9月13日（土）、茨城県水戸市にて『水戸ホーリーホックCUP 2008 U-9』が開催されました。U-9カテゴリーでの本大会の開催は今回が初めて。ピッチの広さを狭くして、人数も8人制とした試合が実施されました。
「少ない人数に設定することによって、ボールに触れる機会を増やしてあげられればと願い、8人制を採用しています。U-9というカテゴリーでは、近年こういった考えがＪリーグにおいても進められています。」
水戸ホーリーホックの育成センター長として下部組織全体の運営に携わり、強化部ジュニアユース監督でもある上原陽一氏は熱く語ります。「将来を考えてどうしても11人制にこだわる指導者がなお多い中、8人制のメリットをこの大会を通じて指導者たちにも感じてもらい、それを地域に持ち帰ってもらいたい」
参加チームは水戸市内に限らず、茨城県内では鹿嶋から鹿島アントラーズサッカー教室選抜チームである「アントラーズスペシャルクラス」をはじめ、神奈川県や千葉県など日頃から交流のある他県のチームを含め全15チームが本大会に参戦、3つのブロックからなる総当たりリーグ戦形式での開催となりました。
13日の水戸市内は天候に恵まれ、絶好の大会日和。午前9時から午後4時20分までの間に1チームが4試合を戦うスケジュールです。子どもたちは走って声を出して、たくさんボールに触って、思う存分ピッチを駆け回りました。
「後半に入って2点をリードされていたときにゴールできて、1点返せたのがうれしいです。浮き球のコントロールに気をつけて、3試合目、勝ちます！」（水戸ホーリーホックジュニアの選手）
試合の合間には水分補給をしながら、他チームの戦いにも目がいきます。「アントラーズ超つよい！1対1の戦いがスゴイ！」（同選手）
「子どもたちにとっても小学3年生にあたるU-9の大会自体が少ないので、この大会はとてもいい機会になる」という、鹿島アントラーズ普及事業ジュニアコーチであり、「アントラーズスペシャルクラス」のコーチとして参加した中村幸聖氏の言葉にあるように、指導者からも大会理念への賛同の声が多く寄せられました。
「11人制でなく8人制の上、小さいコートで行えるのが大きいです」（瓜連SSSコーチ 大竹光男氏）
「ルールにしても、オフサイドやペナルティエリアの設定など独自に考慮してあり、子どもたちが楽しく伸び伸びとプレーできているという実感があります」（瓜連SSSコーチ 川崎利昭氏）
「楽しい！ 自分はゴールできなかったけど、3－1で勝ったよ！」という瓜連の女子選手の弾む声は、大人たちの願いが確実に子どもたちに届いていることを裏付けるようです。
「このチームは試合自体が初めての選手もいます。勝ち負けを競うわけではないが、大会形式を通じて、負ければ悔しいし、勝てばうれしいということを少しでも味わわせてあげられればと思います。」（水戸 強化部普及コーチ／「水戸ホーリーホックスクール」コーチ 市川正男氏）
水戸では、理念をもって昨年7月からいよいよジュニア世代の育成が本格的に開始され、その理念の実現においても、本大会は非常に意義深いものとなりました。
「サッカーがうまいだけではしょうがない。サッカーとはそもそも人間の質が問われるスポーツであるとの思いが、私自身にはあります。人の話が聞ける、挨拶ができる、そういった人間作りがしたい。それが、クラブのジュニア世代の育成というものなのではないでしょうか。そういったことを、この水戸から発信していきたいと思っています」（水戸ホーリーホック 代表取締役社長 沼田邦郎氏）
「子どもたちに楽しかったなという思い出が残れば成功だと思っています。“どうだった？”“楽しかったよ！”そういう声が返ってくる、それを、大会を運営する上で大切にしています」（水戸ホーリーホック 強化部普及コーチ 磯前義剛氏）
今後年2回の開催が予定されている本大会。水戸はこれからも、子どもたちの成長をいちばんに願い、育成現場に携わる指導者同士の交流を大切にしながら育成普及事業に取組み、サッカーの更なる普及と発展のために地域貢献していきます。
