛び出していった。時には大井と遠藤航の2バックのようなシステムで、一気にゴールを奪いに来た。するとこれがはまり、岐阜はサイドで常に数的不利を作られ、徐々に守備に綻びを生じていく。そして、決勝点はそのサイドから生まれた。

58分、右サイドを高山が突破。これに対し、DFラインはずるずる下がってしまう。DFラインが横一直線になった瞬間、高山とアジエルのワンツーをあっさりと決められ、GKと1対1に。高山のシュートが決まり、湘南が均衡を破った。その後、岐阜はチャンスを作ったが、決められずそのままタイムアップ。岐阜の3連敗が決まった。

試合後の記者会見で、筆者は「なぜ両サイドバックを高い位置に設定したのか?それは意図的なのか?」と聞いた。頭の回転が速い反町監督のことなので、狙い通りであれば理由を説明するし、そうでなければ「私はそうは思わない。いつも通りだ」と答えるだろうと思っていた。結果は前者であった。そして、非常に興味深いコメントをくれた。
「岐阜のサイドハーフの選手は前への推進力がある。しかし、前への30mのスピードと、戻る30mのスピードが違うので、こっちの数的優位は保てる。現代サッカーは前に行くスピードと、戻るスピードが一緒じゃないと厳しい。なので、(右サイドバックの)鎌田には、染矢選手を交わして前に出て、染矢選手を抜いて戻ってこいと、ちょっと厳しい要求をしました。でも、それを彼はしっかりやってくれたと思います」。
決勝点は右サイドの仕掛けから生まれた。これは必然の流れだったのだ―。

ここ数試合の岐阜の前半は確かに悪くはない。しかし、後半にやられる傾向が顕著に出ている。これは組織としてもそうだが、まだ全員がハードワークしきれていないのが挙げられる。ここであることに気付く。前半で失点ゼロに抑えることは大事だが、前半で得点ゼロでは、結局同じことになってしまう。まずは先手を取れ。今の岐阜に大切なのは、この姿勢ではないだろうか。

この試合の反省点は、せっかく相手の意表を突きながらも、修正時間を与えてしまったこと。これが敗因の一つとなった。ホームでサポーターが見たいのは、より積極的な姿勢とハードワーク。基本的な部分をもう一度見つめ直す時間に差し掛かっている。

以上

2011.06.05 Reported by 安藤隆人
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