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【天皇杯5回戦:横浜FM vs ザスパ草津 レポート】ザスパ草津、金星! 9人でJリーグチャンピオンチームを倒す!(04.12.16)

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12月15日(水)第84回天皇杯全日本サッカー選手権 5回戦
横浜FM 1-2v ザスパ草津 (19:00/仙台)
得点者:前半29分 宮川大輔(ザスパ草津)、後半38分 奥大介(横浜FM)、延長前半11分 依田光正(ザスパ草津)
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 延長戦前半のホイッスルが鳴ってから、横浜F・マリノスがいつザスパ草津を仕留めるかというムードが気温4度の肌寒いスタジアを充満していた。しかし、格上のチームを食ってやろうとするスピリットはいささかも揺らいでいない。自陣での時間帯がほとんどになりながらも、クロスをはじき返し、シュートコースを走って消し続ける。この献身的な動きの前に、横浜F・マリノスは決定的な場面は作れずに延長前半10分を経過。そして、狙っていた反転速攻。横浜F・マリノスディフェンスが苦し紛れにタッチに蹴り出し、続いてリスタートからキープ、ここでも横浜F・マリノスはファウルで攻撃の寸断を試みた。そして運命のフリーキック。右、ハーフウェーラインを5メートルほど中に入っただけの距離がたっぷりある位置。小細工はできない。キッカーはキャプテンの鳥居塚伸人。右足からのロングボールがゴール前中央へ。これをクリアさせずに競ると、ボールはファーポスト方向に流れる。横浜F・マリノスの那須大亮より一瞬早く反応した依田光正が、ワンタッチで左足を振り抜く。シュートは右隅に流れてネットに吸い込まれていった。

 この試合、横浜F・マリノスは予想どおりチャンピオンシップに出場したほとんどのメンバーがコンディション的に整わない。11人のメンバー中、田中、ドゥトラ、奥とチャンピオンシップにも先発したのは3名にとどまった。とはいうものの栗原、那須、大橋、佐藤由、安永と連なるメンバーの個々のポテンシャルは大きくザスパ草津を上回っている。だがチームとすると、そして一発勝負のトーナメントならこの数値が比例するとは限らない。

 前半は、サッカーでしばしば起こりうる、その典型的な習いを示してくれた。宮川大輔をワントップにして9人が、いや宮川も下がって全員が専守防衛するザスパ。しかしロングボールを放った途端、アグレッシブに前に出て高い位置で横浜F・マリノスにプレッシャーをかける。下位チームの常套手段だが、0−0の均衡が続けば続くほど効果を発揮していく。横浜F・マリノスの有能なセンターバック、那須と栗原がクリアするもののそれがつながらない。またドリブルでストップするのに余計な時間がかかる。またキープされて後手に回る。象徴的なのが前半37分のシーンで右サイドで寺田と1対1となった栗原はフェイントについていけず苦し紛れに手でつかんでストップ、ファウルを取られた。

 ザスパ草津はチャンスの質と量で上回り前半23分にはセカンドボールからの右クロスをファーサイドで寺田がフリーでヘディングシュート。ゴールは左ポスト左上に外れる。続いて24分、ゴール前に流れたボールを栗原と榎本哲が譲り合って、そこを後ろから堺陽二が奪った決定的な場面。間一髪で榎本哲が防いだが、堺は地面を叩いて悔しがった。そして前半29分、カウンターを狙った大橋のパスをザスパ草津の選手がカット、このボールがペナルティエリア内左に流れる。そして残っていた宮川がダイレクトで左足を振り抜くとグラウンダーのボールは左スミに突き刺さった。1点をリードされた横浜F・マリノスはシステムを変更、栗原勇蔵、田中、那須のスリーバックにしてトップ下に大橋をすえた。

 後半は追いかける横浜F・マリノスが積極的。1分、11分とキープしたがる山瀬がミドルシュート。12分にはドゥトラの突破、ザスパ草津のディフェンスはファウルでしか止める術がなかった。20分には最初の決定的なチャンス。右CK 、ニアで安永がヘッドで流すとファーでフリーとなっていた山崎へ。これを山崎が身体を投げ出すようにヘディングシュート。しかしライナーは小島の胸に包み込まれてしまった。そこからもF・マリノスペースだが、一瞬スキが生じたのが後半27分のシーン。前線へのフィードでザスパ草津の佐藤正美がフリーに、キーパーと1対1になる直前に田中が追いついてタックルし難を逃れた。

 後半27分、センターサークル付近からザスパ陣内に入ったところにドリブルした奥を山口が引っ掛けて2枚目の警告。これを不服とした山口が高山レフェリーの手からイエローカードを叩き落したものの判定が覆るはずがない。

 10人となったザスパに横浜F・マリノスはさらに猛攻を加える。後半35分には北野が至近距離からダイレクトシュート。しかしこれもキーパー正面に。ようやく後半38分、大橋がドリブルから冷静に出した横パス。これが走りこんできた奥の足もとに。奥は右足で落ち着いて同点ゴールをゲットした。後半40分には籾谷まで2枚目のイエローで退場となり9人となったザスパ草津。もう勝負の帰趨は明確になったと思われた。42分には大橋のショートクロスをゴール前に走りこんだ北野がヘッド、ボールは左スミに飛んだがポストに当たって転がる。このシュートの行方に奇跡の伏線があったのかもしれない。

 ほとんどの選手が一言も発することなく足早にバスに乗り込んだ横浜F・マリノス。ショックの大きさがうかがえるが、収穫もなくはない。例えば公式戦初出場の後藤。「うちにいないタイプなので、どうしても使いたかった」と岡田監督も期待していたレフティはパスセンスとゴールへの意欲を披露してくれた。そして半歩ずつ前進するテクニシャン、大橋。0-1の流れを強引にもつれさせたのは、あきらめない気持ちの強さだった。

 モチベーションが足りなかったわけではないが、戦意と勝負への執着ではザスパが光っていた。だがそれにしても、JリーグチャンピオンをJFLのクラブ(来季からJ2)が9人で破ってしまうとは。久々にサッカーの神様の存在を感じさせたゲームといえるだろう。

2004.12.16 Reported by 池田博人

以上
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