第83回全国高校サッカー選手権大会 1回戦(開幕戦)
2004年12月30日 13:10 Kick off/国立競技場
羽黒(山形) − 城陽(京都)
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今年の選手権のテーマは「夢」なのだそうだ。そういう意味で開会式は大会に臨むチーム、選手のどちらも「夢破れていない」唯一の舞台ということになる。開会式というと、格式ばったつまらないものを想像しがちだが、選手権の開会式はそうつまらないものではない。
大会テーマソングを歌うw-inds.のライブにまったく興味なくても問題なし(興味があればもちろんそれはそれでOKだ)。入場してくる選手たちを眺めているだけでそれなりに楽しいのだ。国見の一糸乱れぬ行進や、愛媛代表の「みかん」、徳島代表の「阿波踊り」などの名物披露(?)はもちろん、一発ギャグに走るチームもいるので、それなりに楽しめる。何より48校が一斉にピッチを横断する様は圧巻。挨拶などの行事もそれほど長くなく、うまくまとまっているので安心だ。選手権は見るけど開会式を見たことがないという方は一度足を運んでみてはいかがだろうか。
さて、この開会式の後に実施されるのが「開幕戦」だ。開幕戦は1999年の第78回大会以来実施されてきており、今大会で6回目を数える。当初は東京B代表の試合が組まれたが、79回大会では「前年度優勝校枠」で市立船橋が出場し、この開幕戦を飾った。ただ、予選を戦わずに本大会へ出場できるこの特別シード制は非常に評判が悪く、以降の大会では実施されなくなった。80回大会では再び東京B代表がエントリーされる方式となったが、81回大会以降は一回戦のカード決定後、抽選で開幕戦を決定する現在の方式となっている。
歴代開幕戦を見ていっても、特にこれといって顕著な傾向はない。ただ、ひとつ言えるのは開幕戦を戦うチームは日程的に優位にあるにもかかわらず、軒並み早期敗退している点だろう。80回大会・東福岡のベスト8を例外として、78回大会の國學院久我山、79回大会の市立船橋、81回大会の水橋、82回大会の仙台育英はいずれも2回戦で敗退している。今大会で開幕戦に臨む羽黒(山形)と城陽(京都)にはそのジンクスの打破を期待したいところだ。また、選手権の初戦は必ず「東西対決」となっているが、そういう視点で見る場合、これまた東福岡を例外として、すべて「東」が勝っている。
「東」の代表として開幕戦を迎える羽黒は今回が初出場となる。常連の山形中央との死闘を経て選手権への切符をつかんできた。チームの指揮を執るのは市原、山形でプレーした経験を持つ本街直樹。「個」を前面に押し出す東北では珍しいタイプのチームを選手権へ向けて作ってきた。チームは湘南ベルマーレのジュニアユースからやって来たGK中島弘行、DF志村優、FW加賀晶彦という3人の2年生に、「CFZ」というジーコ日本代表監督のクラブからやって来た4人のブラジル人留学生、そして地元・山形の選手を加えて構成されている。50m5秒6という超俊足FWのルイズ・フェルナンド(3年)と、技巧的なレフティーの加賀が組む2トップは強力。FW登録ながらMFでの出場が有力なブルーノ・カルバリョ(3年)、懐深く、的確な展開を見せるMFマーロン・シルベイラ(2年)、191cmの長身で空中戦に破格の強さを見せるDFドグラス・ピレス・デ・ソウザ(1年)というほかのブラジル選手も個性豊か。外国人枠の関係で同時出場は無理だが、まだ来日していなかったドグラスを除いた3人をうまく組み合わせながら戦った高校総体(インターハイ)では優勝候補と見られた宮崎の鵬翔を破ってベスト16まで進むなど、高いポテンシャルを持ったチームである。この開幕戦を乗り切れば、一気に波に乗る可能性もある。
「西」の代表は10年ぶり2回目の出場となる府立城陽。今年は「洛北」という大きな壁に全国への道を阻まれつづけてきたが、府予選準決勝で見事にこれを撃破。決勝では洛南を1-1からのPK戦で死闘の末に下し、ついに全国切符を手にした。今年のチームにとって全国は初舞台となるが、それだけに一回戦の相手が初出場の羽黒だったのは好都合だろう。近畿大会でベスト4に進出するなど、力のあるチームではある。高岡祐基(3年)、北川裕輔(3年)という、ともに180cmを越えるダブルボランチを中心に中盤から厳しいディフェンスを敷いて相手を抑え込む。バックラインも小柄だが粘り強いDF三矢広樹(3年)を中心にまとまりがあってなかなか崩れない。実に嫌らしいチームに仕上がっている。羽黒と城陽はスタイルは違えど、どちらも速攻を得手とする点は同じ。個々の能力では羽黒に劣るのは否めないが、組織の完成度という意味では最初から「組織」重視のサッカーを意図していない羽黒とは比べるまでもない。自慢の組織で羽黒の個々を孤立させ、FW橋爪啓(3年)を中心とした攻勢から得点を狙っていきたい。
以上
2004.12.29 Reported by 川端暁彦(エル・ゴラッソ)
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