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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 鹿島 レポート】全員守備から全員攻撃を機能させた広島が、鹿島に「何もさせずに」快勝!(07.07.09)

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7月8日(日) 2007 ヤマザキナビスコカップ
広島 1 - 0 鹿島 (18:00/広島ビ/7,086人)
得点者:'23 服部公太(広島)

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「広島のやり方は変わっていない」とオズワルド オリヴェイラ監督をはじめ、鹿島の選手たちも語っている。ただ、チームコンセプトは変わりはなくても、カシマスタジアムでのリーグ戦(15節 1-5で敗戦)の時とは大きな違いが、この試合での広島には存在した。

 この日、広島の2トップは守備時において横並びではなく、縦関係をつくっていた。ウェズレイが最前線で張り、鹿島のセンターバックコンビの前に立つ。激しく動くというわけではないのだが、そこに立っているだけで大岩剛と岩政大樹に対して巨大なプレッシャーとなっていた。この日、ウェズレイは尿管結石を患っており、痛みがまだ残る中で志願の出場。万全ではない状況ながら、ダイナミックなサイドチェンジなどやれることを精一杯やり抜いた。

 さらに大きな貢献を果たしたのは、ウェズレイの下にいた桑田慎一朗である。広島の最前線を支えてきた佐藤寿人・平繁龍一不在の中で、本来はMFである桑田をFWで起用したペトロヴィッチ監督だったが、この抜擢に彼は応えた。
 桑田は、鹿島のボランチ=青木剛を徹底的にマーク。さらに、増田誓志や本山雅志がボールを受けに下がってきた時も、しっかりと対応した。激しくアグレッシブにボールを奪う、というわけではないのだが、マークの動きと距離感が的確だったために、鹿島のプレーを限定することができた。そのため、広島の守備陣は確信を持って連動。前半、広島が比較的高い位置でボールを奪い、鹿島を押し込んでいったのは、桑田の自己犠牲的な守備があったからだ。
 彼の素晴らしさは、攻撃にも発揮された。立ち上がり、中盤でボールを奪った彼は、そのままドリブルで持ち込みシュートを放った。李漢宰のクロスに飛び込んで打ったシュートは、バーを直撃。森崎浩司のクロスに合わせたヘディングシュートも決定的なタイミングだった。守備の時は中盤まで下がってボランチをチェックし、攻撃時はウェズレイを追い越してゴールに飛び込む。この激しい動きに「パワーをもらった」(森崎浩)広島の選手たちは、激しく鋭く鹿島を追い込む。

 23分の決勝点は、2トップを中心とする広島の「全員守備・全員攻撃」のコンセプトが、見事に具現化したものだった。桑田が青木のパスコースを限定させ、そこから連動して李や森崎浩が相手を追い込む。そして、増田が苦し紛れに打ち込むクサビを予測していた青山敏弘は、そのボールをスライディングでカット。さらにこぼれ球を増田と競り合う状況になりながら、またもスライディングでボールを拾った。そこから素早く立って縦に一気に走った青山は、右サイド奥深くまで侵入した。桑田を起点とする連動した守備と、青山の60mにも及ぶランニングが、この得点劇の導火線となった。
 青山は、サポートしてきた李にバックパス。ゴール前では、桑田・ウェズレイ・高柳一誠が、それぞれマンツーマンで相手DFにつかれていた。その状況を確認した李だったが、彼は確信を持ってその向こう側にクロスを入れる。
 こういう状況で、左サイドの服部公太がゴール前に飛び込んでくることは、練習で何度もやっている広島の形。練習の形どおりに飛び込んできた服部は、李の美しいクロスを見事なボレーでゴールネットに叩き込んだ。この瞬間、広島はゴール前4人に対し、鹿島のDFは3人。さらに青山や李も近くにいる。組織的守備からスタートした組織的なカウンター。広島は、狙いどおりに見事な得点を決めた。

 後半、鹿島はダニーロを投入して増田を右サイドに動かし、さらに船山祐二・佐々木竜太と投入し、勝負を仕掛ける。ある程度押し込むことはできたが、ガッチリとブロックを固めた広島の守備を崩すことができない。得意のセットプレーも封殺された鹿島は、「何もできずに」(オズワルド オリベイラ監督)広島の軍門にくだった。
 一方、広島にしてみれば、後半はカウンターから決定的チャンスを何度も迎えていただけに、あと2〜3点は叩き込みたかったところ。だが、レギュラー3人(佐藤寿人・駒野友一・柏木陽介)と貴重なバックアップ(平繁龍一・槙野智章・ダバツ)を代表や怪我で欠いている広島にとって、1−0はベターな結果だった。

 鹿島の勝ち上がりには、ホームで2点差以上の勝利が必要となる。1−0の場合は延長入りだが、2−1の場合はアウェイゴール数の差で広島が準決勝進出を決定する。厳しい状況に追い込まれた鹿島だが、ただ彼らにはまだ、柳沢敦と小笠原満男という切り札がある。彼らを加えた鹿島の力をもってすれば、主力抜きの広島にホームで2点差をつけて勝利する可能性は十分。1週間後のカシマスタジアム(7/15・18:30〜)、広島のやり方を身体にしみ込ませた鹿島の逆襲は、必見だろう。


以上

2007.07.09 Reported by 中野和也
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