3月25日(土) 2006 J1リーグ戦 第5節
広島 1 - 3 G大阪 (15:04/広島ビ/13,067人)
得点者:'43 遠藤保仁(G大阪)、'49 マグノアウベス(G大阪)、'61 マグノアウベス(G大阪)、'83 佐藤寿人(広島)
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61分、大木勉のバックパスをG大阪・マグノ アウベスにさらわれ3失点目を失った時も、広島のサポーターは必死に声を出し続けた。下を向き、肩を落としている選手たちの顔を上げさせ、「あきらめるな!」というメッセージを与え続けた。
その広島サポーターの願いが、佐藤寿人の驚くべきゴールにつながった。83分、李漢宰の浮き球のパスをヘディングでつないだ佐藤寿は、GKが飛び出してきたボールに身体を当て、そのまま前に出た。宮本のカバーに完全にバランスを崩していても、宮本の裏から巻き込むように足を出した。「このまま終わってたまるか」という佐藤寿の執念と想いが身体中から噴出し、ボールをゴールの中へと押しこんだ。そしてそれは、G大阪の前に叩きのめされ、惨めな想いの中でも必死で声をあげ続けた広島サポーターにとって、唯一の慰めとなったのである。
この日、広島は多くの主力を欠いた。下田崇が出場停止、ジニーニョが股関節痛でベンチスタート、森崎和幸とウェズレイがコンディションを崩してベンチに入れない。鹿島戦での不振で評価を落とした森崎浩司を加えれば、栄誉ある開幕戦先発メンバーのうち、5人の選手がこの試合を欠場した。その状況に加え、4試合で11失点と守備に問題を抱えていたこともあり、小野監督はシステムを4-4-2から3-5-2へと変更する。ただ、ウェズレイと森崎和を欠いた布陣ではG大阪を相手につなぐサッカーは厳しいと判断したのか、広島の選手たちはボールを持つと2トップに向けてどんどんボールを蹴り込んでいく。結果として中盤とFWの間は大きく広がり、セカンドボールをG大阪に拾われ、遠藤保仁・フェルナンジーニョを中心に次々と決定機をつくられてしまう。
それでも、広島の選手は必死にゴールだけは死守した。遠藤のループシュートにGK木寺浩一の頭上を破られても吉弘充志がその裏をカバーし、西河翔吾も戸田和幸も小村徳男も、フェルナンジーニョのドリブルに手を焼きながら、ゴールだけは許さなかった。少しずつG大阪の選手たちの焦りが目立ち、ミスも増えてきた。もしかしたら、と広島サポーターにもかすかな希望がともった。
41分、広島がカウンターからビッグチャンスをつかむ。フリーで右サイドを駆け上がった駒野友一がドリブルで切り込み、シュート! DFがブロックしたボールの下に、大木と上野優作がフリーでいた。が、大木がオフサイド…。そしてその2分後、遠藤の筆舌に尽くしがたいほど変化したFKが広島のゴールに突き刺さり、「少ないチャンスをモノにして守りきる」という広島のゲームプランを覆した。
後半、CKからマグノ アウベスに決められ、さらに前述のミスから3点目を失った広島。選手たちは必死に頑張った。しかし、走っても戦っても、チームはうまく機能しない。65分から出場した李は、頑張ってもうまくいかないチームの状況が悔しくて、涙が出そうになったという。結局、佐藤寿人のゴールも空しく、広島は敗れた。G大阪が放ったシュートは24本。広島の3倍を数えるこの数字が、今日の試合の全てを物語る。
G大阪の西野朗監督が「内容はよくない」と語るように、決してG大阪は本調子ではなかった。セットプレーと相手のミスからしか得点できなかったことが、その現実を物語る。しかし、そういう状況でも相手を圧倒し、しっかりと勝利を勝ちとったことは、逆にG大阪のチーム力の充実ぶりを証明した。
一方の広島は、ケガ人等で主力不在だったとはいえ、寂しすぎる内容だった。90分間は熱い応援を繰り広げていたサポーターも、試合後は罵声を選手たちに浴びせかけていた。しかし、選手たちが必死で頑張ったことはサポーターもよく理解していただけに、その罵声には「やりきれなさ」と「悲しみ」に満ちていた。そのサポーターの気持ちに報いるためにも、広島は次節の新潟戦にすべてをかけて勝利を勝ち取らねばならない。
以上
2006.03.25 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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