6月26日(土) 2004 J1リーグ戦 1stステージ 第15節
市原 1 - 1 清水 (15:01/市原) 入場者数 7,022人
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○アントニーニョ監督(清水):
「非常に暑い中、デッドヒートが繰り広げられた激しい戦いだったと思います。自分たちにも2回決定的なチャンスがあったし、市原にもチャンスがあった。この引き分けという結果は妥当だったと思います。市原は去年もそうだったし、今シーズンも立ち上がりから非常に素晴らしいサッカーをされている、波のないチームだと思うが、今日もそのとおりだった。それと比較してうちのチームはいい時と悪い時がはっきり分かれてしまった。ナビスコカップでは市原とは1勝1敗。今日、雌雄を決しようと思ったが、引き分け。今日の試合を見る限り、清水もだんだん安定してきたかなと思います」
−ファーストステージを振り返っての感想をお願いします。
「以前の公式記者会見で違う質問にまったく同じ答えをしたことがありますが、うちのチームは強いチームに勝ったり引き分けたりしながら、弱いチームに負けてしまったりすることがあります。実際、ホームゲームのC大阪戦と大分戦は先制して、勝ちを手中にしたかと思った試合で負けてしまった。その勝ち点6があれば、勝ち点21で中位の位置にいたのだが、そういったところの甘さがあったのかなと思います。実際、強いチームと弱いチームと当たるときの意気込みの差が出てしまったのではないかと思います。しかし、その点についてはここしばらくのサッカーを見ていると、修正できてきていると思います。
15試合を振り返ってみて、実際、相手にずっと支配されて負けたゲームというのは、G大阪と神戸との対戦だけだったと思う。あとは負けても、うちが先制していて、ひっくり返されて逆転負けというゲームでした。確かに、今後強いチームになろうと思ったら、そのときと同じ轍を踏まない、わずか1分か2分の間に2失点もするようなチームになってはいけないと思います」
−(辞任が発表されて)半年間、お疲れ様でした。辞任の理由について教えてください。
「本来ならば、そういう質問をされる前に、自分からご報告すべきだったのだが、遅れてしまって申し訳ありません。実際、非常に悩んで、こういう結論に達したのですが、家庭の問題で、先月母親を亡くして、母親同様に父親ももう90代であまり余命がないということで、私の妻の希望でブラジルに帰って最後を看取ってあげたい、看病してあげたいという希望がありました。それから、ファーストステージは非常にハードな試合が続いて、精神的にも疲れてしまったというのが真実です。記者の皆さんには常に自分に優しく接してくださったし、賢く聡明な質問をいつもしてくださって、本当に自分はそのことについて嬉しく思っていました。そのほかにこの場を借りて、うちのチームの早川社長はじめほかの皆さんにも感謝したいと思います。サッカーの世界には必ず出会いがあって、別れがある。人生の縮図のようなところがあります。今回は自分がこうして日本を去ることになりました。実際、これが日本での2回目の監督就任で、2回目のお別れになります。サッカーの世界ではまたどこで皆さんにお会いすることになるかわかりませんから、もう一度お会いして皆さんとお仕事をするかもしれません。今後ともよろしくお願いします。これはつまらない話になるかもしれませんが、自分は市原の監督のオシム監督に非常にシンパシーを感じていました。私たちはJリーグの中でも、一番、二番の年齢が高いおじさん監督ということで、言葉は通じないのですが、よく抱擁して心が通じ合うということを感じていました。初めて彼と会ったのは、今年のJリーグの監督の会合でした。それから会うたびにニコニコしながら、ひとつかふたつ言葉をかわしていました。私がいなくなるので、これからJリーグで一番お爺さんの監督はオシム監督になりますから、今後とも皆さんはオシム監督を盛り上げてください。ここで皆さんに誤解しないでいただきたいのは、外見と中身は違うということです。運転免許証などには年齢は60いくつと自分たちは書いてあるけれど、精神年齢は僕も彼も20代ですので、そのところは誤解しないでください」
−精神的に疲れたという理由として、シーズン途中から石崎コーチとの合議制で練習などをやっていたことでストレスを感じるということがあったのでしょうか。
「そういったことはまったくありませんでした。やはりそれよりも、開幕からの2、3戦目は自分たちのサッカーができなかった。なおかつ、期待をかけていたブラジル人選手たちが機能しなかったということは、自分にとって非常にストレスが溜まるものだったと思います。実際、ふたりのブラジル人選手はなかなか試合で使うことができませんでしたし、アラウージョも日本に慣れるまで時間がかかりました。そのあとにチームは安定したが、勝ったり負けたりの繰り返しだったので、そうしたことで少しずつ疲れてきたというのが実情です」
−チームはまだ状態がよくないが、チームのためにこうしたほうがいいという提言があれば、教えてください。
「ここ最近になってチームが安定してきた感じがするのですが、それは選手層が制限されているわけではなくて、やはり若手の選手たちが成長してきたので、彼らに任せてもいい仕事ができるという自信が彼らにみなぎったからだと思います。それからもうひとつ、ここ何試合かベテランの選手を投入したときに、彼らが頑張ってくれました。やはり、いまはみんなが見栄や慢心というようなことを捨てて、清水のために頑張ってくれているという気持ちが自分にはよく見えています。実際、さっきもお話したように強いチームに勝って弱いチームに負けるというのは、やはり精神面が弱いとか最後の詰めが甘いといったこともありますが、一番大きな原因は自分たちが脇役でいいやとか、ただ参加しているチームでいいやというような気持ちを捨てて、自分たちも優勝争いに乗り込むことできるチーム、そういう力を持っているチームだという自信を持つということです。それだけの力をうちのチームは持っていると自分は信じています。サッカーのチームは今日いい練習をしたから、いきなり強くなるということは無理です。だから、毎日毎日地道に練習を積み重ねて、自分たちの力をどんどん伸ばしていかないといけないと思います。清水はこのまま脇役のままでいるつもりなのか、それと主役に踊り出なければならないのか、そういった気持ちを選手たちにもう一度問いかけなければいけないと思います。今しかやるときはないのだということを言いたいです」
−横浜FMが優勝しましたが、一言お願いします。
「これはブラジルの格言なのですが、『海で遭難したときに、泳いで泳いで一生懸命頑張ってようやく浜に着いたと思ったら、それに気づかずに溺れて死んでしまった』というのがあります。最後まで気を抜かない、最後まで自分の目的地をしっかり見据えていくということが大事だと思います。磐田の場合は、優勝への最短距離にいたわけですが、一瞬の隙から敗戦を喫してしまったりして、そのわずかな勝ち点の差で横浜FMに抜かれてしまいました。反対に横浜FMの場合は、磐田の後塵を拝していたわけですが、そこであきらめずに最後まで辛抱して、最後に磐田を抜いてしまいました。しかし、磐田も横浜FMも日本を代表する2大クラブであることは間違いありません。もうちょっとおしゃべりを許していただけるなら、ここでひとつ自分が誇りに思うことがあります。実際、磐田を優勝から引きずり下ろしたのは私たち清水だと思っています。
(最後に席を立つ前に)皆さんに感謝の言葉を残して、……ちょっと今感動してしまって、泣いてしまっていますが、いつも試合のあとの記者会見にくるたびに皆さんに温かく迎えていただいて、皆さんの質問はいつも的を得ていました。ですから、今後の皆さんのプロフェッショナリズム、キャリアが成功するように。ここで約束したいのは、自分はもう年寄りですが、もう一度日本に戻ってくるつもりがありますから、そのときにはまた笑顔でお会いしましょう。皆さんの成功をお祈りしています。どうもありがとうございました。また会いましょう」
以上
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