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【アテネ五輪なでしこジャパン 現地レポート】なでしこたちの戦いが幕を閉じた今・・・(04.08.22)

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「悔しい・・・」
なでしこジャパンのオリンピックはこの言葉で幕を閉じることとなった。

いよいよベスト4をかけて戦ったアメリカとの準々決勝。この日のミーティングでも「モチベーションビデオ」を見た。自分たちのメキシコとのプレーオフに始まり、W杯、北朝鮮を破ったオリンピック予選、そして、今回はそこに新たにスウェーデン戦が加えられた。

相手は強豪、自分たちがずっと「勝ちたい」と目指してきた、アメリカ。先制され、後半立ち上がりに山本選手のFKで一度は追いついく。そして後半14分、前日の練習から決めていた「オフサイドトラップ」。ちょうどいい位置からのFK、「今だ」という判断。線審のフラッグはあげられることなくトライした自分たちの戦術により失点してしまう。2-1となりそのまま試合終了のホイッスルの音を聞くことと鳴ってしまった。

「終わってしまうのが怖い」と下小鶴選手は泣きじゃくった。その下小鶴選手の頭を抱きかかえて慰める小野寺選手。しばらく呆然として涙すらでない沢選手・・・ベンチに戻りながら一気に涙を流し始めた。そして「私の涙はここまでだ・・」最後の交代カードが切られた後、試合中ベンチでずっと泣いていた小林選手は涙を止めた。

選手たちはいつものとおり、自分たちでベンチのまわりの荷物を持って片付け始めた。大舞台であってもいつもと変わらない。痛み止めを打って強行出場した宮本選手はたくさんのボールが入ったネットを、山本選手は氷入りのバケツを手にする。小野寺選手、大部選手、小林選手がピッチのまわりに置かれたペットボトルを集める・・・スタジアムの雰囲気をかみしめながら。

試合終了直後のTVインタビューを終えた山本選手がこちらに歩いてきた。目からは大粒の涙が流れ、手にはいつもの氷入りのバケツ。弱々しく握手をしたその小さな手は涙で濡れている。「悔しい。もっと…、もっと…」涙で言葉にならない。「もっと出来た気がする」と更に涙があふれ出た。

試合後、選手たちはこの2年間を振り返り「上田さんだからここまでやってこれた。上田さんじゃなければここまでやってこれなかったと思う」こう話した。「大会中もずっと言うことは変わらず、北朝鮮戦の時からいつも通りのことを言って、同じことをやって、どんな時でも筋が通っていた。そのおかげでチームもひとつにまとまった」と下小鶴選手、「上田監督が来て1からチーム作りをはじめた。その中でだんだんチームができていく、そういう実感があった。感謝しています」と宮本選手。そして「上田さんだからついていこうって思った」と沢選手。

「自分自身も勉強になりました。打てば響く選手たちで本当にいい選手たちです。手のかからない選手です。大きな舞台で選手たちが落ち着いてるのを見て、自分も落ち着けた。なんか育てられたみたい。やっぱり女性は強いですよ。腹据わっているところあると思いますよ。なでしこジャパンの選手らしい選手たちです」と上田監督。「女心?そんなのわかりません」と笑顔を見せた。

なでしこジャパンの魅力は、こうしたお互いの信頼関係から生まれてきているもの。

試合後、サポーターから「上田ジャパン」コールが起こった。上田監督はベンチでは涙を見せなかった。「日本に帰ったら酒を飲みながら泣かせてやりますよ」とこの大会に応援にかけつけていた高校時代の先輩がその様子を見守る。

「“なでしこジャパン”らしい戦いが出来ました」と上田監督は締めくくった。

幕を閉じた「なでしこジャパン」のオリンピック。彼女たちは日本の女子サッカーに新たな歴史を刻んだ。初めての自らの力で予選を勝ち抜き手にしたオリンピックへの出場権、そしてオリンピックでの初勝利、スウェーデンへの初勝利、初めてのベスト8進出・・・。そして何より彼女たちの戦いぶりは多くの人の胸に強く響いた。

大きな仕事を2年間にわたってやり続けてきた選手たち…気持ちを切り替えるには少し時間を必要とするだろう。「気持ちの切り替え・・・」としばらく遠くを見つめる川上選手。「じゃぁ、今何がしたい?」と聞くと、「なんか私、やっぱり練習がしたい」と、まっすぐこちらを見た。

前回のW杯で得た課題とその悔しさを、今日の強さにつなげたなでしこジャパン。この悔しさを胸に次はどこに向かって歩んでいくのか…、見ていたい。表彰台で笑顔を輝かせるなでしこを見る日を楽しみに・・・。

以上

2004.08.22 Reported by 日々野真理



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