●キリンチャレンジカップ2006
8月9日(水)19:20/国立
日本代表 vs トリニダード・トバゴ代表
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「スタメン? それはまだ私にも分からない。いちばん大事なのは向こう(トリニダード・トバゴ)がどういう作戦で来るか。それによるからだ。先発やシステムうんぬんより、チームとしてインテリジェンスを築いていきたい」と話したオシム監督。指揮官は「キリンチャレンジカップ2006・トリニダード・トバゴ戦」に向けた先発や基本布陣を一切明かさなかった。
試合前日はメンバーをある程度固定させ、攻撃と守備のパターン練習を徹底させたトルシエ元監督、セットプレーと調整のためのミニゲームしか行わなかったジーコ前監督と、これまた全く異なるアプローチ方法だ。選手たちにしてみれば、まさに「白紙の画用紙に絵を描こうとしている状況」だろう。代表経験の少ない彼らは、自分たちでベストの状況判断を下すことを求める指揮官に応えられるような戦いができるのか。「考えながら走るサッカー」を標榜するオシムジャパンが、いよいよ第一歩を踏み出す。
2006年ドイツワールドカップでの完敗から約1ヵ月半。今日9日の19時20分から新生・ジャパンの初戦が東京・国立競技場でキックオフされる。7日にU−21中国戦を戦ったU-21日本代表の青山直晃(清水)も招集され、総勢19人となった日本代表だが、ドイツのピッチに立ったのは川口能活(磐田)、坪井慶介・三都主アレサンドロ(ともに浦和)、駒野友一(広島)の4人だけ。この日、国際Aマッチデビュー戦を迎える選手が11人もいる。非常にフレッシュなメンバーが今後の日本サッカーへの足がかりを作ることになる。
練習初日の6日は平成国際大学とのゲーム、7日は最大7色のビブスによる頭を使った練習を実施したオシム監督。試合前日も11人をピッチに立たせて戦術を確認するようなメニューは一切しなかった。練習は3色のビブスを使った6対3に始まり、3グループに分かれた3対3、ハーフコートでの9対7、30m×50mくらいのエリア内での9対9といった流れで進んでいく。ビブスの種類が減ったため、難易度は多少前日よりは下がったものの、「これだけみっちりと1時間半練習するなんて、試合前日とは思えない」と佐藤寿人(広島)もコメント。当の選手たちにも負荷の大きなメニューだったようだ。これも「走りすぎて死ぬことはない」と話すオシム監督らしい準備といえる。
この練習のうち唯一、先発を推測する手がかりとなったのが、ハーフコートでの9対7。主に守備を担う7人の方には、GK川口、DF(右から)田中隼磨(横浜FM)、坪井、田中マルクス闘莉王(浦和)、駒野が陣取り、中盤には長谷部誠(浦和)、鈴木啓太(浦和)、三都主の3人が並ぶ形で入った。
もともと今回は「連係を深める時間が少ないため、浦和中心のメンバーで戦うことになるのではないか」と見られていた。オシム監督も「相手は攻撃に優れているから、こちらの守備をどうするかは頭にある」と発言しており、まずは計算できる選手たちで守備を安定させるつもりだろう。といっても、その前が3トップなのか、それとも山瀬功治(横浜FM)をトップ下に据えたうえでの2トップなのか、全く予想がつかない。最終ラインはDFの人数が少ないため、ほぼこの選手たちで行くのだろうが、中盤はメンバー入れ替えも考えられる。まさに誰が出てもおかしくない状況。栗原勇蔵(横浜FM)も「全員にチャンスがある。みんないい準備をしているし、非常に楽しみ」と前向きに話しており、選手たちはやる気満々だ。
前日練習前にオシム監督は選手全員を集めてミーティングを実施。その中で、トリニダード・トバゴの予想布陣を2〜3種類描いたものを見せながら「お前たちならどう対応するのか?」と選手たちに問いかけたという。こうした試みは対話を大事にする指揮官らしい。「ジーコ監督もオシム監督も自主性を尊重する人だったけど、オシム監督は必ず結論を出させる。結果が合っていても間違っていても、答えを導き出すことを重視する。単に自由なままじゃなく、自由な発想の中、どう答えを導き出すか。そのディテールを大事にしている」と川口は話していた。確かに、いくら自由でも明確な答えが出なければ、チームはばらばらになってしまう。オシム監督の「考えろ」という意味は、「責任を持って答えを出し、それを遂行しなさい」ということかもしれない。
トリニダード・トバゴ戦のピッチに立つ選手たちはそんな指揮官の意図を汲み、臨機応変な対応ができるのか。基本布陣もないチームであるため、キックオフ直後から相手の出方を即座に判断して対処しなければならない。90分間集中して考え、走ってスピーディーなサッカー見せられれば、若きジャパンに勝機は見えてくる。
「敗北は最良の教師。勝ってしまえば修正すべき点が見えないこともある」とオシム監督は自嘲気味に話したが、それでも彼らは戦う集団だ。勝利を目指してピッチに立つのは当然のこと。「オシム監督に勝利をプレゼントしたい」と闘莉王も意気込んでいた。
いずれにしても、結果と内容を切り離して分析すること。それがこのトリニダード・トバゴ戦に不可欠なテーマだ。何が起きても一喜一憂しない。オシムジャパンを見る上では、その重要性を肝に銘じたい。台風7号の接近で悪天候が懸念されるが、それでも気持ちのこもったアグレッシブなゲームを期待したいものだ。
以上
2006.08.09 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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