19位の富山がホーム初勝利を目指す一戦。8位の大分は3試合ぶりの白星を狙う。27日から始まるゴールデンウイークの4連戦に向け、どちらも勝って弾みをつけたい。
富山は前節、0−1で山形に屈して2連敗。今季42試合の約5分の1となる8試合を終えてまだ1勝(2分5敗)と苦しんでいる。しかし、勝てないからといってチームが歩みを止めているわけではない。今週は攻撃のトレーニングに多くの時間を割き、テーマである得点力アップのための取り組みを次の段階に進めつつある。
キャンプからこれまでは、ビルドアップの第一段階であるDFラインからサイドにボールを付けるまでのパスワークを重点的に鍛えてきた。「ボールを動かしながら攻めることができている。選手たちの進歩が思っていた以上に早い」と安間貴義監督。成果はシュート数の増加に表れており、総シュート数94本は甲府、湘南に次ぎリーグ3番目に多い。予定を繰り上げ、強化ポイントをよりゴールに近い位置でのプレーへと移すことにした。今週はサイドをショートパスで打開し、ペナルティーエリア近くに攻撃の起点をつくる練習を行った。今季はミドルシュートが多いのが特長。山形戦もそうだった。MFソ・ヨンドクは「ミドルを狙うことでできるDF裏のスペースを使えるようにしたい」と話す。エリア内へ押し入るパターンを磨くことで、攻撃はさらに力強く多彩なものになるだろう。
一方の守備面では、イージーミスやセットプレーなどからのあっけない失点が目立っている。MF大西容平は「選手全員が集中してプレーしている。それでも結局は失点しているという結果を受け止め、意識してプレーしていくしかない。チームが良くなっているのは試合でも感じる。ぶれることなくやっていく」と話した。一つひとつの失点の原因については試合のたびに突き詰めて反省し、再発防止を図っている。安間監督は「現在と同じように負傷者が多かった昨春とは試合内容が雲泥の差で、チームの成長を感じる。だがまだ成功とは言えない。勝って成功へと持っていく」。プロセスの正しさを示すためにも、今季2勝目をつかみ取りたい。
大分はすでに4勝(1分3敗)を挙げ、プレーオフ進出圏内に近い好位につけている。最近2試合は無得点だが、引き分けた前節・徳島戦では田坂和昭監督が「今季8試合の中で一番選手は走ったし、戦う気持ちを出した」と語っている。ゲーム内容も上向いているようだ。前節は今季初先発のFW高松大樹を中心に活気ある攻撃を展開した。「高松君はゴール前で怖い選手だが、サイドでも起点になっていた。高松君と走り込んでくる選手との両方をしっかりマークしなければいけない」(安間監督)と富山は警戒を強めている。
両チームとも全員攻撃・全員守備のアグレッシブなスタイルが持ち味。ともにチャンスもピンチもあるエキサイティングな試合になる可能性は高い。昨季は2戦とも富山が試合終了直前に決勝点を挙げて劇的な勝利を飾った。しかし一方の大分も今季は総得点11のうち10点を後半に挙げており接戦は望むところだ。富山はFW平野甲斐、大分はFW木島悠という終盤の切り札を擁し、終了の笛が鳴るまで目の離せない好ゲームが期待できる。
以上
2012.04.21 Reported by 赤壁逸朗
J’s GOALニュース
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