9月14日(水) 2005 J2リーグ戦 第27節
山形 1 - 0 札幌 (19:04/山形県/3,342人)
得点者:'84 田中康平(山形)
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「全体として、我々もそうだったんですけれども、札幌さんの方もミスが多くて、J2のレベルを考えた時に、動き自体はあったんでしょうけども、残念な内容ではあったなと思います」
会見場に響いた山形・鈴木監督の声はいつになく沈んでいた。「内容が非常に乏しいゲーム」「かなりレベルの低い試合」「技術的なレベルがまだまだ足りない」自ら率いるチームに関して、厳しい言葉が次々に並ぶ。
試合の内容については、札幌・柳下監督も同じような見解を示した。「まだまだイージーなミスがたくさんある。ボールを持ったとき、コントロールミス、パスミス、そんなにプレッシャーが掛かってなくてもミスをしてしまう」
雷雨で順延された第27節の代替試合を、暫定4位の札幌は勝ち点46で、同じく5位の山形は44で迎えた。3位・甲府が勝ち点47だが、得失点差で山形が上回っていたため、どちらが勝っても3位浮上という格好の舞台が用意された。いわば、2位・福岡を追撃する一番手として名乗りを挙げるチームを決める試合。にもかかわらず、内容はそれにふさわしいものではなかった。前節から日程が近く、雨でピッチが滑ることを差し引いても、ミスのオンパレードは目に余った。
今節で先発した22人中、前節の先発メンバーではなかったのは各チーム1人のみ。山形・佐々木が和波の厳しくマークに遭う。さらに、サイドバックの山形・臼井がトップ下の砂川に抑えられると、山形の右サイドは攻撃不全に陥っていた。砂川は逆サイドではオーバーラップする内山と併走し、中央では永井からボールを奪いミドルシュートを放つなど、相手のミスを誘発するため獅子奮迅の活躍をしていた。
しかし、攻撃に移ると札幌も精細を欠く。ミスが多いことに加え、中盤以降がすべて引いたポジションで構えることも、ゴールまでボールを運ぶことを難しくしていた。前半20分のカウンターの場面では4対3の数的優位、またとない先制のチャンスをつくるが、ここでもパスが的確につながらず、最後は田畑の無理な体勢からのミドルシュートでフィニッシュせざるを得なかった。両チームとも決定機の少ない前半を0−0で折り返した。
後半に入り、徐々にペースをつかんでいったのは札幌。前線と中盤、特にボランチの距離がコンパクトになり、パスがつながり始めると、スペースの空いたサイドを起点にライン裏へ走らせるパスやミドルシュートで主導権をつかむ。が、ここでも得点は生まれなかった。
膠着状態の試合を一気に動かしたのが、この日がJリーグデビューの記念すべき日となった山形・田中。出場してワンプレー目で左サイドをドリブルで破り、いったん中に折り返すと、再び左サイドで受けたボールを角度のない位置から左足で打ち込んだ。本人が「センタリングでした」と正直に告白したシュートは、ディフェンダーに当たってコースを若干変えたあと、キーパー林の手を弾いてニアポスト内側に飛び込んだ。
田中はプロ2年目の19歳。鹿島からレンタルで山形に移籍してきたが、初出場後わずか1分で地元・北海道のチームに強烈な一撃を見舞い、チームに勝ち点3をもたらした。
ミス合戦の中で勝敗を分けたものを、敗将・柳下監督(札幌)から見るとこうなる。
「中盤でセカンドボール、ルーズボールを体を張って自分たちのボールにする。そういうところが山形のほうが上だし、当然お互い疲れてる中、チャンスだと思ったときに何人もゴール前に飛び込んでいる」昨年から山形に7連敗。しかし、そこにあるのは悲観ではなく、希望だった。「うちの選手が山形との違いを肌で感じてくれたら、次のゲーム、いいゲームができると思う」中2日の福岡戦、翌週の京都戦を見据え、柳下監督は選手たちに一層の奮起を促した。
ここの所いい内容の試合を続けながらも勝ちきれず、今節悪い内容ながらも勝ち点3を手にした山形。なんとも皮肉な結果になったが、この試合のような幸運が続くほど昇格レースは甘いものでもない。2位・福岡とは勝ち点7差。この試合で昇格が決まったわけでも、その道が断たれたわけでもない。J1昇格にふさわしいチームをめざす戦いの道は、まだ続いていく。泣いても笑っても、あと13試合。
以上
2005.09.15 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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