●5月9日(火)19:20/大阪長居
日本代表 vs ブルガリア代表
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毎年恒例のキリンカップサッカーの季節がやってきた。2005年はドイツワールドカップアジア最終予選後半戦の天王山・バーレーン戦(マナマ)を控えた調整の場となったが、ペルーとUAEにまさかの2連敗。これがその後の糧にはなったが、常に結果にこだわるジーコ監督のことだ。この二の舞は絶対に避けたいと強く思っているに違いない。
しかも今回はもっと重要性が高い。1ヵ月後に迫った2006年ドイツワールドカップ本大会への大事な強化試合、かつ登録メンバー23人決定前最後のテストマッチなのである。
「選手選考をするうえで重視するのは4年間の貢献度。勝ち点3が必要だった試合で何をしたかだ」と公言したジーコ監督の中では、すでに選考はほぼ終わっているかもしれない。が、ボーダーラインの選手たちはまだ逆転残留の可能性があると信じている。その少ないチャンスを信じて明日9日のブルガリア戦(大阪・長居、19時20分キックオフ)に挑む。
しかしながら今回は、選手たちのコンディションが万全とはいえない。4月15日のJリーグから5月7日の連休最終日まで、ヤマザキナビスコカップ、AFCチャンピオンズリーグなどを含め、彼らは中2〜3日で6試合という超過密日程を消化してきた。小野伸二、三都主アレサンドロら浦和レッズ勢と小笠原満男、本山雅志ら鹿島アントラーズ勢は7日に真剣勝負をしたばかり。中1日で戦えるか疑問な状況だった。
「選手たちと相談して決める」と事前に話していた指揮官だが、彼らは前日練習の行われた長居スタジアムに姿を見せず、ホテルで休養。ジーコ監督も「スタメンはない」と明言した。
黄ビブスを着てセットプレーの確認を行ったのは、GK川口能活(磐田)、DF田中誠(磐田)、宮本恒靖(G大阪)、中澤佑二(横浜FM)、ボランチ・阿部勇樹(千葉)、福西崇史(磐田)、右サイド・加地亮(G大阪)、左サイド・村井慎二(磐田)、トップ下・遠藤保仁(G大阪)、FW久保竜彦(横浜FM)、玉田圭司(名古屋)の11人。明日は3月30日のエクアドル戦(大分)と同じ3−5−2で挑むことになりそうだ。
ブルガリア戦のポイントは大きく分けて2つある。その1つが本番を1ヵ月後に控えてチーム完成度がどこまで高まっているかを確認することだ。
中田英寿(ボルトン)や中村俊輔(セルティック)ら欧州組が不在とはいえ、守備陣はあくまで国内組中心。チームとしては連動したプレスが必要だが、強豪国と対峙する場合にはどうしてもゴール前で跳ね返さなければいけない時間帯も出てくる。それを考えてもGKと最終ライン、ボランチのコンビを確認することは非常に重要になる。
「エクアドル戦でできたボールを失ってからの素早い守りができればラインも下がらない。これを続けることが大事。加えてボールを奪ってからの速い攻めも見せたい」と宮本も話す。そんな守備の連動と攻守の切り替えからの効果的な攻めに期待したい。
とはいえブルガリアも侮れない。何といっても94年ワールドカップアメリカ大会では4位に入り、98年フランス大会とユーロ2004(ポルトガル)にも出場している実績ある国だ。今回は中村俊輔と同じセルティックのS・ペトロフなどが欠場し、1軍半チーム構成ではあるが、一瞬のチャンスをモノにする嗅覚、一発の決定力は抜きん出ている。こうした相手の特徴をキッチリと封じるところから戦いは始まる。
そしてもう1つは、代表滑り込みをかけた選手たちのアピールだろう。特に注目されるのが巻誠一郎(千葉)と佐藤寿人(広島)のFW陣。昨夏の東アジア選手権(韓国)で代表デビューした巻は7試合に出場し2得点をマーク。佐藤の方は今年になってから参戦し、4試合出場2得点という高い決定力を示している。久保竜彦が6日の千葉戦(J1第12節)で先発落ちし、玉田圭司も今季1点どまりと、他のストライカー陣は好調とは言えない。前日練習を見る限りだと2人はベンチスタートのようだが、派手な活躍が見られれば序列がひっくり返る可能性もある。欧州組の高原直泰(ハンブルガーSV)と右足第5中足骨骨折でリハビリ中の柳沢敦(鹿島)も含め、どのFWが最終的に残るのかは目下、最大の注目点。ブルガリアも1つの指標となりうるだけに、大いに注目したい。
ブルガリア代表はユーロ2004の後、94年アメリカ大会4位の立役者で、98年から99年にかけて柏レイソルでもプレーしたストイチコフが監督に就任。チーム若返りを図ってきた。ドイツワールドカップ欧州予選ではクロアチア、スウェーデンと同組で不運にも敗退したが、このグループで3位というのはまずまずの健闘。指揮官の手腕は侮れない。かつて強烈な左足で魅せた天才の率いるチームは日本のファンにとっても興味深いところ。
日本代表としてはこの相手をどう攻略するのか。昨年のコンフェデレーションズカップ(ドイツ)でブラジルと大善戦を演じて以降、日本代表は清々しい勝利を挙げていない。白星を挙げたにしても終了間際の劇的なゴールか、セットプレーなどで奪った得点を守りきるような形だった。しかしもっと余裕のある試合運びを見せられなければ、想像を絶するプレッシャーを受ける本番は厳しい。今回こそ「確固たる前進」を感じ取れる一戦を見せてほしい。
以上
2006.05.08 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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