11月5日（土）ヤマザキナビスコカップ 決勝 千葉 vs Ｇ大阪（13:05KICK OFF/国立）
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　千葉（当時は市原）にとっては7年ぶり2回目の決勝戦だが、現在の千葉の所属選手には前回のピッチに立った者、ベンチ入りした者は一人もいない。その年のファーストステージ第16節G大阪戦でＪリーグデビューしていた当時高校2年生のMF阿部勇樹はスタンドで観戦し、GK立石智紀は福岡に期限付き移籍中だった。それを考えれば、選手たちにとっては初めての決勝戦。大一番ならではの特殊な重圧、観客が詰めかけた国立競技場の独特な雰囲気に飲み込まれることなく、いかに平常心で戦えるかがポイントになる。

「雰囲気としては、優勝争いをしていた2003年の（ファーストステージ第14節）清水戦みたいだろうけど、あの経験は決勝戦で生きてくれるはずだと思っているんです。あれがあって今があるというか、僕は今までやってきたことに自信がある」（MF羽生直剛）千葉（当時は市原）はその清水戦で勝てば、横浜FMと磐田の結果次第でステージ初優勝を達成できた。しかし、プレッシャーでがんじがらめになった選手たちは足枷をはめられているかのように動きが悪く、0−3の完敗。もちろん、今回の決勝戦のメンバー全員があの清水戦を経験したわけではない。だが、未経験のたとえようもない緊張で自滅し、悔し涙を流した選手たちが、今度は必ずチームを引っ張ってくれるはずだ。

　練習でプレスのかけどころをポイントにした守備を再確認したように、千葉は個人技に長けたG大阪のFW大黒将志、FWアラウージョ、MFフェルナンジーニョへのパスを寸断することが重要だ。3−1で勝った前回対戦（リーグ戦第8節）では、前半はG大阪に11本（そのうちの5本は前述の3人）のシュートを打たれたが、決定力不足に助けられて無失点。逆に、千葉が前半に先制点（FW巻誠一郎の得点）を奪えたことが幸いした。先制点が試合展開を左右するだけに、前半にG大阪に主導権を握られることは避けたい。

　攻撃面には、前回対戦時に効果的なプレーを見せ、MF水野晃樹の2得点をお膳立てしたFWハースが累積警告で出場停止というマイナス材料がある。しかし、ハースはナビスコカップ準々決勝第2戦の前日に負傷し、約1ヶ月半も戦線離脱。その間、チームは苦戦も経験しながら成長してきた。攻めに出てくるG大阪の背後のスペースを突くスピーディーな攻撃を仕掛ければ、優位に立てることは間違いない。「対面に誰がこようが関係ない。自分がどれだけ前に上がれるかが問題」とMF山岸智が話せば、「攻め上がったときは必ずクロスボールを上げて、得点チャンスを作ることが大事」とＭＦ坂本將貴が語るように、サイドの攻防も重要だ。また、怪我人がほぼゼロで、万全の状態で臨めるのは大きい。

　千葉は阿部、G大阪はMF遠藤保仁をはじめ、プレースキックが得意な選手が多い。セットプレーも勝敗を分けるカギとなりそうだが、千葉はセットプレー時の守備が課題で、逆に今シーズンはコーナーキックからなかなか得点できなかった。その攻守の課題は解消されつつあるが、試合終了の瞬間まで集中力を維持することが何よりも大切だ。

　選手たちが異口同音に語る「いつものうちらしいサッカーができれば負けない」という言葉。それを必ず有言実行にして、初タイトル獲得を達成することを信じている。

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2005.11.4 Reported by 赤沼圭子