●親善試合 10月25日(火)14:00キックオフ/慶州 Citizen's Stadium)
U-18日本代表 2-5 U-18韓国代表
【得点者】
韓国:46分、48分、52分、58分、73分
日本:51分 槙野 智章(サンフレッチェ広島ユース)、87分 安田 理大(ガンバ大阪ユース)
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試合前、U-18日本代表の吉田監督はこんなふうに檄を飛ばした。
「本番と同じつもりでやれ。まずは勝利、悪くても引き分け。状況によっては粘れ」
AFCユース選手権予選に向けた強化の最終章として組まれた今回の韓国遠征。11月の予選で対戦する仮想北朝鮮と意気込んだU-18韓国代表戦の初戦は、2-5という思わぬ大敗を喫することになった。
“本番”前最後の貴重な遠征の機会ではあるが、遠征出発前からU-18日本代表はバタついた。MF山本(清水)、DF福元(大分U-18)といった主力が、ケガや体調不良などで遠征不参加を余儀なくされた。もう一人の核であるFW森本(東京V)も遠征に向けた集合日の夜にケガで離脱するという事態。また、期待されたFW森島康仁(滝川二高)も負傷のため別メニューとなった。今日の試合を思うように戦えなかった理由として「メンバーが揃わなかった」ことを口にする選手もいたが、これほど遠征不参加組が出ては、それも仕方がない。
今回の遠征では、U-18韓国代表と2試合が予定されており、今日は親善試合で明日は練習試合という扱い。
U-18日本代表は、初戦をまずいつもの4-4-2のフォーメーションで臨んだ。
GK秋元陽太(横浜FMユース)、ディフェンスラインに右から内田篤人(清水東高)、槙野智章(広島ユース)、伊藤博幹(G大阪ユース)、堤俊輔(浦和ユース)が並ぶ。中盤はワイドに右・柳澤隼(柏ユースU-18・キャプテン)、左・梅崎司(大分)が張り、中には横谷繁(G大阪ユース)、若干上がり目ではあるが守備的な位置に青山隼(名古屋ユース)が入る。2トップはハーフナー・マイク(横浜FMユース)と小澤竜己(青森山田高)。
U-18韓国代表も同じく4-4-2のフォーメーションで入る。U-18韓国代表もAFCユース選手権予選を控えてはいるが、組み分けで香港、モンゴルという格下と思われる相手が同組でり、現段階の強化にはそれほど力を入れているわけではない。今回の試合のためのメンバーも10日ほど前に決定し、8月に国際ユースIN新潟に来日したメンバーともガラリと変わっている。「準備期間がなかった」と試合後にリ監督(U-18韓国代表)はコメントしているが、それでもSHIN Young Rok(シン ヨンロク)、PARK Jong Jin(パク ジョンジン)といった6月のFIFAワールドユース選手権オランダ大会に参加したメンバーを含んでおり、この試合では力の差を見せつけられてしまった。
試合は前半立ち上がりから韓国が勢いよく攻めた。主に右サイドからパク ジョンジンがえぐり、中央のシン ヨンロクに合わせるというパターン。チームとしての準備期間は少なくても、キックの精度、1対1の強さ、スピードなど、選手個々のポテンシャルの高さを見せたU-18韓国代表。ただ、U-18日本代表としては攻め込まれることも想定の範囲内だったようで、前半20分過ぎまでの猛攻はなんとか耐えきった。
その後、試合は徐々に五分五分の形勢になり、U-18日本代表は中盤で奪って前線へ運ぶ機会も増えてくる。27分にはハーフナーが前線で落とし、青山から受けたパスを梅崎がシュート。30分には右サイド・柳澤から中央の小澤へパス。韓国DFが滑り込むが間に合わず、小澤のスルーパスを受けたハーフナーがGKと1対1。37分には韓国が選手交代をした直後の落ち着かない時間帯に、小澤の左サイドからのマイナスのパスを受けた梅崎が右足で枠を捉えるシュートを放つ。43分にはペナルティエリア外のやや右、約20mのところで得たFKを柳澤が蹴る。これも枠を捉えるが、ハーフナーが合わせきれず…。結局、U-18日本代表はチャンスを作ったものの得点には至らず、韓国にも得点を許さず、0-0で前半を終了した。
ハーフタイムには「このままのペースで」と指示を送った吉田監督。しかし、後半立ち上がりのまだ1分も経たない時間に最初の失点を喫する。失点は日本のキックオフのバックパスを中盤でミス。それを前線まで運ばれ、ペナルティエリア内でつながれてあっけなく決まってしまう。
この時点ではまだ0-1だが、韓国はここから勢いに乗った。2点目は2分後。左サイドをえぐられ、GKが飛び出したところにボールを入れられ、最後は日本のDFに当たってオウンゴール。これで0-2。
ここで、日本は反撃に出た。後半7分、日本は交代出場の伊藤が右サイド深くまで攻め上がり、柳澤へ。柳澤がDF3人からプレスを受けて倒され、FKを得る。このFKにファーサイドの槙野がヘディングで合わせて1-2に追い上げた。
「さあ、ここから」と思われたその途端、U-18日本代表のバランスが崩れた。前がかりになったところにカウンターをくらい、7分、13分と続けて失点。こうなると、どうしても先の仙台カップでU-18東北代表に2-5で敗れた悪夢が頭をよぎってしまう。焦る、焦ってバランスを崩す、そこを突かれてまた失点する、という悪循環に陥り、後半に5失点。試合終了間際の42分に、途中出場で右サイドに入った安田が、ドリブル突破など独特のリズムを見せて中央に切れ込み、右足で決めるも時すでに遅し。2-5で試合を終えた。
この試合に光明を見出すとすれば、“本番”前に課題がはっきりしたということ。
攻撃の課題は、前線にボールが収まらなかった時の中盤の対応だ。「ボランチが使えなかった」とは試合後の柳澤のコメントだが、特に後半は防戦一方になってしまった。
守備の課題は、コミュニケーション不足に尽きる。「声が足りない」とは、同じく柳澤のコメント。センターバックをはじめとして急遽メンバーに不参加が出たという面はあるにしても、守備陣のメンバーが安定しなかったならば余計にコミュニケーションは必須だっただろう。さらに今日の試合では前半からサイドを使われるシーンが目立った。「サイドの1対1は、体を張ってでも止めなければいけない」とは中盤の左に入った梅崎の反省の弁。AFCユース選手権まであと1か月。その間にこれらの課題を克服しなくてはならない。
明日は、今遠征での2試合目(練習試合)が行われる。日本・韓国ともに今日の出場がなかったメンバーが中心になるが、日本は前線など人数の足りないポジションでは同じメンバーが出場する予定。このままでは帰れない…そんな空気が今夜、宿舎を包んでいることを期待したい。
以上
2005.10.25 Reported by 了戒美子
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