6月24日(日) 2007 J1リーグ戦 第17節
鹿島 2 - 1 名古屋 (16:00/カシマ/14,317人)
得点者:'65 増田誓志(鹿島)、'70 マルキーニョス(鹿島)、'71 ヨンセン(名古屋)
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■注目プレイヤー: マルキーニョス選手(鹿島)
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前半のシュート数は鹿島アントラーズの2本に対して名古屋グランパスエイトの8本。今季序盤戦の「勝てない鹿島」だったら、間違いなく失点していただろう。しかし5月からカップ戦を含めて10試合無敗の彼らは、「常勝軍団」といわれた頃を髣髴させる粘り強さと辛抱強さを備えていた。集中した守りで苦境を乗り切った後半、目の覚めるような攻撃で増田誓志とマルキーニョスが立て続けにゴールする。名古屋はヨンセン、藤田俊哉が前線で相次ぐ決定機を迎えるが、カシマスタジアムの神様を味方につけたGK曽ヶ端準のスーパーセーブに阻まれた。勝利の女神はどこまでも鹿島に味方し、試合は2−1で終了。名古屋のカシマスタジアムでの連敗記録は21に伸びることとなった。「6回ものチャンスのうちたった1回しか決められなかったら勝てない。それでも長い歴史の中で最も勝利に近づいた試合だった」とフェルフォーセン監督も悔やしさをぶちまけた。彼らにとってカシマはどうしても打ち破れない「鬼門」のようだ。
93年5月16日のJリーグ開幕戦で、ジーコ(現フェネルバフチェ監督)のハットトリックを含めて5−0と大勝してから13年。鹿島は本拠地で名古屋に勝ち続けている。名古屋にしてみれば早く不名誉な記録を途絶えさせなければいけない。フェルフォーセン監督は「特別な意識はない」と言うものの、選手たちの中には燃えるものがあっただろう。
前節・柏レイソル戦と同じスタメンで、基本布陣の4−4−2も変更しなかった鹿島に対し、名古屋は大きくメンバー構成をいじってきた。システムは3−5−2をべースとしつつも3トップに近い形。増川隆洋の負傷離脱もあり、3バックには大森征之、米山篤志、阿部翔平が入る。中盤は山口慶、吉村圭司、藤田俊哉が3ボランチ気味になり、左サイドは本田圭祐。そして右のウイング的な位置に津田知宏、左ウイングに片山奨典、1トップにヨンセンだ。「杉本恵太がコンディション負傷で本来MFの片山をFWに起用した。右にも規律の守れる津田を持ってきた」と指揮官は新戦力起用の意図を説明した。
この采配は的中する。前半の名古屋は勝利への激しい意欲を前面に押し出す。鹿島のマルキーニョス、田代有三らFW陣をマンマーク気味に見ながら守りを厚くし、相手に自由を与えない。タイトな守備から攻撃への切り替えもスピーディーで、津田と片山の両サイドも非常に利いていた。鹿島はボールを回せず苦しみ、タテに蹴り出すのがやっと。「相手にコンパクトなサッカーをやられてパスミスも多かった。前半はかなり苦しかった」と本山雅志も苦笑いしたほどだ。
苦しみながらも45分間を耐え切ったことは鹿島にとって大きかった。ハーフタイムにはマークのズレを修正し、彼ららしい連動性の高いサッカーができるようになる。そして迎えた20分、田代→野沢拓也→マルキーニョスとつながったボールを最後に受けた増田が思いきってペナルティエリアすれすれの位置から右足を振り抜く。次の瞬間、ゴールネットが揺れ、スタンドから大歓声が起きた。「今日の自分はシュート以外は何もできなかった」と反省した増田だが、名古屋の勢いを断ち切るには十分だった。その5分後には野沢のうき球のクロスを岩政大樹がヘッド。そのこぼれ球を拾ったマルキーニョスが難しい位置から追加点を奪った。「得点を奪うには運も味方につけないといけない。今日もそれがあったからゴールできた」と満面の笑みを浮かべたエースの3試合連続得点で、鹿島は勝ち点3へまた一歩近づいた。
フェルフォーセン監督にとって痛かったのはこの2点目が杉本、渡邉圭二の2人を交代させようと送り出した矢先の時だったこと。決定力が勝負の明暗を分けるのはもちろんだが、こうした決断も大きな要素なのだ。それでも直後に杉本のクロスからヨンセンが1点を返し、反撃ののろしを挙げる。35分にはヨンセン、37分には藤田と立て続けにゴール前へ飛び込んでフリーになる決定機を迎える。普通なら必ず入っていそうなシュートシーンだったが、どちらも守護神・曽ヶ端の正面。「藤田さんの時はクロスに対して出られなかったけど、飛んできたシュートが正面でラッキーだった」と彼も言うほど、鹿島には運が味方した。J通算100ゴール達成をフイにした藤田は悔しさをむき出しにした。
終わってみれば2−1で鹿島が勝利していた。シュート数は12対17と名古屋が上回ったが、相手を跳ね返し続ける堅守と老獪な試合運びが光った。途中出場のファボンや船山祐二、石神直哉らもいい仕事を見せ、選手層の厚さも感じさせたゲームだった。
これでJ1は前半戦を終了。鹿島は首位・ガンバ大阪と勝ち点8差の3位で折り返した。開幕5試合勝利なしという最悪の出だしを見事に巻き返し、チーム完成度も高まってきた。「私がどんな監督で何をするのかを選手たちも理解した。私の魂を受け継いでピッチで表現してくれている」とオズワルドオリヴェイラ監督も自信を深めている。この勢いで上位2チームを追走し、悲願の10冠を現実のものとしたい。
対する名古屋はこれで3連敗。順位を11位まで落とした。この日も内容はよかったが、指揮官も嘆くように肝心なところで1点が奪えないでいる。何とか開幕4連勝していた頃の勢いと自信を取り戻し、再浮上のきっかけをつかみたいところだ。
以上
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