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【J1:第20節 浦和 vs 神戸 レポート】ポンテ、永井の連続弾も浦和は勝利できず。流れを変えた一本のフリーキックが神戸に勝ち点1をもたらした。(05.08.25)

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8月24日(水) 2005 J1リーグ戦 第20節
浦和 2 - 2 神戸 (19:03/駒場/16,173人)
得点者:'34 平瀬智行(神戸)、'51 永井雄一郎(浦和)、'56 三浦淳宏(神戸)、'89 ポンテ(浦和)
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 改めて振り返ると、この日の浦和レッズ最大の課題は長谷部誠の不在をどのように消化するのか、ということだった。「残念なことに長谷部が一人抜けただけで、そこを埋めることができなかった。それが残念でした」(ブッフバルト監督)
 試合開始直後の浦和に問題はなかった。圧倒的なプレッシャーで攻め立てる浦和に対し、ヴィッセル神戸は防戦一方となる。まるで前節のFC東京戦のリプレーを見るかのように、神戸の最終ラインは奪ったボールをクリアし続けた。浦和の前からのプレッシャーに気圧されて、ボールをつなぐ事ができない状況に見えた。浦和の攻勢に輪をかけたのが、立ち上がりの神戸の不安定な3バックライン。永井雄一郎が前後左右に自由に動いた事もあったが、その永井をつかみきれず、ラインの裏に飛び出されそうになる場面が何度かあった。
 
浦和が早い時間帯で得点できそうな雰囲気が漂っていたが、そこから神戸は持ち直す。一つにはパベル監督からボランチの二人に出た「常に試合の最初から最後まで、ポンテを二人で(交互に)マークするようにいいました」という指示が功を奏した形だ。
 
 浦和は攻撃の起点となりうるポンテを抑え込まれ、攻撃に手詰まり感が出てくると同時に、神戸が試合展開に慣れはじめる。前半30分前後からの神戸は、最終ラインをハーフライン付近で維持し、浦和の前戦の3枚にボールを渡さないという攻撃的なプレスを見せ始める。手詰まり感の出てきた浦和に対し、神戸は34分に遠藤彰弘を起点として右サイドのイヴォへつなぎ、最後は三浦淳宏のミドルシュートのこぼれ球を平瀬智行がねじ込んで先制する。パベル監督は「前半に関しては、一人一人に与えた課題をこなしてくれた。そしてリードしてくれたので満足しています」と高く評価した。

 浦和の反撃は、後半の頭から山田暢久と岡野雅行を投入するところから始まる。特に目立ったのがボランチに入った山田の働き。深いポジションから前に出て行くという長谷部的な役割に対して、神戸は対応が難しかったのだろう。いいようにドリブルを許し、守備網を切り裂かれた。これでリズムを取り戻した浦和は51分に鈴木啓太→岡野とつなぎクロス。ポンテが飛び込んでつぶれたその裏で永井がヘディングシュートを決めた。

 試合はそのまま浦和ペースで逆転へと進むかに思えたが、ここで流れを止めたのが三浦の30mほどの直接フリーキック。
「あのフリーキックはイメージ通りだった。あそこまでイメージ通りに行くことはないです。とにかく枠を外さないように蹴りました」と三浦自身が振り返るフリーキックは、きれいな弾道を描いてゴールネットを揺らす。「45m(実際は30〜35m程度)くらいのフリーキックを決められてコンセプトが崩された」とブッフバルト監督は悔しがったが、浦和はこのゴールで流れを断ち切られた。

 一方の神戸は、この時間帯から守備に意識を傾注し始める。決定的だったのが、79分のFWイヴォからMF菅原智への交代。神戸の選手たちはこのパベル監督の采配を逃げ切りのサインと解釈。まさに一点を守る戦いに入る。

 逆転優勝を狙う浦和とすれば、絶対に負けられない相手だ。ここから猛攻撃を仕掛けるが神戸守備陣は固い。最後はゴール前に蹴り込み、そしてはじき返される、ということを繰り返した後半ロスタイム。岡野とポンテのコンビネーションからポンテが同点ゴールを決めて試合を振り出しにもどしたが、それが精一杯だった。

 浦和は、最下位の神戸を相手に勝ち点2を落とす結果となった。評価の難しい試合だったが、浦和サポーターは、ロスタイムの同点ゴールを見せた選手たちに声援を送る。まだまだリーグ戦は続く。

 一方の神戸の試合後の表情は微妙なものだった。勝ち点3が取れた試合だが、アウェイでの浦和を相手にした勝ち点1は決して悪いものではない。そんな事実が、試合後の選手たちの表情から見て取れた。
「勝ち点1を取ったとプラスに考えたい。最後守りに入ったので、仕方ないです。ただ、今日は欲を言えば勝ち点3が欲しかった」(三浦)
「一点をリードしても、もう一点を取るくらいの勢いがあればちょうどバランスが取れると思う(最後、引きすぎたチームに対する叱咤)。チームは本当に良くなっているので落胆することはないです。次、頑張ります」(遠藤)

 残留を目指す神戸にとって、次節の大分トリニータ戦は大きな試合となる。

2005.8.25 Reported by 江藤高志
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