第83回全国高校サッカー選手権大会 1回戦(開幕戦)
2004年12月30日 13:10 Kick off/国立競技場
羽黒(山形) 1 (4 PK 1) 1 城陽(京都)
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明るく華やかな開会式に参加しそこなった選手たちによる競演、開幕戦。式典を終えた残る46校の選手・監督が熱い視線をスタンドからピッチ上へ注ぐ中、開幕戦史上でも屈指の好勝負が演じられることとなった。
立ち上がりから優位に試合を運んだのは城陽(京都)だった。羽黒(山形)が「やっぱりかたかった」(本街直樹監督)のに対し、「やりたいサッカーができた」(村上昌司監督)という城陽。両者の動きは立ち上がりから好対照だった。城陽はスピードのある2トップを生かし、積極的に1対1でドリブルを仕掛けて、羽黒守備陣を押し込んでいく。城陽の最近では珍しい極端に2枚の攻撃的MFが絞ったボックス型の中盤も機能的だった。羽黒の右サイドMF高橋一成(3年)が「うざかった」と率直に振り返ったとおり、攻撃的MFの2枚が外へ開く形を基本とする羽黒は中央へのプレッシャーの掛け方があいまい。自然と数的不利となって、前半は中央で簡単に起点を作られつづけることになった。
城陽にとって幸いなことに先制点も早々に生まれた。18分、長身ボランチの北川裕輔(3年)が直接FKを右足で華麗に叩き込む。以降も全体に城陽がペースを握っていた。もともとポゼッションしてのサッカーよりも速攻に強みを見せる羽黒だけに、このリードされた展開は難しいものだった。30分過ぎから右MF高橋が右サイドで起点となっての攻撃が冴えを見せ始め、37分、38分と立て続けに決定機も生まれたが、いずれもフィニッシュが定まらず。羽黒は同点ゴールを奪えぬまま、前半を折り返した。
羽黒にとってはネガティブになりそうな状況だったが、本街監督はハーフタイムに相手の中央へ絞った中盤への対応を指示するとともに「1-0で終われたのはまだついている証拠」と激励。一気にチームを立て直す。羽黒は後半立ち上がりから猛攻を仕掛けていく。3分、7分、22分と決定機も作ったが、いずれも決まらない。対する城陽も23分に森本が決定的なシュートを放ったが、ここはGK中島弘行(3年)がファインセーブでしのぐ。追う羽黒の猛追に対して、後半30分を前に「足が動かなくなってしまった」と試合後に選手がうなだれて語ったとおり、前半のオーバーペースが祟った城陽は足が止まっていってしまう。ここで満を持して羽黒ベンチが動いた。
羽黒が用意していた駒は2枚。俊足のFWルイズ・フェルナンド(3年)と、191cmの長身を誇る本職がCBのドグラス・ピレスデソウザ(3年)である。順当な采配はルイズ投入だったが、「相手が引いていてスペースがない」と見た本街監督はこれを我慢。残り時間が15分を切った後半28分という遅い時間帯でドグラスを前線へ投入してのパワープレーという決定を下した。分かりやすい決定。羽黒の攻勢はますます強まり、城陽守備陣に消耗を強いる。後半35分、その攻勢がついに結実。城陽DFのミスを突いたブルーノが左サイドからドリブルで切り崩す。後手に回った城陽DFは後方から押し上げてきたボランチの柏倉優(3年)と逆サイドの高橋を揃ってフリーにしてしまう。ブルーノが出したマイナスのパスは柏倉を経由し、逆サイドへ。待ち受けていた高橋の右足から繰り出されたシュートは、城陽GK鶴谷啓明(3年)のニアサイドを破って、ゴールイン。土壇場の同点劇以降も羽黒が攻め立てたが、1-1のまま後半終了。決着はPK戦へ委ねられることとなった。
このPK戦で城陽ゴールを守るのは後半終了間際に投入されたGK森泰之(3年)。府予選決勝でもPK戦でチームを勝利へ導いた男はPKに絶対の自信を持っていたが、その府予選決勝のビデオを「10回は見た」という羽黒GK中島もこのPKには絶対の自信があった。読みが当たったのは城陽のPK職人ではなく、試合を通してファインセーブを連発してきた羽黒の正GKだった。城陽の1番手と3番手を完全にストップ。見事にチームを二回戦へと導いてみせた。
初出場・羽黒は見事に初戦を突破。次戦は益田と秋田商の勝者と1月2日の二回戦、柏の葉公園総合競技場で対戦する。三回戦、さらにその上も射程距離内にある。
以上
2004.12.30 Reported by 川端暁彦(エル・ゴラッソ)
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