5月27日（土） 2006 J2リーグ戦 第18節
山形 3 - 0 水戸　（14:04／山形県／4,298人）
得点者：'36 林晃平（山形）、'62 レアンドロ（山形）、'65 臼井幸平（山形）
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●前田秀樹監督（水戸）：

「完敗と言いますか、終始山形のリズムで、90分間、こちらはサッカーをさせてもらえなかったというのが率直な感想です。
言い訳じゃないですけれども、うちのDFが怪我人続出で、大変台所事情が苦しい状況でした。昨日まで河野が2日間熱を出して（練習に）いなくて、今日も点滴を打ってやらせています。時崎も足が悪く、大変苦しい状況の中で戦っていかなきゃいけない。高橋も捻挫から復帰したけど、まだまだ状況がよくない。そういう意味で、うちのチームは、今日は最悪のゲームをしてしまいました。
逆に山形のほうはしっかりと守備をしたなかで、バランスの取れたサッカーをやられたんじゃないかと思います。自信を持ってプレーしているという感じがしました。うちのチームは逆に、今日は点を取りにいこうという部分が高すぎた分、結局カウンターでやられてしまいました。

攻撃でしっかりとシュートまで行かない部分が、今のうちの現状じゃないかなと思います。これがシュートまで行くようになればいいサッカーができ、順位が上に行くでしょう。どのチームもそうですし、ヴェルティもそうですけれども、点を取りに行くというのは大変リスクがあって、確実にシュートまで持っていくっていうチームはJ2の中ではなかなかない。これができればJ1には行けるんでしょう。
うちはあまり殴りに行くのは得意なチームじゃないですけれども、今日は1トップに権東と椎原の2シャドーで行きました。機能しなかったのは、うちではアンデルソンが起点になれずにそこで取られてしまうと、カウンターを受ける状況になる。シャドーが裏へ飛び出すものですから、そこでしっかり収まらずに取られちゃうと、1ボランチですからきついだろうと。点が入る5分くらい前にシステムを変更しようと思ったら、その矢先に点を取られてしまいました。点を取られてから権東を下げまして、4-4-2の2ボランチにした。どうしても点を取らなきゃいけないということで、ゲームを作れるマルキーニョを投入し、なんとか点を取りに行ったんですが、3失点目もマルキーニョが相手の股間を抜こうとして引っかけられて、そこから点を取られました。そういうところの差が出たのではないかと思います。

ひとつは、個人戦術の能力の差が出たんじゃないかなと思いますね。大変難しいんですけれども、うちのチームは相手のボールを奪ってリズムを作っていくチーム。うちが攻めて点を取るというのはなかなか難しい。逆に山形のほうがしっかりと守って、それを点に結びつけたということだと思います。守から攻への動きが早かったということですね。それでまんまとやられたんですけれども、どのチームもそういったサッカーをしていると、そんなに波があるチームにはならないと思います。
これは長期ビジョンだと思うんですけれども、いいサッカーというんですかね、自分たちのポゼッションをしながらシュートまで持っていく、個人戦術を高いレベルに育てなきゃいけない部分もある。負けてもそういう部分を作っていくのか、あるいはチームが勝つことを優先的にやらなくてはならないのか。今、私は（監督就任）4年目ですけれども、そういう部分でちょっと迷いがあります。4年目だと、もっと個々の選手のグレードを上げなきゃいけないのかなと思います。そういう意味で、負けるときは今日のような情けないゲーム展開になるんですが、勝つときは逆にボールを奪っていける。上位チームにいい試合をするというのは、そういうところかなあと思います。相手が攻めてきてくれると、いいサッカーになるのかなと。これは寂しいですけれどもね。
ですから、愛媛とか草津とか下位のチームには負けているんですよね。今言いましたように、守備が堅いチームにはなかなか点が取れない、逆に負けてしまうというケースが多いです。水戸も少しはケアをされてきたのかなと、水戸も少しやるようになったという証明かなと思います。選手たちにはいいサッカーを求めたいし、みなさんにもいいサッカーをお見せしたいと思います」


以上