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【J2:第16節 徳島 vs 東京V レポート】戦う姿勢を随所に見せて11試合ぶりの勝利を掴んだ徳島。対する東京Vは今節も歯車が噛み合わず。(06.05.25)

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5月24日(水) 2006 J2リーグ戦 第16節
徳島 2 - 0 東京V (19:04/鳴門/4,060人)
得点者:'32 ジョルジーニョ(徳島)、'53 ジョルジーニョ(徳島)
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試合終了のホイッスルとともに選手たちが見せた笑顔。それは紛れもなく心からのもの。そして、平日のナイトゲームにもかかわらずスタジアムへ詰め掛け、拍手や大声援でチームを後押しした4千人を超えるサポーターたちの歓喜もまた、心の底から湧き出しているもののように感じられた。さらに「何とか結果が出てホッとしている。」という田中監督の言葉は、これまでの苦しみを思い返せば、指揮官としての偽りない本音であったはずだ。

今節の一戦。6試合ぶりのゴールを奪ったホーム徳島が、それによって実に11試合ぶりとなる貴重な勝利を掴み取った。

試合は立ち上がり、互いが相手の出方をうかがう慎重な展開。比較的シンプルな攻防が繰り返される。それは、両チームとも長らく勝ち星に見放されているだけに、負けたくないという心理がまず働いているようにさえ思われた。
しかし、一見そのような中、徳島にはハッキリした意図も感じられた。前節までの1トップから2トップにシステム変更して臨み、その2トップである羽地とジョルジーニョへのロングボールを徹底して狙っていたのである。

すると32分、その狙いがズバリと当たり、徳島に待望の先制点が生まれる。センターバック挽地のロングボールから羽地がシュートを放つと、それは東京V・GK高木に防がれるも、そのこぼれ球を詰めていたジョルジーニョがしっかりと押し込んだ。まさに思い描いていた形を現実のものとしたゴールであった。

そして、この先制点によって明らかに勢いづいた徳島は、その後攻守両面で充実したプレーを見せる。まず守備では、あらゆる局面で早い出足と激しい寄せを披露。東京Vの選手たちに時間と自由を与えない。そして攻撃面においては、前線の選手がタイミングのいい動き出しから裏へのロングフィードを引き出し、効果的なカウンターを幾度となく仕掛けた。特に、追加点を奪った53分のシーンは、それが最もハマッた瞬間だったと言えよう。確かにジョルジーニョのフィニッシュは寸分の狂いもない完璧なものであったが、相手DFライン裏でボランチ秋葉からの長いスルーパスを受けたその絶妙な飛び出しこそが、このゴールの最大のポイントだったと思われる。

採用したシステムと戦術も上手く機能し、そして何より選手たちが90分を通してピッチ全体で戦う姿勢を見せた徳島。結果、11試合ぶりとなる待望の勝利をホームで手中にした。選手たちにとっては、自らの自信を取り戻すキッカケとなる価値ある勝利となったに違いない。
ただ、ホッとできる瞬間は束の間。これで気を緩めると抜け出したトンネルにすぐさま逆戻りだ。この勝利をもって改めて気を引き締め、次節へ向けての準備に全力を尽くしてもらいたい。いいイメージといいコンディションを持って試合に臨み、そこで勝利することによりシステムの熟成は果たされるからだ。

逆に、今節も歯車が噛み合わず敗れた東京Vは、今自分たちのサッカーを見失っているのではないだろうか。この一戦において言えば、決して得意とは思えないパワープレーを多用していた攻撃面からそれが感じられた。ゲーム途中で崩れたリズムをなかなか引き戻せない中、ベテランMF永井の投入によって後半の終盤には時おり細かなパスワークでいい形も出来かけていただけに、今後一刻も早くチームとして本来のスタイルを取り戻すことが必要であろう。

現時点では本調子と言えない両チームだが、長丁場のリーグを考えれば巻き返すチャンスはまだ十分にあるはず。その奮起を大いに期待して今後を見守っていきたい。

以上

2006.05.25 Reported by 松下英樹
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