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中澤 佑二の視点:アクシデントにも動じず、らしさを存分に発揮。際立ったのはベテラン水沼のパフォーマンス【ACL 横浜FMvsシドニーFC】

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2022年4月26日(火) 14:40

中澤 佑二の視点:アクシデントにも動じず、らしさを存分に発揮。際立ったのはベテラン水沼のパフォーマンス【ACL 横浜FMvsシドニーFC】

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中澤 佑二の視点:アクシデントにも動じず、らしさを存分に発揮。際立ったのはベテラン水沼のパフォーマンス【ACL 横浜FMvsシドニーFC】
今日のマリノスはパスのテンポや距離感が良く、自分たちでリズムを作れていました。セットプレーからの流れで先制できたこともよかったですね。

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、次節の見どころを語る。

試合開始からシドニーがマリノスにプレッシャーをかけてきましたが、そこで失点せずにしっかり耐え、徐々にマリノスのペースに持ち込んでいきました。今日のマリノスはパスのテンポや距離感が良く、自分たちでリズムを作れていました。セットプレーからの流れで先制できたこともよかったですね。そして色々なアクシデントがありながらも、臨機応変に自分たちの力で立て直すことができました。

(後半には、ちょっと不可解にも思えるレッドカードが角田 涼太朗選手に出されましたが?)
あれがアジアの戦いのひとつの側面です。VARもありませんし。若い選手からすれば、「なんだ、あの笛は!?」と感じたかもしれませんが、それもまた良い経験になっているのではないでしょうか。

そんなアクシデントのあと、10人になっても、マリノスは慌てませんでした。ポステコグルー監督が指揮を執り始めてから、現在のマスカット監督のチームも同様に、マリノスはひとり少なくなっても、同じようにパスが回せます。ひとり減ったぐらい、なんとも思わないのでしょう。選手の立ち位置が明確にされているので、あたふたしない。また誰もがボールを受けようとし、それぞれに技術もあって、相手をかわしたり、剥がしたりすることができます。10人でも11人でも、そこは変わりませんよね。

今日のシドニー戦で特に目立ったのは、水沼(宏太)選手でしょう。本当に良かったと思います。前半から、攻守にエネルギーを発し、その奮闘はチームに活力を与え、チームメイトたちは引っ張られていました。若い選手が多いなか、彼のように、プレーや声で牽引できる選手は本当に大事です。たとえば、相手に主導権がある時は、敵の最終ラインの裏に走ってどうにかリズムを変えようとしたり、相手に激しくプレスをかけたり、頑張って戻ったり。32歳のベテラン選手が、最初から前線で走り回ってくれたら、後ろでその姿を見ている選手は感じるところがあるはずですから。

その背中を見ていたはずの18歳の山根(陸)選手も、堂々たるプレーぶりでした。これまでずっとスタメンで出ていたのかと勘違いしてしまうほど落ち着き払った所作で、アジアの大きな大会に初めて先発した18歳とは到底思えませんでした。そんな状況では普通なら足下がおぼつかなくなったり、萎縮してしまったりするところですが、彼は冷静でしたね。相手のプレッシャーもなんとも思わないようにボールを捌き、何度か引っかかることもありましたが、強い縦パスを入れようとしたり。若手にとって、ひとつの重要な試合を経験するということは、ひと月練習するのと同じか、それ以上に大きな意味を持つことがあります。そして、一気に成長できることも。彼にとって、得るものがとても大きい試合だったはずです。ACLの本大会、それも勝利以外は許されないような試合で先発し、そこでしっかりと自分のパフォーマンスを発揮できたのですから。相手もかなり激しくきていましたからね。

途中から出場した藤田(譲瑠チマ)選手もよかった。どこで受けて、どんなプレーをすべきなのか、自分の役割を理解できている選手ですね。ワンタッチが上手なので、ビルドアップの時にリズムを変えられる。スルーパスもいいです。「20歳かぁ」と、つい唸ってしまいました。マリノスの特に中盤には若いタレントがどんどん出てきていますし、彼らを積極的に抜擢する監督にも好感が持てます。

今日の試合は2巡目ということもあって、マリノスらしさが存分に出ていました。選手たちも、「これまではマリノスらしくなかったので、本来の自分たちらしさを出していきたい」と言っていましたし、明らかに変わりました。なによりもテンポがよかったし、水沼選手、西村(拓真)選手、岩田(智輝)選手をはじめ、選手個々もみんなよかったです。角田選手はセンターバックではなく、サイドバックで先発したので、やや不慣れなところがあったかもしれません。でもここで得たものは今後に生きてくるはずです。退場も気にすることはありません。

環境やピッチ、ボールにももう慣れたのでしょう。僕が現役の時は、1週間もあれば、問題なく適応できました。なによりも違う気候に慣れなければいけないので、あまり冷房を利かせすぎないようにしたり、あえて外で過ごしたりして汗腺を開かせて、汗をかいたら水分をとって、入念にストレッチをして、と。最初はひとつのスプリントで異様に呼吸が乱れるので、どんな風に息をすればいいのかを自分なりに探ってみたりもしました。今のマリノスの選手たちも、きっと慣れてきたのだと思います。

今日はマリノスらしさがすごく出ていたので、次もできると思います。ポゼッションをしながら、ラストパスの精度をもっと上げ、自分たちのスタイルをさらに追求して、それができれば今後も良い結果につながっていくはずです。この良い手応えとイメージを、出ていた選手だけでなく、出ていなかった選手も共有すべきです。出番がきたら恐れることなく、マリノスのスタイルを出せるように。

ちょっとでも怖気付いたら、マリノスのサッカーは表現できないと思います。プレッシャーを受けても、自信を持ってボールを受けて、自信を持ってパスを出し、自信を持って前に駆け上がる。それができる選手たちだし、そんなチームだからこそ、今こうしてACLに出場しているので、そんな姿に期待したいですね。環境にも慣れたし、サポーターもいるし、ご飯もおいしいはずだし(笑)。大丈夫でしょう!

横浜F・マリノス×シドニーFC|ハイライト】

[次節開催情報]
AFCチャンピオンズリーグ2022 東地区グループステージMD5
横浜F・マリノスvsホアンアイン ザライFC
2022年4月28日(木)20時00分キックオフ(日本時間)
DAZN独占配信

 

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