8月15日(水)20:30(日本時間15日26:30)キックオフ/ボロス パンテサリコ競技場
アテネ五輪 グループリーグ・Bグループ第2戦
日本 2 - 3 イタリア
得点者:
3' de ROSSI(ITA)
8' GILARDINO(ITA)
20' 阿部勇樹(JPN)
36' GILARDINO(ITA)
91' 高松大樹(JPN)
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試合後に肩を震わせ大久保が泣いていた。選手の輪から一人離れ、悔しさに身を震わせながら。今日の試合ではゴールこそなかったが、彼らしい力強いドリブル突破、積極的なDFラインの裏への飛び出しも見られ「自分のプレーとしては思い通りドリブルも出来たし、相手のプレスも弱かったからイタリアの強さはそんなに感じなかった。」大久保はそう振り返る。
「決めるところで決めることが出来るか出来ないかの差」(那須選手)これがイタリアと日本の大きな違いだった。何度となく決定的なチャンスはあった。しかし、日本は2度ゴールネットを揺らし、イタリア相手に最後の最後まで詰め寄るも、前半の3失点が重くのしかかり、2-3で決勝トーナメント進出を逃すことになった。
イタリア相手に、日本はいつもの3バックから4バックに変更。闘莉王・茂庭をセンターバックに置き、サイドバックには左に駒野・右に徳永。中盤は今野・阿部のボランチに小野が前目に構える。そして攻撃陣は、高松をトップに据え、その後ろに松井・大久保が左右に開いて展開するフォーメーションを山本監督は敷いてきた。
ジラルディーノの1トップを意識して敷かれた日本の4バックだったが、左サイドに頻繁に顔を出すモレッティに何度もディフェンスラインを脅かされる。そして前半3分、そのモレッティからのボールを11番スクッリがクロス。それを6番デ・ロッシが見事なオーバーヘッドで押し込み、先制点を許す。その後、日本も反撃に転じたが、リズムを掴み始めた矢先、今度はイタリアディフェンダーからのクリアーボールが9番の足下へ。エース・ジラルディーノが吸い付くような美しいトラップでボールを受けると、ゴール前で茂庭をかわし、落ち着いてゴールを決めた。0-2。前半立ち上がりで早くも2点を追いかける形となった。
早い時間帯での失点。このいやな流れを何とか断ち切りたい日本だが、逆に2点をリードしたイタリアは落ち着きが出て、日本はなかなかフィニッシュまで持ち込めない。そうこうしているうちに、前半18分、徳永が負傷してしまう。山本監督は、那須を投入。4バックは変わらず、那須が左に入り、駒野が右に移動した。「次の試合はミスを帳消しにするぐらい活躍したい」と語っていた那須だが、彼が入ってから徐々にDFラインに落ち着きが戻り始めた。
流れが日本に傾き始める。そして、遂に待望の瞬間が訪れた。高松が左ペナルティエリア付近でファウルを誘いFKを得ると、キッカーは阿部。彼の蹴ったボールは見事な流線型を描きゴールネットに吸い込まれていった。「最初からあそこに蹴ろうと思っていた。蹴った瞬間入ったと思った」(阿部選手)。狙いどおりのFKだった。
この瞬間、消沈していた日の丸サポーターが一気に盛り上がる。その勢いに乗るかのように、今度は大久保が、阿部がイタリアゴールに迫る。だが、なかなか次の1点を取ることができない。チャンスをものに出来ない日本に対し、イタリアは左サイドをまたもやモレッティが突破。ゴール前にクロスをあげると、9番ジラルディーノが後ろに下がりながらの難しいボールだったが、きれいに頭で合わせ3点目を挙げる。パラグアイ戦同様1-3で前半を折り返した。
決勝トーナメント進出のためには絶対に負けられない一戦。後半日本は巻き返しをかけて、田中達也を投入した。そして後半開始45秒、いきなりチャンスが訪れる。松井がドリブルで駆け上がり、GKと1対1に。誰もが前のめりになりゴールの瞬間を期待したが、シュートを躊躇した瞬間、相手ディフェンダーが後ろから追いつき、クリアされてしまう。幸先のいいスタートに、このまま一気に追い上げることが出来るかと思われたが、その後両チームとも膠着状態が続き、なかなか前線にいい形でボールが入らない。そこで後半31分、松井に代え、森崎を投入。日本は3枚目のカードをきり最後の勝負に出る。
そして後半35分、大久保が相手DFの激しいプレスを跳ね除け左サイドをドリブル突破、折り返したボールに田中達也が飛び込みシュート。しかし、GKがかろうじてはじきゴールにはならない。大久保の気迫のこもったドリブルと田中達也の豪快なシュートは、チームをさらに盛り立てる。しかし、時間は刻々と過ぎ、遂にロスタイムに突入した。ロスタイムは3分。まだまだ逆転の可能性はある。
諦めずにゴールを狙い続ける選手たち。サポーターも祈るように声援を送り続ける。そして想いは形となった。後半ロスタイム、阿部のFKを高松が押し込み土壇場で1点差。GKと高松とが衝突し、一瞬ゴール前は騒然とするが、「とにかくあと1点」という気持ちから直ぐにプレー続行となる。ギリギリでの得点にスタジアムのボルテージも最高潮となるが、パンテサリコスタジアムには無常にも試合終了のホイッスルが響き、決勝トーナメントへの望みをかけた戦いは2-3で幕を閉じた。
ピッチに倒れこむ選手たち。立ったまま肩を震わせる大久保・高松の姿。あともう何分か残っていれば…それほど最後の追い上げは物凄いものであった。「今までは尻をたたいて戦えといい続けてきたが、今日はその必要はないくらい、選手自身が苦しい状況を諦めずに最後まで戦ってくれた。その成長を評価したい」(山本監督)
結果は残念なものとなってしまったが、成長した姿をしっかりと見せてくれたU-23日本代表。「アテネ経由でドイツへ。これからが大事な2年間。その先にあるドイツに向けてこの経験をつなげて欲しい」(山本監督)オリンピックはあと一戦のみとなってしまったが、選手はさらに先の目標を見据えて走り始めている。
以上
2004.08.16 Reported by 柴田愛子
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