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【J1:第20節 広島 vs 大宮 プレビュー】厳しい状況を跳ね返し、立ち向かってくる大宮の粘り。まず気迫で上回ることこそ、広島が優勝戦線に残る絶対条件(05.08.24)

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8月24日(水)J1 第20節 広島 vs 大宮(19:00KICK OFF/広島ビ)
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 「鹿島に勝ったからと言って、明日の大宮戦に勝てないようでは、意味がない」と、李漢宰は言い放った。また、佐藤寿人も「鹿島戦は勝ったと言っても課題が多い。もっとチャンスで点をとっていかないと」と、厳しい表情を崩さなかった。鹿島との大激闘を制して広島に帰還したイレブンたちの表情には、首位を倒した喜びはもうなかった。「自分たちの目標は、もっと高いところにある」という佐藤寿の言葉どおり、広島の選手たちは「鹿島戦勝利」に満足することなく、しっかりと「優勝」という高みに視点を置いている。
 ただ、確かに李の言葉どおり、もし広島が明日の大宮戦に勝てなかったとしたら、鹿島戦勝利の余韻は霧散し優勝戦線から後退する。そして大宮とは、広島にとっては決して相性のいい相手ではないのだ。J2時代の2003年には4度、両チームは戦っている。戦績は広島の2勝1敗1分。しかし、その結果以上に広島は苦戦した。大宮の組織が生み出すコンパクトなゾーン形成に広島は攻撃のスペースを見いだすことができず、シュートを打つことすら、ままならなかった。敗れた試合は、広島が点をとりにいったところでボールを失い、カウンターから失点したことが原因。勝った試合においても、1点をとるまで相当な苦心を必要とした。
 
 それは、今季の戦いでも同じ。第12節で激突した時、広島は大宮の堅牢な4-4-2を最後まで崩すことができなかった。ロスタイム、縦パスからガウボンのヘッドの落としに飛び出した前田俊介のゴールで広島が勝利したものの、チャンスはむしろ、大宮の方に多かったのである。しかも明日の試合では、広島の中盤の活性源である茂原岳人が、鹿島戦で退場したため、今節は出場停止。彼がいない試合では、中盤にダイナミズムが失われてしまうだけに、広島にとっては大きな痛手となる。確かに鹿島戦での快勝で勢いはついているが、その代償も決して小さくはないのである。

 ただ、ベストメンバーを組めないという点では、大宮も同じだ。堅守の要というべきトニーニョが負傷中で、サテライトの練習試合には出場しているものの、広島戦での復帰は微妙。また、「広島キラー」桜井直人も、前節の東京V戦で負傷交代しており、広島戦の出場は難しい、という情報もある。エース格だったクリスティアンの突然の退団による影響も決して小さくはないし、前節から中2日での広島遠征というハードな日程も大宮にはのしかかってくるわけで、チーム状況の厳しさはかなりのものだ。
 
 しかし、大宮の真骨頂は、苦しい時の粘り腰にある。前節は東京Vのパスワークの前に完全に押し込まれてしまったが、それでも最後のゴールは許さず、後半には盛り返して同点に追いついている。実際、大宮はリーグ・カップ通じて、3点差以上つけられた試合は存在しない(広島は、カップ戦で1度、経験している)。どんなに厳しい状況にあっても、決して投げ出さずに自分たちのサッカーを信じて戦う。そういう精神的な強さが、このチームにはあるのだ。もし広島が、鹿島戦の余韻のまま、大宮戦に入ってしまったとしたら、厳しい状況に追い込まれるのは、むしろ広島の方だろう。精神的な甘さをつき、少ないチャンスから決定的な場面をつくりだす。藤本・トゥット・森田・横山。大宮の前線のタレントが織りなすカウンターに、広島が大ピンチに陥る可能性は、決して少なくない。
 広島は、強烈な気迫で鹿島戦を制した。しかしこの試合は、それを上回る気持ちの強さで臨まなければ、絶対に勝てない。だからこそ、そういう気持ちの強さをいつも見せつけてくれる茂原の欠場が、痛いのだ。明日は、その茂原不在の穴を李漢宰、もしくは森崎浩司が埋めるはず。どちらが出ても、まず気持ちを前面に出して戦いを挑み、チームを引っ張るような動きを見せつけること。それこそ広島がこの試合に勝利し、首位追撃に向かうための絶対条件だ。

以上

2005.08.22 Reported by 中野和也
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