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【J1:第26節 鹿島 vs 千葉 レポート】千葉の「相手の特徴を消すサッカー」に苦しみドロー。首位G大阪にプレッシャーをかけられなかった鹿島(05.10.02)

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10月1日(土) 2005 J1リーグ戦 第26節
鹿島 2 - 2 千葉 (19:04/カシマ/15,864人)
得点者:'21 アレックスミネイロ(鹿島)、'29 佐藤勇人(千葉)、'35 佐藤勇人(千葉)、'82 アレックスミネイロ(鹿島)
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試合が始まった時、鹿島の選手たちは驚きを隠せなったはずだ。千葉がガチガチのマンマークを敷いてきたからだ。本山雅志、アレックス・ミネイロのFW陣には結城耕三、斎藤大輔の2人がつき、深井正樹、増田誓志の2列目に坂本将貴、佐藤勇人が向かってくる。さらにエース・小笠原満男には阿部勇樹がこれでもかというほどの密着マークをする。「ボランチがこんなにマンマークされるなんて生まれて初めて。自分もどうしたらいいか分からなくなった」と青木剛も途方に暮れた。

先制しながらも、このオシム采配に主導権を握られた鹿島。それでも終盤に持ち前の粘りを見せ、何とか勝点1を死守した。1日遅れで試合をする首位・G大阪にプレッシャーはかけられなかったが、タイトルを諦めない姿勢だけは示した。

10月1日19時からカシマスタジアムで行われたJ1第26節・鹿島対千葉戦。前節までの段階でカシマは16勝6敗5分の勝点47で2位、千葉は11勝6敗8分の5位。観衆は1万5000人あまりとやや少なかったが、上位対決ということで世間の注目度は高かった。
 
鹿島はフェルナンドが出場停止。トニーニョ・セレーゾ監督はここ2試合、右サイドバックに入った青木をボランチに戻して小笠原と組ませ、右サイドバックには内田潤を起用した。対する千葉のオシム監督は4月の直接対決を2-4で落とした反省を踏まえ、相手攻撃陣をマンマークする作戦に打って出た。布陣は3-6-1。鹿島の攻撃を寸断したうえで相手守備陣の背後を狙おうとした。千葉の戦い方はうまくはまった。中盤での激しい守備でボールを奪い、阿部、坂本、右サイドの水野晃樹らがうまく絡んでゴール前へ鋭いボールを上げる。鹿島は自慢のボールポゼッションが陰を潜め、序盤はいいところがほとんどなかった。

それでも彼らはワンチャンスを得点に結び付けられる勝負強さがある。前半21分、小笠原のCKを増田がゴール前で競り、ファーサイドのアレックス・ミネイロがフリーに。彼は難なく1点を奪った。主導権を握っていた千葉にしてみれば非常に痛い失点だった。それでも千葉の徹底した守りは崩れなかった。迎えた29分、阿部勇樹の直接FKをGK曽ケ端準がはじいてクロスバーに当たって跳ね返ったところに佐藤が飛び込み、すぐさま1点を返す。さらに6分後、結城が上げたタテに長いボールを長身FW巻誠一郎が競り、そこに2列目から走りこんだ佐藤がフリーで2点目を挙げる。タテに速いシンプルな攻撃で千葉は前半のうちに逆転に成功した。

8月下旬のJ1再開から鹿島DF陣は本当に守りきれない。9月17日の神戸戦を除き、毎試合2点以上失っている。この日もダイヤゴナルパス(対角線のパス)への反応が遅れ、最終ラインにギャップを作られるシーンが何度もあった。フェルナンドの欠場も響いたのか、2列目からの飛び出しにも対応しきれていなかった。1点をしぶとく守りきったかつての常勝軍団の姿とは程遠い前半だった。

タイトル獲得のために負けられないトニーニョ・セレーゾ監督は後半の早い時間帯に次々とメンバー変更を行う。まず13分に動きの悪かった本山と運動量の落ちた増田を下げ、鈴木隆行と野沢拓也を投入。5分後には内田を下げて阿部敏之を起用。青木を右サイドバックに動かした。指揮官は攻めに出る姿勢をチーム全体に示したかったのだろう。前線はアレックス・ミネイロ、鈴木、深井の3トップ。野沢と小笠原も高い位置に上がり、彼らは怒涛の攻めをしかけようと試みた。

ちょうどこの頃、前半からハードワークを続けていた千葉の運動量が落ち始めた。彼らはズルズルと下がってしまう。人数をかけてゴール前を守る形にはなったが、鹿島の勢いに押されているのは明らかだった。そして迎えた37分、大岩からのパスを左サイドに開いた深井が中央へ。これが相手DFに当たってこぼれたところにアレックス・ミネイロが詰め、ついに同点に追いついた。鹿島は持ち味である勝負強さを発揮。逆に千葉は巻が「流れが悪い時に立て直せないのは経験の部分」と言うように、ここ一番で勝ちきれない弱さを露呈してしまった。

終了間際には千葉の巻のシュートがオフサイドと判定されたり、絶好の位置でのFKを阿部でなくストヤノフが勝手に蹴ってしまったり、鹿島の鈴木のシュートがGK正面に飛ぶなど、両者とも勝ち越せそうなチャンスがありながら決勝点を奪えずじまい。試合は2-2のまま終了。オシム監督も「出た結果は千葉のためにも、鹿島のためにもならない」と言うしかなかった。

劣勢の試合を巻き返した鹿島にしてみれば、この結果は御の字かもしれない。が、青木が「G大阪戦の引き分けとこの試合の引き分けは意味が違う」と話すように、選手たちにとっては勝点3を取って2日に清水と戦う首位・G大阪にプレッシャーをかけられなかったことの悔しさの方が大きいようだ。トニーニョ・セレーゾ監督も「残り8試合になったのに、こんなに細かいミスをしていたら後がなくなる」と危機感を露にしていた。特に気になるのが守備だ。今の攻撃力があれば、守りきれさえすればラクに勝てるのに、そういう展開に持ち込むことができない。いかにして守りを修正していくのか。オールスターサッカーを挟む2週間で、彼らは明確な方向性を見出さなければならないだろう。

以上

2005.10.02 Reported by 元川悦子
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