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【J1:第26節 東京V vs 磐田 レポート】両者譲らぬシーソーゲームはロスタイムに劇的な幕切れが。サッカーの怖さを改めて思い知る試合(05.10.02)

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10月1日(土) 2005 J1リーグ戦 第26節
東京V 4 - 4 磐田 (15:04/味スタ/35,257人)
得点者:'36 ワシントン(東京V)、'63 中山雅史(磐田)、'64 ワシントン(東京V)、'69 ジウ(東京V)、'71 成岡翔(磐田)、'79 西紀寛(磐田)、'81 太田吉彰(磐田)、'89 ワシントン(東京V)
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とにかくすごい試合だった。「サッカーの怖さを味わった」とは、磐田GK川口の率直な言葉だ。

勝点3が必須の両チームのゲームは、立ち上がりから攻守がめまぐるしく替わる激しい展開。決定的なシュートは多くはなかったが、ゴール前を脅かす場面が何度も繰り広げられた。細かくパスを繋いで崩しにかかる磐田に対して、東京Vは徹底的に「ミーティングで確認していた(MF平野)」磐田DFの裏を狙う。FWワシントンがランニングを重ねたが、その努力が実ったのは36分。MF小林大悟から左サイドでボールを受けた平野がクロスを送ると、服部の背後でワシントンが胸トラップし、右足シュート。これが決まり東京Vが先制点をモノにした。

両者譲らない45分ではあったが、前半に生まれたゴールはこの1点のみ。ただ、ここまではこの後待っているドラマの序章に過ぎなかった。

後半開始からも共にチャンスを作るが、徐々に試合は膠着状態に。そこで磐田・山本監督は55分、流れを変えるべくFWカレンを下げFW西を、MF船谷に替えてMF成岡を投入。この交代策が磐田にいいリズムを与えた。磐田ペースへと傾き始めた63分、DF金からのクロスを受けたFW中山のヘディングシュートが決まり、磐田が同点に追いつく。

そしてこの中山のゴールから、10分間に2点、3点のペースでゴールが生まれるシーソーゲームが始まる。まず1分後の64分、左サイドへ流れた小林大悟から再び服部の背後に走りこんだワシントンへ。2点目はヘディングで決め、東京Vが突き放した。盛り上がる東京Vサポーターに後押しされるように、更に69分、東京VがCKからFWジウのヘディングで追加点。これで3-1。ほぼ勝利を手中に収めたと感じた東京Vの選手たちは抱き合ってジウのJ初得点を喜んだ。

しかし今度は磐田の番。「2点差をひっくり返す力はあると思っていた」磐田FW西がCKのチャンスを掴むと、71分、キッカー名波のボールを成岡がヘディングシュート。ゴールネットを揺らし1点差に詰め寄る。守りに入った東京Vを容赦なく攻め立てる磐田は79分、DF田中からのセンタリングをFW西がジャンピングボレーでネットに突き刺し再び同点、試合はまた振り出しに。猛攻を続ける磐田は81分、ゴール前で混戦となったボールを西が拾い、右サイド太田へ。その太田が「めったにない」という左足で絶妙のループシュートを放つとこれが見事に決まり、とうとう逆転劇を披露した。

追いかける立場となった東京V・バドン監督はFW森本、MF玉乃を投入し総攻撃を仕掛けるが、がっちりと守りに入った磐田のDF陣を崩せないまま時間が過ぎていく。表示されたロスタイムは3分。東京Vが追い付くのはもう無理では、と思い始めた時、それを確信する出来事が起こった。

東京Vは、ペナルティエリア内でドリブルする成岡に思わずファウル。磐田はPKをゲット、東京Vにとっては悪夢のような場面に。選手達の焦りも最高潮で、審判に猛抗議を続けるも判定は翻らず、その傍らで悠然と磐田・中山がボールをセット。「5-3」というスコアが現実味を帯びてきていた。

スタジアムにいる誰もが、ここから「サッカーの怖さ」を見せ付けられる。

既にロスタイムを消化、これがラストプレーとなるのは明白。例え中山のPKが外れたとしても、枠外に飛んだ瞬間、磐田の勝利は確定だった。そのことはもちろん中山もわかっていたが、中山はきっちりと得点することを自分の信念として選択した。

しかし、通常であれば誰もが納得するこの選択が、予想外を巻き起こす。中山が思い切りよく蹴りこんだシュートはバーを直撃。その勢いのまま跳ね返ったボールが東京V林、ワシントンから「ボールが来たらゴールへ向かってやろうと(玉乃)」既に走り出していた玉乃へ渡り、磐田DFのファウルを誘発。一転、ラストプレーは、ゴール間近右45度あたりの、東京Vにとって絶好の位置からのFKとなった。

スタジアムは息を呑んで、磐田ゴール前を見つめていた。磐田DF陣が集中しきれていないまま、キッカー・ワシントンがグラウンダーで狙ったシュートはゴール左隅へ。その瞬間、そのゴール裏に陣取る東京Vサポーターからは絶叫に近い歓声が沸き起こった。

4-4というスコアが確定するまで、ロスタイムは実に7分以上を経過。死闘の末に手にしたそれぞれの勝点1は、今後両チームにとってどんな意味合いを持つのだろう。劇的な幕切れの後、ホイッスルと共にピッチに座り込んだのは追い付かれた磐田の選手達だけではなかった。

以上

2005.10.02 Reported by 高木聖佳
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