1月30日(水)
日本 3 - 0 ボスニア・ヘルツェゴビナ (19:20/国立/26,971人)
得点者:68' 中澤 佑二(日本)、83' 山瀬 功治(日本)、88' 山瀬 功治(日本)
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開始早々の5分、日本のエース・高原直泰(浦和)が思い切りのいいシュートを放った。トップ下に起用された大久保嘉人(神戸)も2列目から何度か鋭い飛び出しを見せ、中村憲剛(川崎F)も鋭いサイドチェンジで相手に揺さぶりをかける。スコアレスドローに終わったチリ戦(26日、東京・国立)の反省を踏まえ、彼らはボスニア・ヘルツェゴビナ相手に、立ち上がりから「ゴール」を積極的に意識した攻めをしかけていた。
しかし、前半35分に右サイド・内田篤人(鹿島)がゴール前でフリーになった場面でクロスを選択してしまうなど、シュートが打てる場面で大胆さを欠くことが多く、相変わらずゴールをこじあけられない。前半途中には巻誠一郎(千葉)が右わき腹を負傷して交代を余儀なくされ、山瀬功治(横浜FM)が登場。大久保がFWに上がったが、今度は大久保がボールを触る回数が減ってしまった。「ピッチの3分の2まではボールが回るけど、3分の1に入ると苦しい」と遠藤保仁(G大阪)もこぼした通り、アタッキングエリア内での「詰めの甘さ」を感じさせた。
後半に入り、来日したばかりの相手のコンディションがガクっと落ちた。これに助けられ、中澤佑二(横浜FM)が右CKからようやく先制。残り10分のところで、山瀬が鋭い飛び出しとゴールへの貪欲さを見せて2得点をゲットした。岡田武史監督はコンサドーレ札幌、横浜F・マリノス時代の秘蔵っ子たちの奮闘によって勝利を飾り、チームとしても「ゴール」と「結果」という最低限のノルマを果たすことに成功した。
FW陣が無得点に終わり、チーム全体としても状況判断の遅さ、連携面の不足などを感じさせるなど課題はまだ山積しているが、「僕らは少しずつ前進している」と山瀬が言うように、選手たちは前向きだ。この3−0の勝利から得た自信を2月6日の2010年FIFAワールドカップ南アフリカ アジア3次予選初戦・タイ戦(埼玉)に確実につなげたいものだ。
南アフリカワールドカップへの第一歩となるタイ戦への最終調整試合となった30日の「キリンチャレンジカップ2008」ボスニア・ヘルツェゴビナ戦(東京・国立)。スタジアムには急性脳梗塞から奇跡的な回復を遂げたイビチャ・オシム前日本代表監督とFC琉球総監督に就任したフィリップ・トルシエ元日本代表監督が訪れた。岡田監督には目に見えない重圧がかかったことだろう。
2008年初戦のチリ戦を不本意な内容で引き分けているだけに、日本は是が非でも点を取って勝たなければならない。指揮官は練習で試していた通り、大久保をトップ下で起用。19歳の内田も2試合連続スタメンに抜擢した。GKを楢崎正剛(名古屋)に変えたのも特筆すべき点。「川口(能活=磐田)がケガをするかもしれないし、万全を期したかった」と岡田監督はその意図を説明していた。対するボスニア・ヘルツェゴビナは4−2−3−1の布陣。平均身長185.3cmの高さにはやはり警戒が必要だった。
チリ戦では「接近・展開・連続」の理論に縛られすぎた日本。だがこの日はタテへタテへという意識が色濃く出ていた。ダイレクトパスが増えるなどパス回しも速くなる。右サイドの内田が攻撃参加する回数も格段に増えた。序盤の戦いぶりからは、早い時間帯に1点が生まれそうな雰囲気も漂った。
しかしサッカーはそんなに簡単ではない。引いて守る相手を崩せず、巻も高原もシュートを打てない。巻が前半33分に負傷退場した後、35分には内田、38分には山瀬と大久保がそれぞれ決定機を迎えるが、それもゴール前に陣取る敵に阻まれた。前半のボール支配率は65.3%対34.7%と圧倒するも、「フィニッシュ」の課題が再び重くのしかかる。日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンも「この相手に3−0で勝てないようじゃファンも失望する」と前半終了時点で実感したという。
オシム前監督がファンに手を振るシーンが大型映像装置で映し出されたハーフタイム。岡田監督はロッカールームで「キレイにボールを回しているだけでは点は取れない」と苦言を呈し、もっと貪欲に得点を狙いに行く姿勢を熱く求めたという。
それでも後半立ち上がりは膠着状態が続く。そんなチームを窮地から救ったのが、来月30歳を迎えるベテランDF中澤だった。後半23分、遠藤の右CKから山瀬が強引にシュート。これがそれたところに詰めたのが彼だった。2006年ドイツワールドカップ予選の苦しみを知る男が泥臭さを体現し、選手たちはようやく自信を取り戻す。後半38分と43分の山瀬の2つのゴールにも、途中出場した今野泰幸(F東京)と播戸竜二(G大阪)の「岡田チルドレン」が絡んだ。彼らの奮闘と相手のコンディションの悪さに助けられ、日本は何とか最低限の結果を出した。
積極的にプレスをかけてきたチリに比べると、引いて守ってきたボスニア・ヘルツェゴビナは1週間後に戦うタイに近い。その相手を崩すのに苦労したのは不安の残るところだ。が、大久保や山瀬らが見せた2列目からの飛び出しや内田らのサイド攻撃が有効であることは実証された。指宿合宿からトライしている鈴木啓太(浦和)をワンボランチに置いたシステムも徐々にバランスが取れてきている。これらは明るい材料といえる。
こうした要素を生かし、来るべき決戦で確実に点を取ること。それしかない。岡田監督も「結局、ゴールを取る時というのは、『どうしても入れてやる』というような強い気迫がないとなかなか入らないものだ」と強調していた。それだけの気迫と闘争心を示せるように、残り1週間を最大限役立ててほしい。次こそ失敗は許されないのだから。
以上
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