5年ぶりのJ1復帰となった関塚監督率いる川崎F。昨年、圧倒的な強さでJ2優勝を遂げたメンバーほぼそのままの陣容で開幕を迎えた。開幕当初は「魔のロスタイム」に泣かされ勝ち試合を落とすこともあったが、第4節の東京V戦で初勝利。守備の意思統一がもたらした勝ち点3だった。
今季、攻撃を担うのは、ジュニーニョ、我那覇、マルクスの3選手。昨年以来のトリオでコンビネーションもさらに深まり、ジュニーニョに厳しいマークが集中するなか破壊力を見せつけたが、我那覇、マルクスが相次ぐ骨折で長期離脱。代わって黒津、フッキ、リハビリを終えた今野らが入っている。とくに黒津のスピードを生かす攻撃で、新たな活路を見いだしたことは収穫だった。
一方のディフェンス陣は、守備的ボランチに谷口が入った東京V戦を皮切りに前線からのプレスで安定度が増している。高さのある伊藤、寺田、箕輪に、オプションとして、佐原が入る「型」ができつつある。
一時は4位まで順位をあげたフロンターレだが、リーグ終盤の3連敗が響き現在は13位につけている。
◆再開後の展望・見どころ
中断期間の話題としては、大分トリニータよりMF原田拓を期限付き移籍で獲得、今後のレギュラー争いが気になるところだ。
7月2日のリーグ再開となる試合はアウェイの磐田戦。今野、箕輪の古巣となるだけに意気込みは相当なものだろう。また、次節のホームは7月6日対F東京戦。JFL、J2時代に数々の名勝負を繰り広げた両チームだけに、久しぶりの対戦に期待がもてる。また、この試合は川崎市在住の西城秀樹氏のパフォーマンスがハーフタイムに予定されているだけに見逃せない一戦だ。
7月の連戦に向け、中断期間には御殿場キャンプを行いハードなフィジカルメニューも消化。「中断期間に頭の中を整理し、いくつかに絞って共通意識を選手たちに持たせ、勝ちきれるチームにしたい」と御殿場キャンプへの豊富を語っていた関塚監督は、「7月再開後、2週間で5試合続くので、その準備としたい」と語気を強めていた。
連戦が続いた前半戦は時間がとれずコンビネーションに苦しんだ面もあっただけに、リーグ再開後はワンランクアップしたフロンターレが見られるはずだ。
◆HOT6の注目選手
攻撃陣の注目は、負傷の我那覇に代わって1トップを張るレフティストライカー・黒津。もともと能力は高い選手だったが、ここにきて得点力が増し自信を持ってプレーしている。とくに、左サイドのアウグストからのアーリークロスにピタリと合わせるゴールを何度か決め、「練習通り。アウグストから試合前にいつも『蹴るよ』と言われているから迷わずやれている」と笑顔を見せた。我那覇が戻ってきたら、ふたりのレギュラー争いも見逃せなくなりそうだ。
また、ナビスコカップ予選で2001年以来の出場を果たしたGK相澤も注目したい選手だ。「今年でプロ6年目。どうしても試合に出たい」とシーズン前に意気込みを語っていた相澤。着実にトレーニングで力を付けてきただけに「練習通りにやれたし、いい準備ができた。心地よい緊張感でプレーできました」と試合後に充実感が伝わる表情で語っていたのが印象的だった。
チャンスをつかんだ両選手のプレーに注目してほしい。
◆再開後のフォーメーション予想
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Reported by 隠岐麻里奈
