仙台カップ国際サッカーユース大会2005
●9月15日(木)16:00キックオフ/仙台スタジアム
U-18日本代表 3-0 U-18クロアチア代表
得点者:22'梅崎司、23'山本真希、27'森本貴幸
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今のU-18日本代表が目指すものは単純明快だ。彼等にとって、この仙台カップは仮想AFCユース選手権の予選。
「クロアチア戦を仮想チャイニーズ・タイペイ戦、ブラジル戦を仮想北朝鮮戦と、AFCユース予選にみたてて、勝ちにこだわっていきたい」(吉田監督)
3-0で勝利をモノにした初戦クロアチア戦。完勝と思われるスコアではあるが、まだまだ得点にこだわれる。なにより仮想チャイニーズ・タイペイ戦なのであれば、もっと圧倒して勝つ必要がある。そんな印象を持たせる一戦となった。
一昨日13日に、来日したばかりのクロアチア代表。日本と同じく07年のFIFAワールドユース選手権出場を目指して、ヨーロッパ選手権の予選を勝ち抜くための強化という意味合いを持ってこの大会に参加している。
しかしながら「24時間かけて日本まで来て、更には湿気で体が重くなっている。そして国内1部リーグに所属するこのチームの主力4人(GK×1、MF×1、FW×2)を所属チームが出してくれなかったためここにつれて来れなかった」と試合後イワン・グルナ監督が明かしたとおり、動きは重く、前半は全くプレスもかからない状態。どうにも精彩を欠く戦いぶりを見せた。
一方、日本は「ラッキーな試合でした」と吉田監督が振り返るとおり、そのクロアチアが動けない前半に3点を叩き込む。ただクロアチアが動けるようになった後半は、3点を先制したことに起因する甘さもあるのだろうか、1点も取ることが出来ずに終わった。この甘さが「ラッキー」と振り返らざるを得ない要因となり、前半終了時と同スコアで試合を終えた。
U-18日本代表はこの試合、通常通り4-4-2の布陣で入った。
GK:秋元陽太(横浜FMユース)
DF:(右から)内田篤人(清水東高)、槙野智章(広島ユース)、青山隼(名古屋)、安田理大(G大阪ユース)
MF:(右からボックスの形で)山本真希(CAP/清水ユース)、柳澤隼(柏ユースU-18)、柏木陽介(広島ユース)、梅崎司(大分)
FW:ハーフナー マイク(横浜FMユース)、森本貴幸(東京V)
今回は福元洋平(大分U-18)がチーム事情で不参加ということもあり、センターバックに通常ディフェンシブな役割のボランチをつとめる青山を下げる。そして「仮想チャイニーズ・タイペイということでより攻撃的に」(吉田監督)という意図の下、柳澤、柏木という2枚の攻撃的MFをボランチに置く。
さらに今大会、柳澤をはじめ選手たちが「ボールも持てるし、最後まで行けるし、彼が入ったことが大きい」と信頼を寄せる山本が右サイドに入る。これにドリブル突破を得意とする梅崎が左サイドに入り、流動的な中盤を前半は構成した。特に「自分達でバランスを取れと言われた」という2枚のボランチ、柏木と柳澤が機をみて自在にポジションを変え、8月のSBSカップとはまた違った攻撃を見せた。これは「SBSカップでうまくいかなかった反省を踏まえてのこと」と吉田監督。練習でも「ビルドアップの際はボランチを使う、FWも使うがダメならボランチを使いつつ組み立てる」ことを繰り返し、この日の前半は練習通りにいったのだという。
1点目は22分、槙野がインターセプトしたボールを梅崎が中央で運び約25メートルのミドルシュート。これも「中に絞る動きを意識したし、練習があったから決められた」と本人が振り返る形。
2点目はその直後の23分、梅崎が運びハーフナーから柳澤、山本とつなぎ、最後は森本が落としたところを山本が左足ワンタッチで決めるという美しい流れの中からのゴール。ただ、この2得点は相手GKの動きの悪さに助けられた感もある。
そして続けざまの3点目は27分。森本のゴールが生まれる。これも柏木、ハーフナー、柳澤とゴール前でつないだボールをゴールエリア内左で受けた森本がDFとの1対1でフェイントを織りまぜ、角度のないところから一瞬の隙を突き逆サイドに突き刺した。
まさにゴールショーとなった20分台だが、試合中の見せ場はここで終わる。後半は「出足が遅れ、後手に回った」と吉田監督。。そう見るや否や、疲れの見える中盤やサイドバックから選手を代えはじめ、終わってみれば7人の交代枠を使い切った。シュートも後半はわずか1本。いかに緩んだかがうかがえる。
前半は面白さを見せた攻撃的なダブルボランチも、相手ペースになりはじめるとディフェンス面のもろさを見せるのも事実だ。「もう1点取れば相手は終わったのに…」と試合後に柳澤は振り返ったが、本番のAFCユース選手権予選であれば、それも必要だ。
クロアチア戦で、攻撃的に戦うであろうチャイニーズ・タイペイ戦での戦い方を確認できたとは言えるだろう。ただ、ダブルボランチの守備力も含め、11月に向けての修正点も見えた。
印象的だったのは、森本のゴール後の笑顔。ゴールのうれしさだけでなく、ホッとしたような、なんとも言えない表情を見せた。森本にとっては、3月19日のヤマザキナビスコカップ 対川崎F戦以来となる待望の得点。
ひとつ上のカテゴリーで6月にFIFAワールドユース選手権オランダ大会を経験するも出場時間も短く、これといって輝きを見せることも出来なかった。ここのところはJリーグでも出場機会を失いつつある。それでも上のカテゴリーも知るだけに、どんなモチベーションでこのチームに参加しているのか気になってはいた。しかし「この合宿ではあたまから参加できて、色々な話をみんなとできていることが大きい」と、自分はオプションではなくチームの一員としての自覚をもって参加していることがうかがえる発言をしている。それだけに、このゴールは彼にとっても貴重なはずだ。この27分の得点後は立て続けにゴールに向かった。決まりこそしなかったが久々に積極的な姿勢を見せ、FWにとってゴールの持つ意味も感じさせた。
バスに乗り込む間際「久々のゴールだったね」と声をかけると「ハイ!」と答えが返ってくる。そんな当たり前すぎるやりとりも笑顔で、何か支えの取れた空気をまとっていた。
このU-18日本代表チームについて、練習試合で対戦したFIFAワールドユース選手権オランダ大会のメンバーの一人が「森本の良さが出れば、強いチームになるんじゃない?」と話していたことがある。ささやかだけれど、その兆しが見えた1試合であれば…と思う。
さて、仙台カップは中1日を挟んで、迎えるはブラジル戦。ブラジルイレブンは、初日の15日、13:30からの対東北代表戦を終え、16時からの日本代表対クロアチア代表の試合を食い入るように見入っていた。
仮想北朝鮮戦となるブラジル戦は、タイトな戦いが予想される。攻撃的だったクロアチア戦の中盤とはまた違ったメンバーとなるだろう。
「勝ちにいく」
選手、監督のその言葉を信じたい。
以上
2005.09.16 Reported by 了戒美子
J’s GOALニュース
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