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【第86回天皇杯5回戦 川崎F vs 甲府:レポート】セットプレーからの2発で流れを変えた甲府が初めての天皇杯ベスト8入り。リーグ戦2位の川崎Fはタイトルには手が届かず。(06.12.10)

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第86回天皇杯5回戦
12/9(土)13:00 KICK OFF/3,881人/丸亀
川崎F 2-5 甲府
得点者:6'ジュニーニョ(川崎F)29'ジョジマール(甲府)35'藤田 健(甲府)63'倉貫 一毅(甲府)67'ジョジマール(甲府)78'鄭 大世(川崎F)84'須藤 大輔 (甲府)
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「ここ何年かは、クリスマスを独りで過ごしているからサッカーが出来るのは大歓迎」

 90分間走り抜いた石原は、クリスマスイブのある週末(12月23日)にサッカーが出来る喜びをこう話した。
 
 試合開始から甲府は前からのプレスを掛け、川崎Fは甲府のDFラインの裏を狙う。そのパスを2回目まではオフサイドに仕留めた甲府だが、3回目は裏を取られた。シュートには至らなかったが、川崎Fは甲府のサッカーとそれに対して自分たちのストロングポイントをどう活かせばいいのか、リーグ戦同様の戦いを見せる。

バレーが帰国した甲府は、4−3−3の3トップの選手を代えてきた。中央には8月に来日したジョジマール(19歳)を起用。左には茂原、そして右に7ヶ月ぶりの公式戦復帰となる倉貫を入れてきた。戦術的には、茂原を中央に置くものとは違って、ジョジマールは前線のアンカーという役割。また、復帰戦となった倉貫は守備の負担はあるものの、その強度は軽減される条件(3トップの右)でプレーできた。

しかし、この新布陣を立ち上がりから機能させるほど川崎Fは甘くない。甲府の攻撃は川崎Fのゴール前になかなか入り込めない。中村と寺田のダブルボランチが、甲府の攻撃の芽が膨らめば確実に摘み取っていくからだ。また、バレーのいない甲府相手に、DFラインの裏を心配する必要も無かった。6分にCKから川崎Fがジュニーニョのヘッドで先制点を挙げると、前半は耐え切ることが甲府の戦いになるかと思えた。ただ、ジョジマールは忠実に中央の高い位置で待ち続けていたし、チームメイトはそこを経由する攻撃を作り出そうとしていた。また、林はDFラインの裏を狙う黒津に厳しいチャージでDFラインのサポートをしていた。意思と現実の距離はそう遠くは無かった。

ただ、バレーがいれば裏にボールを入れる選択肢を使えたが、ジョジマールはそこを使えるスピードとフィジカルの強さは持ち合わせていない。ゴール前で落ち着いてシュートを打てる上手さはバレーにない素晴らしい能力だが、ジョジマールが仕事を出来る場所まで誰かがボールを運ばなければその能力を発揮できない。それがなかなか出来ない甲府だったが、前述したように甲府の選手はやろうとし続けていた。大木監督が、「20分過ぎまでは、指示を出さないで待っていた」と言うように、川崎F有利で進むピッチ状況とは違って甲府サイドはいずれ花を咲かせる自信は持っていた。

先発11人の平均である身長差約4cm・、体重差約4?の差にも甲府の選手は挑んでいたが、身体を寄せられるとその差にはなかなか抗し切れない。しかし、29分にCKからジョジマールのヘディングシュートが決まると、4cm、4?の差を真正面から受けることが少なくなってくる。35分に藤田のグレートFKが決まると、川崎Fはボールにアプローチに行けなくなった。足が止まったのではない、リードされたことで微妙にリスクを冒さすことが出来ない心理状態になったのではないだろうか。選手個々の能力では完全に川崎Fが上。しかし、甲府が今季戦った相手は、全てが同等以上の能力を持った相手。一人で突破できなければ、2人、3人のコンビネーションで突破していく。一人で守れなければ、2人、3人で奪いに行く。それでも、奪えなければ戻ってもう一度奪いに行く。抜かれたら「あとは後ろでヨロシク」というような守備はしない。徐々に甲府の歯車が噛み合って行く。

後半63分に倉貫、67分にジョジマールがゴールを挙げて4−1になると、甲府は追い付かれる恐怖から開放された。後半の立ち上がりは、川崎Fのパワープレーに同点を覚悟せざるを得ない雰囲気だったが、決定機に外してくれたことで甲府は助けられた。また、追加点が取れないメンタリティの甘さも甲府は克服していた。78分に鄭 大世にゴール決められるが、川崎Fはその後も決定機に外してアシストしてくれる。84分に須藤が茂原のシュート性のボールに対して、足でなく頭で反応して5点目を決めて再び3点差。点差が開いても気を緩めなかった甲府は、初めての天皇杯ベスト8を手にした。点差をつけても更に点を取りに行く甲府のサッカーを、リーグ戦2位の川崎F相手に実現したことが素晴らしい。

以上

2006.12.10 Reported by 松尾 潤
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