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【U-20日本代表 新潟キャンプレポート】本番10日前!国内最終合宿を打ち上げ、いざオランダへ!(05.06.01)

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森本貴幸(東京V)が少しふざけた笑顔をキリッとただして、珍しくまじめに切り出した。
「アジアユース(AFCユース選手権)に出て、経験して、日本を代表して戦うことの面白さを知った。だから、ワールドユースのメンバーに選ばれて、また日本を代表して戦えることに面白さと、責任を感じている」。

アジアユース前、今回と同じように新潟県・十日町で行われた最終合宿で、「アジアユースは、自分にとってワールドカップ予選のようなもの」と、大人の反応を楽しむようにニヤリと言った森本。当時16歳の彼が、どれほどの実感を伴って発言したのか、今となってはわからない。ただ、彼にとってもチームにとっても、あのアジアユースがあるからこのワールドユースがあることだけは確かだ。


5月29日、つまりワールドユース初戦・6月10日の11日前、U-20日本代表は国内最終の合宿を打ち上げた。この合宿でのトレーニングを整理してみる。

◆5月24日:
 チリ戦 @豊田スタジアム(△1-1)
◆5月25日:
 控え組は新潟サテライト戦
 前日出場組はクールダウン
◆5月26日:
 午前 フルコートで6対6など
 午後 サーキットトレーニング(走り、ドリブル)
◆5月27日:
 午前 シュート練習
 午後 ゲーム(29人で最後の練習)
◆5月28日:
 午前 対人あり
◆5月29日:
 午前 縦長のピッチでサイドを変えてゴール前の練習+9対9中盤の練習
 午後 11対11(助っ人アリ)
◆5月30日:
 午前 6分間走+シュート練習(中に当てて落として、サイドに開いてボランチを含めた4枚が飛び込む)など
 午後 フィジカルサーキット(筋トレ系、ダッシュなど)
◆5月31日:
 ゲーム形式(フリータッチ1本・2タッチ1本)+300メートル×7本

この合宿ではフィジカル強化をテーマに、これ以上ないほど体をいじめ抜いた。「もう、見ている我々が辛くてイヤになりますよ」とテクニカルスタッフに告げると「そうでしょうねえ」と応じる。そんなトレーニングが毎日続いた。

6月1日は一旦各自のチームに戻り、2日にU-20日本代表として再集合。成田市内で練習を行う。3日は丸1日、オランダへの移動日。現地でトレーニングできるのは4日から9日までの6日間しかない。
「もう、こんなには追い込みませんよ」。
笑いながら大熊監督は話した。もうフィジカルの追い込みは終わり。あとは現地の6日で「芝の確認と4バックの微調整」(増嶋)をするのみだ。

合宿期間中の5月28日には、ワールドユースへの最終登録メンバーの発表も行われた。選ばれた選手は十日町市に残り、そうでない選手は所属チームへ帰っていった。指揮官が選手たちにメンバーを発表した際、選ばれた選手にもそうでない選手にも語った言葉はこうだった。
「この日を忘れないで、これからのサッカー人生を送ってほしい」。

メンバー発表前後、選手たちはさまざまな表情を見せた。
右足かかとの負傷のため、27日の午前中まで別メニューに取り組んでいた増嶋竜也(F東京)も「発表前に一度は合流しておきたい」と午後の紅白戦には参加した。そこには余裕などなかった。
その紅白戦の際、主力組を意味するビブスが配られた本田圭佑(名古屋)。「やっぱりうれしいです、正直」。周囲から当確に見えるかどうか、は本人には関係ない。
「当確、って周りに言われると思うけど、自分ではどう思う?」と記者陣に聞かれ「俺、当確なんスか? そんなこと言われてないけど」と返した平山相太(筑波大)。
1月のカタール国際遠征でボランチとして安定感を見せるも、その後3月に負傷した吉弘充志(広島)。04年は代表にコンスタントに招集されていた彼も、今回のメンバー入りには「ほっとした、ではなくうれしい」と笑顔を見せた。
「ワールドユースのために手術したようなもの」。昨年12月に左ひざを手術し長期離脱の末、最終的にワールドユースのメンバーに選考された梶山陽平(F東京)。彼は新潟キャンプでもまだ全体練習にフルメニューの参加はない。
4月17日からの代表合宿で初招集された伊野波雅彦(阪南大)。宮崎県出身の彼は、高校選手権で注目を集めた増田誓志、興梠慎三(以上、鹿島)と同郷。県選抜などで共に戦ってきた仲だ。高校卒業後プロ入りし、現在首位を独走する鹿島でレギュラー争いを演じる彼等ではなく、わずか1か月前まで代表歴のなかった大学生の彼が世界への切符をもぎとった。一言、「奇跡っす!」


忘れ得ぬ日を1日を挟み、メンバーは29人から21人になり、充実した新潟合宿は終了した。

森本は冒頭のコメントの後、こう続けた。
「最高の準備をして、チームのために、日本のために勝ちたい」。

U-20日本代表は一旦解散。束の間の休息の後、6月10日までひた走ることになる。その休息も含めて、チームは最終段階に入った。


以上

2005.05.31 Reported by 了戒美子
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