11月17日にミクニワールドスタジアム北九州で開催された「2019Jユースカップ」決勝は、名古屋グランパスU-18がガンバ大阪ユースを4-0で下し、8年ぶり二度目の優勝を果たしました。
その試合の前に同スタジアムでは、Jリーグが主催する複合スポーツイベント「DO!ALL SPORTSスポーツクリニック」が行われました。
「DO!ALL SPORTSスポーツクリニック」 はスポーツを通じて世代を超えたふれ合いの機会を提供することを目的としたイベントで、日本を代表するアスリートOBたちが講師を務め、サッカーをはじめ、陸上、タグラグビーといった様々なスポーツの面白さを子どもたちに教えていくというものです。
4回目を数える今回のイベントでは、元サッカー日本代表の福西 崇史さんと加地 亮さんのほか、元ラグビー日本代表の畠山 健介さんと、ロンドンオリンピック4×100mリレー日本代表の江里口 匡史さんが講師を務め、子どもたちにそれぞれのスポーツの楽しさを伝えていきました。
参加したのは北九州市内の小学校低学年を中心とした85人の子どもたち。サッカーのユニホームを着た子どもたちが多かったものの、普段は陸上をやっている女の子なども参加。快晴に恵まれたスタジアムで、笑顔で汗を流しました。
最初に行われたのは、江里口さんによる走り方教室。ジャンプや片足立ち、もも上げといったウォーミングアップをしたのち、スキップや大股走りなどの実践が行われていきます。
江里口さんによるデモンストレーションが披露されると、子どもたちは「めっちゃ、速い!」と驚いた様子。最後にスタートのコツを伝授されるなど、濃密な内容に子どもたちは満足した様子でした。
続いて2組に分かれ、畠山さんによるタグラグビーの指導と、福西さんと加地さんのコンビによるサッカーの指導が行われました。
タグラグビーは、まずはボールに触ることに慣れるところから始まります。初めて触る楕円形のボールを前に子どもたちは少し戸惑いながらも、パスやキャッチを体験。チームに分かれてボールを奪い合う練習では、他のチームに負けまいと真剣なまなざしでボールに向かっていく様子も見られました。
練習が終わると、「ラグビー、面白かった人?」と、畠山さんが問いかけます。するとほとんどの子どもたちが手を挙げて、初めて体験するスポーツに興味を持った様子でした。
サッカーでは、「チームプレー」の重要性を学んでいきます。7人程度のグループを作り、全員が手をつないだ状態でドリブルをするという練習では、慣れない動きのため思うようにボールを運ぶことができません。すると福西さんが「みんなで協力しないと上手くいかないよ。どうやったら早くなるかを考えよう」と言葉を投げかけます。すると二度目のチャレンジでは、スムーズにボールを運ぶチームも見られるなど、短い時間の中で子どもたちが成長していく姿が見られました。
およそ1時間と短い時間ではあったものの、普段はプロの選手が使用する素晴らしい芝生の上で様々なスポーツを体験し、子どもたちは満足した表情を浮かべていました。「もっとやりたかった」と話す子どももいるなど、スポーツの楽しさを感じられる時間となったようです。
講師を務めた福西さんは、「やったらできるというのに気づいてくれればうれしいなと思います」と感想を語ります。
「みんなでやるサッカーの良さや、ラグビーの難しさ、コツを掴めば走るのが早くなる。そういうことを実感してくれたと思うので、これからもいろんなスポーツを体験して。楽しんでもらいたいなと思いますね」
普段はかけっこ教室などを行っているという江里口さんは、他のスポーツと一緒に行う今回のイベントに初参加。様々な競技に触れることで、新たな刺激を受けたと言います、「スポーツのエネルギーを感じましたし、子どもたちの楽しそうな顔を見ていると、こちらも幸せな気持ちになりました。サッカーやラグビーの選手の方々と一緒になって、スポーツの良さを子どもたちに伝える経験ができ、自分自身も勉強になりました。『身体を動かすことは楽しい』ということを覚えて、子どもたちがいろんなスポーツを生涯に渡って続けてほしいと思います」
参加した子どもたちも、指導にあたったアスリートたちにとっても、スポーツの素晴らしさを改めて感じられる1日となりました。