仙台カップ国際サッカーユース大会2005
●9月19日(月)13:30キックオフ/仙台スタジアム/6,696人
U-18東北代表 5-2 U-18日本代表
得点者:06' ハーフナー マイク(日本代表)、34' 小澤竜己(東北代表)、41' 小澤竜己(東北代表)、53' 伊藤 俊(東北代表)、72' ハーフナー マイク(日本代表)、78' 澤本将弘(東北代表)、86' 遠藤 康(東北代表)
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「難しい試合になるだろう」
前日、U-18日本代表・吉田監督がコメントした通りの試合になってしまった。U-18東北代表対U-18日本代表。普通に考えれば日本代表が勝利するはずの試合は、先制するも最終的には5-2とまさかの大敗。U-18日本代表は、メンタル面のもろさが本当に試合に影響することを実戦で身を持って体験する結果となってしまった。
試合後、敵将である東北代表の清水監督は日本代表を評価してくれと記者に言われ、こう答えた。「精神的にキレてしまったことが、もしかしたらいちばん残念なことかもしれない。今後、もっと厳しい試合が待っているんだから」まさにその通り。11月下旬にはまずはAFCユース選手権予選、そして来年にはAFCユース選手権、再来年にはFIFAワールドユース選手権など、厳しい勝負が彼等を待ち受ける。ブラジルから2得点した一昨日、選手たちはそれなりの手応えも口にしていた。その時点ではこのような大敗を格下であるはずの東北代表に喫するなど、頭になかっただろう。冷や水を浴びる、そんな試合結果。
立ち上がり、ここまでの2試合とは違い、U-18日本代表はどこか余裕を持って入る。常々「立ち上がりが課題」と選手たちは口にするが、そのニュアンスとも違う、緊張感のなさがそこにはあった。スタメンには監督が試したいと言った通り、若干の変更が加えられた。
GK:武田洋平(熊本・大津高校)
DF:吉田麻也(名古屋)、槙野智章(広島ユース)、安田理大(G大阪ユース)、内田篤人(清水東高)
MF:横谷 繁(G大阪ユース)、柳澤 隼(柏ユースU-18)、MF山本真希(CAP/清水ユース)、MF松本 怜(青森山田高)
FW:河原和寿(新潟)、FWハーフナー マイク(横浜FMユース)
緊張感のなさというか、ゆるみのようなものがあった日本代表。早い時間に先制点が入ったことでそれが更に増した。6分、安田から左サイドでボールを受けた山本が運び、ペナルティエリア内で河原へ。河原はこれをハーフナーに落とし、ハーフナーが左足ワンタッチシュートが決まる。「クラブユースとか、サテライトとかSBSカップとかで8試合ノーゴールなんで是非決めたい」と言っていたハーフナーのゴールでチームは波に乗るはずだったのだが、そうもいかず。
その後しばらくゲームは停滞するが、徐々に流れは東北代表へ。34分、東北代表・香川真司(FCみやぎ)が中盤でカットしたボールを右サイドで澤本将弘(青森山田高)が受け、そのまま突破を図る。速いセンタリングに小澤竜己(青森山田高)が飛び込み右足を振り抜き、ゴールへ突き刺した。日本代表候補歴もある小澤だけに喜びが爆発。飛び上がってガッツポーズを見せた。
そしてそのわずか7分後、DFのクリアミスをさらった香川からまた小澤が右足ワンタッチシュートを決め、逆転。日本代表はがっくり肩を落としたままハーフタイムに入る。
後半、内田に代え青山隼(名古屋)を、松本に代え柏木陽介(広島ユース)を入れ、「中盤を厚くするために」(吉田監督)3バックを試みる。これはここまでほとんど試していないだけに相手の清水監督にも「慣れない3バックでマークもあやふやだった」と言わせる状況に陥る。逆に、香川、小澤らスピードに乗ったら止められないタイプの東北攻撃陣を波に乗せてしまった。
先に得点したのはまたも東北代表。53分、これもDFのクリアミスを伊東俊(青森山田高)がさらい、そのままゴール前中央から右足シュート。1-3となった時点で日本代表選手たちは精神的にキレてしまう。その後72分には日本代表が山本のインターセプトからゴール前へ運び、ハーフナーが中央で受けそのまま左足をダイレクトで振り抜き、これがゴール右隅へ決まる。2-3。逆転可能な残り時間ではあった。しかし、この直後に山本が後味の悪いファウルをもらい、日本代表選手たちの精神状態が「キレている」ことが露呈。
78分には、東北代表・澤本の35メートルFKがポストに当たりながらゴールに吸い込まれ、最後は終了間際の86分。これもクリアボールを香川、小澤とつなぎ最後は遠藤康(塩釜FC)が左足で決め、東北代表がなんと5得点。同世代、国内勢対決の難しさ、メンタルの持つ意味の大きさを感じさせる結果となった。
日本代表にとって、この日の敗戦は、何ができた、何ができなかったという以前の問題。17日のブラジル戦後「ブラジルであるが故にびびった」という主旨の発言が多く見られた日本代表だが、東北代表戦はまさにその逆だ。そしてその精神状態を90分の間には立て直すことが、ベンチも含めてできなかったということがこの5失点という結果なのだろう。これを11月のAFCユース選手権予選・北朝鮮戦の前に経験できたことが糧となること期待したい。
U-18日本代表は10月には韓国遠征を行い、AFCユース選手権予選前最後の対外試合を行う。これはまさに仮想・北朝鮮戦。本番を想定した遠征を行い、11月の本番へ向かう。
以上
2005.09.19 Reported by 了戒美子
J’s GOALニュース
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