F東京 4 - 1 神戸(15:03 味スタ)入場者数 20,840人
試合終了まで残り10分を切ったころだろうか。青く染まったFC東京のサポーター席からこんなコールが沸き起こった。「横浜負けてる!」。そしてFC東京の選手・サポーターが勝利の雄たけびを挙げていたほぼ同時刻、勝てば首位に立つはずだった横浜が名古屋の前に屈した。この結果、FC東京は首位・浦和に勝ち点2差の2位に浮上した。
「最初はみんな硬くて動きも良くなかった」(FC東京・原監督)、「立ち上がりは非常に硬い、出足が鈍い印象があった」(神戸・副島監督)と両軍の将が語ったように、FC東京は序盤なかなかリズムを掴むことができない。簡単なミスをきっかけに神戸に攻め入る隙を与えてしまうなど、嫌な時間帯が続いた。
しかし、1つのプレーがそんな呪縛を解き放つ。16分、加地のスローインを宮沢がゴール前に放り込み、最後はケリーがディフェンダーに競り勝ってゴールに押し込んだ。引いて守ってくるであろう神戸の守備を切る崩す選択肢の1つとして練習してきた、スローインからゴールを狙うプレーが見事にはまった。これで一気に流れが変わる。
「先制したことで(FC東京の)硬さがとれて、彼らの力を助長するような形になってしまった」(副島監督)。
敵将がこう悔やんだように、FC東京はこの1点でようやくらしさを取り戻した。大きな武器である右サイドの石川は厳しいマークに遭い、本来のスピード溢れる突破は影を潜めたが、アマラオがタメを作ってケリーや戸田らが前線に飛び出し、19分から21分の間にケリー、宮沢、戸田が立て続けに決定的なシュートを放ち、神戸ゴールを脅かす。
そして30分、ケリーの右サイドからの絶妙なクロスに戸田が頭で合わせてリードを広げると、その6分後には宮沢のフリーキックが直接ゴールネットを揺らし、前半だけで3得点。名古屋、鹿島と強豪に連勝して波に乗る“ゼブラ軍団”の戦意を喪失させるに十分なダメージを与えた。
ファーストステージ優勝の横浜に4対1で圧勝したと思ったら、J1残留が危うい大分を相手にスコアレスドローに終わるなど、優勝争いに顔を出しそうで出せない、言葉は悪いが“中途半端な”ポジションにいたFC東京。勝ち点で並んでいるとはいえ、東京V、横浜、磐田を得失点差で押さえて、ついに頂点に手が届くところまで駆け上がってきた。といっても、首位の浦和から9位のG大阪までが勝ち点5の中にひしめく大混戦。宮沢が「次(のガンバ戦)が問題。勝つかどうかで変わってくる」と話すように、美酒を味わうにはここからが正念場になる。
さて一方の神戸は、前日に残留争いのライバルである大分と仙台がともに負けており、今日勝てば“残留”の2文字がグッと近づくところだった。ところが、セットプレーから先制点を許すと、あとはズルズルと失点を重ねて完敗。ライバルの敗戦で気を抜いてしまったわけではないだろうが、「前半の点の取られ方はメンタルな部分が大きい」(三浦知)、「自分もチームも90分集中してやっていなかった」(土屋)と、精神面の脆さを課題に挙げる声が続いた。
史上稀に見る混戦となった優勝&残留争い。その当事者であるFC東京と神戸は目標は違えど、ともにクラブの命運をかけた戦いが続く。優勝するために必要なことはなにか?と聞かれたFC東京のベテラン三浦文は、間髪入れずに答えた。「絶対に負けたくないという気持ち」。残り3試合。ハートのこもった好ゲームを期待したい。
2003.11.10 Reported By スポマガWORLD SOCCER
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