本文へ移動

今日の試合速報

アジアの頂点まで、あとひとつ! AFC CHAMPIONS LEAGUE 決勝第1戦 5.11(土)19:00KO 横浜FMvsアルアイン 横浜国際競技場 DAZNでLIVE配信!
アジアの頂点まで、あとひとつ! AFC CHAMPIONS LEAGUE 決勝第2戦 5.26(日)1:00KO アルアインvs横浜FM ハッザーア ビンザイード スタジアム DAZNでLIVE配信!

J’s GOALニュース

一覧へ

【2011 Jユースカップ 準々決勝:広島vs札幌/名古屋vs柏】レポート:ドラマでも描けないような逆転勝ちの広島、柏に完封勝利した名古屋が準決勝進出。(11.11.28)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
■2011 Jユースカップ 決勝トーナメント 準々決勝
11月27日(日)
広島 4-3 札幌/刈谷
得点者:13'中原彰吾(札幌)、47'末廣浩暉(広島)、73'近藤勝成(札幌)、82'脇本晃成(広島)、84'中川雄貴(札幌)、88'川辺駿(広島)、99'石坂元気(広島)
------------------------

試合の流れもスコアも、まさに二転三転。メンタルや勢いの影響がプロ以上にはっきりと表われるユース年代のドラマチックな試合展開が、これ以上ないほど―ある意味残酷なほど存分に味わえた素晴らしいゲームだった。

まず前半に主導権を握ったのは札幌。前線の強力な個の力を生かして広島守備陣に揺さぶりをかけ、立ち上がりから決定機を作っていく。そして13分には、FW下田康太が左からドリブルで突破し、折り返しを右MF中原彰吾が押し込んで先制点をゲット。
その後は、広島が持ち前のポゼッション力を生かしてボールを保持する時間を増やしていくが、それも札幌にとっては想定内。4-4-2の守備ブロックをきっちり整え、ボールを奪った後はスピードも精度も非常に高いカウンターアタックで何度も決定機を作っていく。このカウンターの鋭さには、広島のリベロ脇本晃成も「今まで味わったことのないカウンター」と舌を巻いたが、少なくみても5回以上はあった前半の決定機を決めきれなかったことは、札幌にとっては非常に痛かったし、広島にとっては幸運だった。

そして、我慢するだけで終わらないのが広島の伝統でもある。後半は立ち上がりから広島が攻勢に出て、開始2分にプレーメーカーの野津田岳人のお膳立てから左アウトサイドの野口翼がクロスを入れ、トップ下の末廣浩暉がきれいに決めて同点。1、2年生が主体の攻撃陣を3年生の3バックが支えるという形(トップチームと同じ3-4-2-1の配置)の広島が、鮮やかな攻撃で追いついたことで一気に波に乗る。1年生ボランチ川辺駿のプレーも冴え始め、巧みにパスをつないで主導権を奪い返した。

しかし、札幌も負けじと交代策で流れを変える。後半24分にFW近藤勝成が投入されると、彼が精力的に動いてバイタルエリアでボールを受けてキープし、攻撃の流れを作る。これでまたペースを奪い返した札幌は、28分にその近藤が自ら決めて再びリード。だが、広島も負けじと食い下がり、一進一退の展開で試合はさらにヒートアップ。そして、広島は37分にセットプレーの混戦から脇本が気迫で押し込み、再度同点に追いついた。

だが、すぐにまた試合は動く。その2分後には、札幌の交代出場の左MF中川雄貴が鋭いドリブルからゴール左上にピンポイントで突き刺す鮮やかなシュートを決め、三度リード。札幌のレベルの高さを見せつけた3点目で、さすがに激戦にも決着がつくかと思われたが、それでもまったく下を向かない広島の選手たち。望みを捨てず、動きを惜しまず攻め続けた結果として、43分に相手GKの信じられないミスからチャンスをつかみ、3度目の同点ゴールをゲットした。

それでも延長戦では、札幌も勝利を諦めることなく攻勢に出たが、延長前半9分、広島が得意のセットプレーで突破口を開く。右CKから野津田が正確な左足キックで最高のボールを入れ、ニアに飛び込んだ交代出場の石坂元気がドンピシャのヘッドで合わせ、ついに逆転に成功する。今回も試合を決めたのは、3年生の気持ちのこもった一発だった。

その後は、札幌もあきらめずに反撃に出て、延長後半5分には決定的なチャンスを作ったが、これも広島DF陣の身体を投げ出すシュートブロックに阻まれてしまう。そのシーンだけでなく、広島の選手たちは最後の最後まで全員が守備の運動量を落とすことなく、球際でも本当に身体を張って札幌の反撃を封じ続けた。

そして、ついに4-3のままタイムアップの笛を迎え、ドラマでも描けないような逆転勝ちで広島が準決勝への切符をつかみ取った。試合後、「そこに顔を出したり、そこに戻ったり、頑張って走ったり、集中力や予測やいろんなものを働かせて、細かい部分まで惜しまず努力を続けていれば、運も転がってくるのかなと思います」と広島の森山佳郎監督は語ったが、観ている者にもそれが実感できるような熱いゲームだった。

以上

■2011 Jユースカップ 決勝トーナメント 準々決勝
11月27日(日)名古屋 2-0 柏/刈谷
得点者:32'ハーフナー ニッキ(名古屋)、48'森勇人(名古屋)
-------------------
こちらも前半までは、1試合目の広島vs札幌戦と同じような展開だった。しかし、1試合目の激闘を観戦してサッカーの恐さを実感した名古屋の選手たちは、けっして集中を切らすことなく後半も試合をコントロール。それが、1試合目とは対照的な後半の展開と結果にもつながった。

立ち上がりはやや静かな展開だったが、8分には名古屋がビッグチャンスを作って押し気味に試合を進める。だが、17分と27分には柏が決定機を作り、一歩も譲らない。そんな互角の戦いの中で、試合を動かしたのは名古屋の圧倒的な高さだった。前半32分、森勇人の左CKにファーサイドから走り込んだセンターバックのハーフナー・ニッキが、クロスバーよりも上ではないかと思わせる高さから頭で合わせて先制点をゲット。まだ成長中と言われる195cmの2年生・ニッキは、Jリーグでも活躍したGKハーフナー・ディド氏(清水エスパルス・コーチ)の次男であり、日本代表FWハーフナー・マイクの弟。ユースレベルを超越した高さは、密着マークでも防ぎようがなかった。
その後も、名古屋が巧みなパスで何度か柏のDFラインの裏をとり、34分と37分にGKと1対1の場面を作ったが、そこでは決定力を欠いて決めきれない。そのまま1-0で前半が終わり、ここまでの戦いぶりは第1戦の札幌と同様だった。

しかし、名古屋が違ったのは、安定した守備組織を終始保ち続けたこと。後半は、ポゼッション能力に定評のある柏がボールを支配したが、名古屋は4-4-2の守備ブロックをコンパクトに保ってつけいるスキを与えない。「柏は(ブロックの)間を狙う意識が高かったので、全員とコミュニケーションをとって集中を保って、ラインをキープして守りました」とハーフナーが語ったように、中盤の4枚のラインとDFラインの間に柏の選手が入ってきたところには、ボランチの奥山政幸を筆頭に厳しく対応し、そこからの決定的なパスを出させなかった。
逆に柏のほうは、あと一歩のところでの微妙なズレが目立ち「相手が一番嫌がるところになかなか入っていけなかったし、相手のボランチとDFラインの間でなかなか前を向けなかった」(下平隆宏監督)と悔しさをにじませる。
後半3分に森のスーパーゴールで追加点を決めたこともあり、名古屋の意識がよりはっきりとした結果、後半は柏の決定機らしい決定機がほとんどなく、名古屋が危なげなく完封を実現した。ただ、名古屋のほうも、カウンターから3点目を決めるチャンスが何度かあったが、それを決めきれなかったところは次への課題。
「まだ中盤からアタッキングサードに入ったところで細かいミスがあって、奪われ方も悪いので、そこを改善してぜひ優勝したい」と高田哲也監督も、今年最後のタイトル獲得に向けて自信と意欲をはっきりと示した。

以上

■2011 Jユースカップ決勝トーナメント 準決勝 試合予定
2011年12月23日(金・祝)キンチョウスタジアム
11:00 名古屋 vs 広島
14:00 清水 vs C大阪
※全試合入場無料

※J's GOALでも準決勝、決勝全試合のスコアボード速報を実施予定です。

2011.11.28 Reported by 前島芳雄
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サッカーのポジション解説
サッカーの試合時間・タイムルール
インテンシティ
オフサイド
ビルドアップ

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第15節
2024年5月18日(土)19:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/05/16(木) 00:00 ハイライト:札幌vs磐田【明治安田J1 第14節】