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【J1:第34節 新潟 vs 名古屋】名古屋側レポート:最後の鬼門を打ち破るも、連覇の夢は潰える。盤石の安定感を見せた名古屋は新潟を圧倒し、6連勝でリーグ戦を締めた。(11.12.04)

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12月3日(土) 2011 J1リーグ戦 第34節
新潟 0 - 1 名古屋 (15:31/東北電ス/26,300人)
得点者:54' 玉田圭司(名古屋)
スカパー!再放送 Ch182 12/5(月)前10:30〜
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新潟側レポートはこちら

「今季で一番すっきりしない勝ちでしょうね」。
増川隆洋の言葉を借りるまでもなく、複雑な勝利だった。過去7年間で勝利のなかった最後の鬼門・東北電力ビッグスワンスタジアムでの初勝利を、素直に喜ぶことができない。すべては柏が浦和に勝利し、逆転での優勝が霧散したからだ。序盤の苦戦から怒涛の巻き返しを見せたシーズンだったが、連覇にはあと一歩届かず。それでも盤石の強さを見せつけ、2位の座を守り通した。

今季序盤は負傷者に悩まされた名古屋だが、最終節を迎えるにあたって負傷者はゼロ。スタメン、控えともにベストの18人を揃えて新潟に乗り込むことができた。逆転優勝を勝ち取るべく選ばれた11人はまさしく今季のベストメンバー。フォーメーションは中村直志とダニルソンを中盤の底に並べ、玉田圭司をトップ下に置く4-2-3-1が採用された。従来の4-3-3に比べてやや守備に人数を割くことになるが、玉田の自由度を確保できるのに加え、藤本淳吾を得意の右サイドアタッカーとして起用できるメリットは大きい。攻撃力を犠牲にせずに守備への意識を高められる布陣は、鬼門と呼ばれる場所で勝利を求めるにあたって、最適だったといえるだろう。

試合は静かな立ち上がりを見せた。とはいっても緩いわけではなく、両チームともに引き締まったボールの奪いになったからだ。激しすぎず、軽すぎず。名古屋は中盤を中心に、新潟はDFラインとボランチのラインを中心に、良い守備を展開した。その中で存在感を放ったのは名古屋のダニルソンだ。今季は負傷がちでなかなか本領発揮とならなかった怪物ボランチは、この一戦で本来のダイナミックなプレーを取り戻した。すさまじいスピードでボールホルダーに襲いかかり、奪ってそのままドリブルで攻め上がる。ひとりふたりのマーカーは、ボールを押し出しただけで置き去りにしてしまう。厳しいチェックにあって転倒するも、倒れたまま足を出して再び奪い返してしまったシーンなどは、この選手の身体能力の高さを改めて感じたものだ。彼の迫力にけん引されるように名古屋は勢いに乗り始め、徐々に新潟を圧倒し始めることになる。

だが前半は新潟の踏ん張りの前にゴールを割ることはできなかった。立ちはだかったのはベテランGK小澤英明だ。30分のケネディのヘディングシュートをライン上で掻き出し、39分の玉田の決定機も止めてみせた。千葉和彦や鈴木大輔らも体を張った守備で守護神に呼応し、勢いづく名古屋の攻撃を水際で食い止めた。名古屋は決定機自体は上記の2つぐらいで、残るチャンスは間一髪でシュートに持ち込めなかったものばかり。ゲーム自体は支配したことで新潟の前半のシュート数は3本に抑え込んだが、自分たちも3本と抑え込まれた。

このまま膠着した展開のまま、鬼門に飲み込まれていくのか。しかし今季の名古屋には大きな武器があった。セットプレーである。しかも、二刀流だ。ひとつはケネディや田中マルクス闘莉王、増川らの高さを生かしたもの。そしてもうひとつは高精度のキッカーたちによる直接FKである。この日は、玉田の左足が輝いた。54分、ペナルティエリア前中央という絶好の位置で得たFKに、3人のキッカーが集まる。右の小川佳純、左の玉田、藤本である。位置的には誰が蹴ってもいい。誰が蹴るかは藤本曰くジャンケンだった。勝った玉田が短い助走から利き足を一閃すると、ボールは右のポストに当たってゴールに飛びこんだ。重苦しいアウェイの雰囲気を一変させる見事な一撃を、得意の距離のFKを蹴りそこなった藤本も「タマさんが決めてくれて嬉しかった。今年はふたりでけっこう直接FKを決められたから。ほんとにお互い、いい意味で決め合ってました」と笑顔で振り返った。

先制点を手にした名古屋のその後の戦いぶりもまた見事だった。失点後にすぐさま2選手を交代させ、終盤にはアンカーを置く4-3-3で追い上げを狙った新潟を完封。ミシェウらブラジル人3人によるカウンターを受けた時間帯も、3名の交代枠を使ってチームをフレッシュに保ちつつ乗り切った。後半のシュート数は名古屋6本に対し新潟は2本。いかに圧倒した試合だったかは一目瞭然だ。「完勝だと思います」という藤本の言葉は、正しい。先制し、コントロールし、ピンチを乗り切る。こうした理想的な流れで新潟を下した名古屋は、ついに最後の鬼門を突破したのだった。

惜しくも優勝はならなかった。だが、名古屋が今季残した成績は実に素晴らしいものだ。勝点71は優勝した昨季に比べても遜色なく、67得点はリーグ2位。さらには失点数36もリーグ2位で、得失点差はぶっちぎりの+31を記録した。この数字が導き出すのは、21勝8分5敗という戦績。5敗はリーグ最少で、ホームでは1度しか負けていない。もちろん連敗もない。史上最速で優勝をさらった昨季も強かったが、記録を比べれば今季のチームの方が凄い数字を残している。だから玉田も「優勝したチームを褒めたい」と言うのだ。田中隼磨は「やるだけのことはやった。1年間安定していたと思う」と胸を張り、最終6試合を6連勝したことを数人の選手が話題に挙げる。悔しさ混じりながらも、潔ささえたたえた選手たちの表情からは、少なくとも“人事を尽くした”ことが見て取れた。

ストイコビッチ監督も素直に敗北を認めた。「これだけ勝って優勝できないのだから、柏の方が上だったということ」。それでも負けず嫌いの性格が、最後の一言を闘将に言わせた。「まだ終わっていない。天皇杯で柏を待ち受ける」。チームはひとまず小休止に入るが、今季最後の公式戦でのリベンジを宣言した。リーグは終えたがシーズンは終わっていない。名古屋は2011年を、無冠で終えるつもりはない。

以上

2011.12.04 Reported by 今井雄一朗
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